自動車保険の基礎知識として覚えておきたのが自分の車の損害分を補償してくれる車両保険です。車両保険は一般タイプとエコノミータイプの2種類が基本となるので自分がどのくらい運転をするのかで選んでいけばいいでしょう。
・一般タイプ
車同士の事故以外にも保険金が支払われるタイプです。人身事故や物損事故を起こしてしまった時にも対応してもらえるので運転にあまり自信のない方は一般タイプの車両保険がおすすめです。
・エコノミータイプ
車同士の事故の場合だけ保険金が支払われるタイプです。人身事故や物損事故を起こしてしまった場合は適用外になってしまうので保険金は支払われません。
Contents
- 1 車両保険は地震による損害を補償しない!愛車を地震から守るためには?
- 2 車両保険は地震による損害を補償しない!愛車を地震から守るためには?
- 3 当て逃げ事故で車両保険を使用する際の注意点
- 4 【ケース別】車両保険の設定金額の目安を徹底比較
- 5 全損時には車両保険はどれだけ支払われるか?
- 6 一般型とエコノミー型で違う?車両保険の補償範囲について
- 7 車両保険の車両価格はこうして決まる
- 8 火山の噴火により自動車が壊れた!車両保険で補償される?
- 9 台風、大雨、洪水で車が水没した場合には車両保険で補償される?
- 10 タイヤがパンクした!車両保険で修理できる?
- 11 飛び石で車のフロントガラスが割れたら車両保険で直せるのか?
- 12 車両保険はどのような場合に必要になるか?
車両保険は地震による損害を補償しない!愛車を地震から守るためには?
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車両保険は地震による損害を補償しない!愛車を地震から守るためには?
普通に車両保険に加入しているだけでは地震による大津波で自動車を沖合に流されて、自動車を失ってしまった場合等に車両保険から保険金の支払いを受けることはできません。地震による自動車の被害を車両保険で補償してもらうためには、地震等による危険車両全損一時金特約という特約を車両保険に付ける必要があります。
普通の車両保険では、地震による車両被害は補償されない
車両保険に入っていると地震などで契約車両が被害を受けたとき、車両保険から保険金が支給されるのではないかとも思われますが、実際にはそのケースで保険金は支給されません。
車両保険には一般型(ワイド補償型)とエコノミ―タイプの2種類がありますが、一般型に加入している場合でもでもエコノミ―タイプに加入している場合でも、以下の原因で車両が被害を被った場合には車両保険から保険金の支払いを受けることができます。
- 火災
- 爆発
- 盗難
- 台風
- 洪水
- 高潮
一般型及びエコノミー型の車両保険では一部の自然災害による自動車被害は補償しますが、その中に地震・津波・噴火は入っていません。したがって、一般型の車両保険に加入している場合でも地震等による自動車被害を受けた場合には、保険金の支払いを受けることはできません。
地震等で自動車が被害を受けたとき車両保険から保険金の支払いを絶対に受けることができないかというと、必ずしもそうではありません。自動車保険各社は、車両保険に地震等による危険車両全損一時金特約というものをオプションで用意しています。この特約を付帯させれば地震で車両が損害を被った時に、車両保険から保険金の支払を受けることができます。
地震等による危険車両全損一時金特約がでてきた理由について
自動車保険に車両保険を付帯させていても地震等の被害で自動車が全損になった場合、車両保険から保険金が支給されないのが原則です。地震の被害で自動車が全損になる状態について分かりやすいのが東日本大震災です。あの時地震後の津波で何万台という自動車が沖合に流されて戻ってきませんでした。戻ってきても自動車全体が水につかって再び運転ができなくなったというものの多数ありました。
自動車保険に車両保険を付帯させていても・地震・津波・噴火による自動車の損害は補償されないのが原則です。しかし、東日本大震災以降地震等で自動車被害を被った場合に、車両保険から保険金が出るようにしてほしいという要望が強くなり、最近では車両保険に、地震等(津波・噴火も含む)による車両全損一時金特約を付けることができる保険会社が多くなってきております。
東日本大震災が起こる前までは地震・津波・噴火の被害で自動車が全損するケースは、保険が成り立つほどの頻度で起こる事故とは考えられておりませんでした。地震・津波・噴火で自動車が全損する事故はあることはあるのですが、自動車全体の事故からするとあまりにもレアなので、それに対する保険を作っても意味がないだろうという考えが支配的でした。
被害日本大震災が起こって何千台もの自動車が津波に飲み込まれ全損状態となり、さらには巨大な津波を伴う南海トラフ地震が近未来に起こるのではないかと噂されています。その結果、自動車会社の一部は車両保険に地震特約のオプションを積極的に設定するようになりました。
地震等による車両全損一時金特約の内容について
地震・津波・噴火危険車両全損一時金特約は、地震・津波・噴火によって契約車両が全損した場合に50万円を上限として車両保険から保険金を支払うというものです。この特約の特徴の1つ目は車両が全損しないと保険金が支給されないことです。地震による被害で自動車が大破しても、地震による落下物がボンネットにぶつかってボンネットがへこんだ程度では、この特約から保険金は支給されません。
特徴の2つ目は上限が50万円(被害額が50万円以下の場合にはその金額)しか支給されないという点です。たとえば300万円で高級車が地震による津波によって沖合に流されて戻ってこなかった場合でも、50万円しか保険金はおりません。交通事故などで車両が全損した場合には補償上限額の全額が出るのですが、この特約の場合には50万円が限界です。
特徴の3つ目は車両保険に入っていないとこの特約は使えないということです。しかも、車両保険の中でも保険料のより高い一般型(ワイド型)に入っていないとこの特約を付けることができない保険会社が多くなっています。車両保険には入らないで地震による車両被害だけ補償して欲しいといってもそれは通らない要望となります。この特約を付帯させた場合保険料は5,000円程度上がります。
この特約の内容については各保険会社によって微妙に異なるので、この特約を希望される方は現在契約している保険会社に問い合わせてみる必要があります。上記はあくまでこの特約の一般的な内容となります。
地震等による危険車両全損一時金特約が必要な人はどんな人か
地震等による危険車両全損一時金特約が必要な人はどんな人かというと、まずオートローンで自動車を購入した人はこの特約を付けた方がいいでしょう。オートローンを返済できないうちに地震の被害で自動車が大破し、買い替えが必要となった場合は自動車が手元にないのにローンだけが残るという状態になります。新しい自動車もローンで買うと二重ローンとなります。
特約に加入していれば支給される金額の上限が50万円ですので安い自動車しか買えませんが、買い替え費用は保険から出るので安心です。次に、この特約を付けた方が良い人は日常生活で自動車が不可欠な人です。日常生活で自動車が不可欠な人が地震の被害で自動車が全損した場合、この特約から保険金が出るのですぐに新しい自動車を購入できます。
中国地方及び関東地方に居住される方は、近未来に南海トラフ地震の津波被害に遭う確率が高くなります。特に沿岸部に居住されている方であればこの特約を付けた方がいいでしょう。大地震が起こっても津波がこない内陸部に居住されている方や過去に津波の被害にあったことがない地域にお住まいの方の場合、この特約をつける必要性は低いと言えます。
最近の自動車保険は補償範囲が豊富になりさまざまな場面で保険金の支払いを受けることができますが、保険の本質は本当に困った時にまとまった保険金を受け取ることです。このことを考えると、地震で自動車を失うことは本当に困ったケースに該当するのでこの特約を付けた方が良いという考えも成り立ちます。
被害額の全額を補償してくれる保険会社もある
車両保険に地震等による危険車両全損一時金特約を付帯させていても、地震等の被害で自動車が全損した場合にユーザーが受けることができる保険金の上限額は50万円であることがほとんどです。したがって、契約車両の時価評価額が高い場合には、その金額では全損した契約車両と同等程度の車両を新しく購入することはできません。
楽天損保とチャブ保険の地震等による危険車両全損一時金特約は、保険金の支払額に50万円という制限を設けておらず被った被害の全額を補償してくれます。よって、高級車を保有している方が地震特約を付帯させたいという場合には、本体の自動車保険の契約会社を楽天損保又はチャブ保険とするといいでしょう。
当て逃げ事故で車両保険を使用する際の注意点
駐車場を利用する機会が多い方であれば当て逃げ事故に遭う機会も多くなります。当て逃げ事故で自動車を破損した場合、一般型の自動車保険に加入していれば、原則として、受けた損失について保険金を受け取ることができます。エコノミー型の車両保険からは、保険金が出ないので注意が必要です。
一般型の車両保険に入っていないと、当て逃げ事故は補償されない
当て逃げ事故で一番多いのは、駐車場に自動車を止めてレジャーや仕事のために自動車を離れている期間に、他の自動車にぶつけられて、自動車にキズが付いてしまうということではないでしょうか。ぶつけた相手が報告しなかった場合、駐車場に監視カメラが設置されていないと、逃げた相手を見つめるのは至難の業なので、このケースが当て逃げ事故のもっとも多いケースとなります。
道路での車対車の事故だと、相手が逃げた場合でも目撃者がいたり、被害者が相手や相手の自動車の特徴を克明に記憶していることが多いので、特別な事情がない限り、相手が見つかるので当て逃げ事故にはなりにくくなります。ただし、駐車場でのあて逃げ事故では、ズピードが出ていないので大きな事故にはなりませんが、道路での車対車の当て逃げ事故の場合には、大きな事故になる場合があります。
車両保険には一般型とエコノミー型の2種類があります。一般型はフル保障型とかワイド補償型とかいう場合がありますが、補償範囲が広く保険料が高いタイプのものが該当します。一方、エコノミー型は、ほかに車対車+A型などということがありますが、補償範囲が限定されていて保険料が安いタイプのものを言います。
当て逃げ事故の被害にあった場合に自動車保険から保険金が下りるのは、自動車保険に一般型の車両保険を付帯させていた場合に限ります。エコノミー型の車両保険では、当て逃げ事故による車両の損壊は補償の対象となっておりません。もちろん、車両保険に入っていない場合も保険金がおりないことは言うまでもありません。
当て逃げで車を破損した場合に備え知っておくべき車両保険の知識
当て逃げ事故で自動車を破損した場合にも車両保険から保険金を受け取りたいという方は、多少保険料が高くなっても、一般型の車両保険に加入しておく必要があります。当て逃げ事故に備えて一般型の車両保険をかけた方が良い方とは、たとえば、駐車場に自動車を止める機会が多い方とか、過去に当て逃げ事故の被害にあった方などが該当します。
車両保険は一般の自動車保険よりも仕組みが複雑でさまざまな特約もあり、当て逃げ事故に備えて一般型の車両保険に入る場合にも、注意しておかないとせっかく保険に入っているのに、いざという時に十分な保険金を受け取れないということもあります。そこで、当て逃げで事故に備えて一般型の車両保険に加入する方にとって役に立つお話をご紹介します。
自動車保険の時価制とは
新車登録から10年以上経過した自動車は中古車市場での評価額が急に下がります。車種にもよりますが10年以上経過した自動車は、新車の30%~50%程度の評価額となります。
車両保険をかけていて重大な交通事故を起こしてしまい保険会社から全損認定を受けて場合、車両保険から支給される保険金の金額は、契約車両と同等程度の車両を中古車市場で購入するとした場合の費用、すなわちその中古車市場での評価額となります。
新車登録から10年以上経過しているけれども、その自動車に愛着があるので重大事故で大破したけれども、どうしても修理して乗り続けたいというケースもあると思います。たとえば、その自動車の新車の価格が150万円、中古車市場での評価額が50万円、修理費用が75万円と仮定します。この場合、車両保険から支給される保険金は50万円が上限となります。いくら修理費用は75万でも差額の75万円-50万円=25万円は支給されることはありません。
保険会社の考え方はユーザーが事故車両の愛着があるとかないとかは一向に関係なく、古い自動車が大破した場合には修理をせずに、車両保険から支給した保険金で同等程度の自動車を中古車市場で買ってくださいという考えになります。古い自動車が大破した場合に車両保険から出る保険金の金額が、契約車両の中古車市場での評価額を上回ることがないことを、自動車保険における時価制といいます。
廃車にする場合にかかってくる諸経費について
交通事故等で自動車を大きく破損した場合に修理費がかさむようだと、修理しないで中古市場で契約車両と同等程度の自動車を購入するのが原則です。その場合に大破した自動車は廃車にすることになるのですが、その際には以下のような費用がかかります。
- 抹消登録費用
- 抹消登録費用を業者に依頼する場合の手数料
- 解体工場までのレッカー車代金
- 解体費用
実際に解体費用がどれくらいかかるかということについてはケース・バイ・ケースなのですが、多い時には数万円に上ることもあります。特に古い自動車を交通事故で廃車にする場合には、車両保険から大きな金額は支給されませんので、廃車費用が高いと大きな負担となります。
車両保険に全損時諸経費特約というオプションがあります。この特約を付けておくと交通事故で自動車を廃車にする場合、車両保険からの保険料の他に20万円~50万円の保険金が支給されます。自動車事故で契約車両を廃車にする場合に、廃車費用が気になるという人は車両保険にこの特約を付けておけばよいでしょう。
解体費用が気になるなら、全損時諸経費特約
全損時諸経費特約の相場は車両保険の補償上限額の10%(最大20万円)としている保険会が多いです。全損時諸経費特約によって支給される保険金は使途が限定されていません。廃車費用に充当してもよいし、新しい自動車の購入費用に充当しても構いません。事故車を廃車にせず修理することにして修理費用として使っても大丈夫です。
全損時諸経費特約は事故車両を廃車にするしないにかかわらず、全損認定がおりれば保険金が支給されます。全損認定には経済的全損といって、事故車両を修理することが可能だが修理費の見積額が契約車両の時価評価額を超えている場合も含まれます。したがって、修理が不可能となる程度まで自動車が大破していなくても、全損時諸経費特約から保険金が出る場合もあります。
全損修理時特約とはどんなものか
セゾン自動車の「おとなの自動車保険」には全損時諸経費特約というオプションがあります。これは保険料が920円アップするだけで、交通事故で車両を修理する際にその修理費が全損認定された場合に支給される車両保険の保険金額を上回る場合に、その差額を最大60万円を上限として支給するというものです。
古い自動車が全損認定された場合には自動車保険からそれほど大きな金額は出ません。しかし、セゾン自動車のように全損時諸経費特約を付帯させておけば、車両保険本来の保険金とこの特約から出る保険金を合わせて、充実した修理を行うことができます。
この特約は古い自動車だが愛着があり、交通事故で大破した場合でもできるだけ廃車にしないで修理して乗り続けたいというユーザーの方におススメです。特約を付帯させても、保険料は920円しか上がりませんので料金の面でも魅力的です。
【ケース別】車両保険の設定金額の目安を徹底比較
初めて自動車保険に車両保険を付帯させてみようという方の中には、正直なところ何をどのようにすればよいのかがまったく分からないという方もいらっしゃると思われます。車両保険を付帯させると保険料は高くなりますが、ドライバーの条件によっては結構役立つ保険となります。
車両保険の補償上限額はどうやって決めるか
自動車保険に車両保険を付帯させた場合車両保険の補償限度額を設定できます。より正確に言うと補償限度額は契約車両の車種・型式・年式等から保険会社から選択できる金額について提示されますから、その中から自分が希望する金額を選んで、設定します。
補償上限額を設定した場合、交通事故等で契約車両が破損すると契約時点で設定した補償限度額を上限に、保険会社から車両の修理又は買い替えの費用を保険金として受け取ることができます。交通事故で車両を全損してしまい新しい自動車を買い替える場合が車両に係る事故でもっとも損害が大きいケースですから、補償上限額は契約車両と同程度の車両を買うとした場合の買い替え費用としておきます。
ローンを組んで自動車を購入した方の場合に万が一ローンを返済しないうちに、交通事故で自動車が大破し自動車の買い替えが必要になると、自動車はないけれどもローンだけは残るという状態になります。新しい自動車もローンで購入した場合には旧車と新車の二重ローンが発生し重い負担がのしかかります。
車両保険に入っていれば万が一交通事故で自動車が大破し買い替えが必要となった場合、買い替え費用は保険から出ますからそれほど負担が重くなることはありません。特にローンで自動車を購入した方の場合には、多少保険料が高くなっても車両保険に入っていた方が良いでしょう。その際の補償限度額は、同程度の車両を買うとした場合の買い替え費用としておけばよいでしょう。
車両保険金額の平均相場はどれくらいか
あるアンケートの結果によると、車両保険の補償限度額の平均相場は108万円で、保険料の平均は1月当たり5,542円(年間66,504円)だそうです。
万が一、自動車の買い替えが必要になる事故を起こしてしまった場合には、108万円程度の保険金がおりれば平均的なレベルの中古自動車は購入できますから、この水準は車両保険の金額としては妥当な線だということができます。
自動車保険に加入する方のおよそ71%の方が保険に車両保険を付帯させています。車両保険を付けていないと、交通事故で自動車が大破して買い替えが必要となった場合にその費用を自費で賄わなくてはなりません。一般的なレベルの中古車を買う場合でも、100万円くらいの費用が必要になりますので結構大きな負担となります。そんな時、保険から保険金が出ると非常に助かります。
車両保険の金額を自動車保険会社で比較
車両保険を付帯させた場合に自動車保険料はどのくらい上がるかということについて、ソニー損保・SBI自動車保険・セゾン自動車保険の3社の見積もりを取って比較してみました。
自動車保険の基本条件は以下のとおりです。
- 契約車両 ホンダ・フィット(平成26年1月発売)
- 型式・年式 GP6(4WD・ハイブリット)・平成26年4月新車登録
- 記名被保険者年齢 35歳
- 運転者年齢条件 30歳以上
- 運転者限定条件 本人・配偶者限定
- 免許の色 ゴールド
- 車両保険の免責金額 1回目5万円2回目10万円
ソニー損保の公式サイトから見積もりを取った結果は以下のとおりです。
車両保険の有無 | 補償限度額 | 車両保険の種類 | 保険料 |
---|---|---|---|
車両保険無し | なし | なし | 41,280円 |
車両保険有り | エコノミータイプ | 105万円 | 64,970円 |
車両保険有り | フル補償タイプ | 105万円 | 90,570円 |
車両保険有り | エコノミータイプ | 160万円 | 66,080円 |
車両保険有り | フル補償タイプ | 160万円 | 93,000円 |
SBI自動車保険の公式ホームページから見積もりを結果は以下のとおりです。
車両保険の有無 | 補償限度額 | 車両保険の種類 | 保険料 |
---|---|---|---|
車両保険無し | なし | なし | 39,860円 |
車両保険有り | エコノミータイプ | 105万円 | 54,090円 |
車両保険有り | フル補償タイプ | 105万円 | 71,260円 |
車両保険有り | エコノミータイプ | 160万円 | 59,560円 |
車両保険有り | フル補償タイプ | 160万円 | 91,640円 |
セゾン自動車保険の公式ホームページから見積もりを結果は以下のとおりです。
車両保険の有無 | 補償限度額 | 車両保険の種類 | 保険料 |
---|---|---|---|
車両保険無し | なし | なし | 57,650円 |
車両保険有り | エコノミータイプ | 105万円 | 76,610円 |
車両保険有り | フル補償タイプ | 105万円 | 98,890円 |
車両保険有り | エコノミータイプ | 160万円 | 77,620円 |
車両保険有り | フル補償タイプ | 160万円 | 101,080円 |
車両保険の補償限度額を上げても保険料はそれほど変わらない
車両保険を付けた場合に補償限度額を保険会社が提示する金額から選択できます。ソニー損保の場合、ホンダ・フィット・GPに車両保険を付けた場合には、補償限度額は105万円から最高額の160万円まで5万円刻みで設定されているので、保険ユーザーは、その範囲内で補償限度額を自由に設定することができます。
ソニー損保の場合、フル保障の車両保険の場合で補償限度額を105万円とするのと160万円とするのでは、160万円にする方が保険料が2,430円高くなるだけです。エコノミ―タイプについて、同じ比較をした場合には1,110円高くなります。他の保険会社についてもだいたい同じような結果となります。補償限度額を上げても保険料はそれほど高くなりません。
限度額を160万円としておけば、車両の買い替えが必要な場合には新車を買うことができるでしょう。一方、限度額を105万円に設定していた場合には、同じ車種の中古車か、場合によっては、買い替える車両は前の車種よりグレードを下げた別の車種にならざるを得ないかもしれません。事故で車がダメになった時に新車で買い替えたい場合には、限度額を160万円に設定しておくといいでしょう。
車両保険で保険金額の全額が支給されるのは全損事故のみ
車両保険で契約時に設定した補償限度額の全額が支給されるのは全損事故のみです。車両保険においては、自動車事故は「分損」と「全損」に分けられます。「分損」とは「部分的な破損」を意味し、修理で元どおりになるケースや修理が必要でないケースも含みます。一方の「全損」とは自動車が事故で大破して買い替えが必要になる状態のことを言います。
保険会社の方で「全損」と認定した場合には、車両保険の補償限度額の全額が支給されます。ちなみに、事故を起こした車両の修理費用が車両保険の補償限度額未満であり、車両保険から補償限度額の一部を支給する場合を「分損」と言ったりもします。車両保険の補償上限額の全額の支払いを受けるためには、保険会社から「全損認定」を受ける必要があります。
「全損」と認定されるのはどんなケースか
交通事故で車両を破損した場合に自動車保険会社から「全損」の認定を受けると、車両保険で設定していた補償上限額の全額が保険金として支給されます。この「全損」には大きく分けると以下の3つの区分が存在します。
- 車が修理不可能なまでに損害を受けた場合(物理的全損)
- 車が盗難にあって発見できない場合(盗難被害)
- 修理費が車両保険の保険価額以上になってしまった場合(経済的全損)
車が修理不可能なまでに損害を受けてしまった場合とは、たとえば、自動車が台風による水害によって水没してしまっとか、高速道路で正面衝突事故を起こして自動車が滅茶苦茶になってしまったなどというケースが該当します。言い換えると、自動車にとって致命的な破損や修理しても復旧できないほどの破損した状態のことですが、これを物理的全損ということもあります。
プロの自動車泥棒による自動車盗難被害にあった場合、盗まれた自動車は短期間に海外に売り飛ばされてしまいます。そのようなケースでは盗まれた自動車が長期間見つからないという状態になります。この場合も保険会社は「全損」と認定します。
修理が可能だが修理費用の見積額が車両保険の補償上限額を超えてしまう場合があります(経済的全損)。このような場合、修理の見積額ではなく車両保険の補償上限額が保険金として支払われます。車両保険の補償上限額は、中車市場で同等程度の車両の評価額を基準として設定されていますが、このケースでは、修理費用ではなく同等程度の中古車を購入するための費用が車両保険から支給されます。
注意しなくてはならないのは経済的全損
上記で気を付けなくてはならないのが修理費が車両保険の保険価額以上になってしまった場合です。修理費が契約時に定めた車両保険の補償上限額以上になってしまった場合でも、車両保険から保険金が出るのは補償上限額までです。たとえば、車両保険の補償限度額を100万円とした場合で、交通事故で受けた自動車事故の修理に150万円使ったとしても、保険金が支払われるのは100万円までです。
事故で自動車が大破した場合に修理をせずに新しい自動車を購入するということもあるでしょう。この場合、車両保険の補償限度額を100万円に設定していて、新しい自動車の購入費用が200万円だったとしても、車両保険からは補償限度額の100万円しか出ません。
車両保険の補償限度額は毎年見直しする必要がある
新車を購入して自動車保険に加入した場合、最初の3年目くらいまでの車両保険の補償限度額は、保険会社が提示する選択メニューのうちもっとも高い金額を選んで契約するといいでしょう。そうすれば、万が一の交通事故で自動車が大破して買い替えが必要となる場合でも新車を購入することができます。
新車を購入してから時間が経過するにしたがって、契約車両も経年劣化し中古車市場での評価額が下がっていきます。それに合わせて、車両保険の補償限度額を少しずつ下げていくといいでしょう。そうすれば保険料の割引につながります。
契約車両が古くなっていくにしたがって、契約の際に設定できる車両保険の補償上限額の最高額が低くなってゆきますので、基本的には新車からの年数が長くなるにしたがって、補償上限額はだんだん下がるような仕組みになっています。ユーザーができることは、全体的に下がった枠組みの中でより低い補償上限額を選択すればよいということになります。
車両保険の補償限度額の平均的な水準は100万円程度ですが、100万円程度あれば人並みの中古自動車は購入することができます。新車を購入してから5年~10年未満の期間であれば、補償限度額を100万円程度に設定しておくことが現実的かもしれません。新車から10年以上経過した場合には中古車市場での評価額はほとんど0円になりますから、そのケースでは車両保険を付帯させなくてもよいかもしれません。
車両保険の補償上限額を決める際に気を付けるべきことのまとめ
自動車保険に加入する方の7割以上の方が車両保険に加入していると言われていますので、自動車保険に車両保険を付けることは今やスタンダードになりつつあります。重大な交通事故を起こした時に加入している自動車保険に車両保険を付けていないと、被害者への賠償金や自分や同乗者がケガなどした場合の補償金は保険から出ますが、大破した自動車の買い替え費用は自腹となります。
人並みの中古自動車を購入するためにはだいたい100万円の費用が必要です。自動車に車両保険を付帯させていない場合で、交通事故であれこれ費用がかかっているところに、自動車の買い替え費用の100万円を追加で支出しなければならないということになると大きな負担となります。そこで、車両保険に入っていると自動車の買い替え費用が保険から出るのでユーザーの負担は大きく減ります。
初めて自動車保険に車両保険を付帯させてみたいという方の場合には、どこをどのようにすればよいのか迷うところですが、車両保険を付ける際に注意すべき点をまとめると以下のようになります。
- 車両保険の補償限度額は、自分の車に対する補償の最高額である
- 保険会社が全損認定した場合に、補償上限額の全額が支給される
- 車両保険の補償上限額を低くすれば、保険料が安くなる
- 新車の時の補償上限額は高めに、経年劣化した車の補償限度額は低めでよい
全損時には車両保険はどれだけ支払われるか?
車両保険からの保険金がもっとも必要になるのは大きな交通事故で車両が修理不能になるくらい大破し、自動車の買い替えが必要になる場合でしょう。そんな時車両保険がどのくらい支給されるのかというと、その金額は契約時に定めた補償上限額の全額になります。
全損認定が行われれば、車両保険の補償上限額の全額が支給される
交通事故で自動車が大破し修理しても乗れそうにないので廃車にして、新しい自動車を買い替える必要があるケースがあります。その際自動車保険に車両保険を付帯していてれば買い替え費用を保険から支給してもらうことができます。より正確に言うと契約の再設定した車両保険の補償上限額の全部を受け取ることができます。
自動車保険に車両保険を付帯させるとき必ず補償上限額を定めます。この補償上限額は契約する車両の車種・型式・年式などによってあらかじめ保険会社が定めた金額の範囲で、ユーザーが自由に設定することができます。たとえば平成26年に発売されたホンダ・フィットGP6(ハイブリット・4WD、新車登録は26年度)であれば、105万円から5万円刻みで160万円までの任意の金額を設定できます。
交通事故を調査した保険会社が車両保険がかかっている契約車両の全損を認定した場合、車両保険の補償上限額の全額がユーザーに支給されます。全損認定が出た場合にユーザーが車両を修理して直した結果又は自動車を経過得た結果、補償上限額よりも多い費用がかかった場合でも少ない費用で済んだ場合でも、いずれもの場合も補償上限額の全額が支給されます。
保険会社が全損認定を行うのはどういう場合か
交通事故で破損した自動車などを調査した保険会社が全損認定を行うのは以下の3ケースです
- 車が修理不可能なまでに損害を受けた場合(物理的全損)
- 車が盗難にあって発見できない場合(盗難被害)
- 修理費が車両保険の保険価額以上になってしまった場合(経済的全損)
ここで気を付けなくてはならないのが3番目の経済的全損です。経済的全損とは交通事故等で破損した自動車を修理すれば再び乗れそうだけれども、その修理費が同等程度の自動車を中古車市場で購入した場合の購入費用を上回ってしまう場合です。そのケ-スでは、修理を行わないで事故車を廃車として中古車市場で同等程度の自動車を買ってくださいということで、全損認定が行われます。
新車登録から長い時間が経過した自動車だと車両保険の補償限度額を高く設定することができません。たとえば、先ほどと同じホンダ・フィットでも平成19年に発売されたGE6(ワゴン1300G・平成19年新車登録)というタイプの車両保険の補償上限額は、35万円・40万円・45万円のうちから選択することになります。
新車登録から10年以上経過した場合には補償上限額が最高で45万円となり、少しでも大きな事故を起こしてしまうとすぐに全損扱いとなってしまいます。全損扱いとなっても最大で45万円しか来ませんから、中古車市場で同程度の自動車を買うといってもそんなにいい自動車は買えません。結局、車両保険をかけていてもあまりメリットがないことになります。
全損時諸費用特約について
保険会社によっては車両保険をつける際に全損時諸経費特約をさせることができます。この特約は契約車両が大破して全損扱いになった場合、廃車費用やレッカー費用など修理費用や買い替え費用以外に係る費用を補償する保険です。保険会社によって金額や補償内容が異なるのですが、おおむね車両全損時に20万円~50万円程度の金額を追加で支給するという内容です。
全損時諸費用特約の保険料ですがセゾン自動車の場合、全損時諸費用特約を付帯させた場合と付帯させない場合の料金差は920円ですので、全損時諸費用特約の保険料は920円と言うことになります。
この特約のメリットは使途が限定されていないということです。保険金を受け取ったユーザーはそれを車両の修理費に充当することもできますし、ワンランク上の買い替え自動車を購入するための費用に充てることもできます。特に新車登録から時間の経過した自動車に車両保険をかける場合には、全損時に受け取れる保険金が少ないですからこの特約を付帯させておけばより安心です。
車両保険の落とし穴3パターンについて
大きな交通事故に巻き揉まれて自動車が大破してその買い替えが必要になった場合、自動車保険に車両保険を付けていると、自動車の買い替え費用を保険で賄えるので大変助かります。しかし、車両保険を付帯すると保険料が急に上がりますので、付帯するかどうかだとか付帯する場合にどのような内容のものを選んだらよいかということは、慎重に判断する必要があります。
自動車保険には人身傷害保険や対物・対人賠償保険は必ず付けなければなりませんが、車両保険は付け方が良いけれども必ずしも付けなければならないものではありません。実際、保険ユーザー全体のうち3割程度は自動車保険に車両保険を付けていません。
車両保険は人身傷害保険や対物・対人賠償保険よりも複雑で、契約の仕方を間違うと高い保険料を払っているにもかかわらず、いざという時に十分な補償が受けられなくて損をするというケースも起こり得ます。そこで以下では車両保険の落とし穴の3パターンについて解説します。
パターン①軽い自動車事故で車両保険を使うのは損
車両保険から保険金が出るのは「全損」と「分損」の2つのケースです。「全損」とは車両保険の契約時に定めた補償上限額の全額が保険金として支払われるケースです。一方で「分損」は車両保険の補償上限額の一部が保険金として支払われるケースです。
「分損」に該当する場合としては、たとえば交通事故で受けた自動車の破損の修理費が補償上限額未満に収まった場合で、その修理費が保険から支払われるケースが該当します。台風・水害・飛び石などの被害によって自動車が破損しその修理費が補償上限額内に収まった場合には「分損」となりますが、この場合にはノンフリート等級は1級しか下がりません。
自損事故で車対車の事故による自動車の修理費が補償限度額内に収まる場合の「分損」は、ノンフリート等級が3級ダウンした上に3年間は割引率の低い事故有係数の等級が適用されます。ノンフリート等級が3級ダウンした上に3年間も事故有係数の等級が適用されるとなると、同じ期間事故を起こさなかった場合の保険料と比較して保険料は大幅に上がります。
自損事故や車対車の軽い事故で車両保険からそれほど多くない「分損」の保険金を受け取った場合、その受け取った金額よりもその後のノンフリート等級が下がったことによる保険料の増加分の方が多くなり、結果的には損をしてしまうことがあります。軽い事故のために車両保険を使う場合にはこのことに十分に気を付けなくてはなりません。場合によっては車両保険の使用をキャンセルします。
パターン②古い自動車は車両保険に入らない方が良い場合も
基本的に車両保険の補償上限額は、契約車両と同等程度の自動車を中古車市場で購入する場合に必要となる金額を基準に定められます。つまり、契約車両と同等程度の車両の中古車市場での評価額が、車両保険の補償上限額の目安となるということです。
新車登録から10年以上経過した古い自動車の場合には中古車市場で高い評価額は付きません。したがって、そのような自動車の車両保険の補償限度額は非常に低い金額となります。補償限度額が低ければ自動車を事故で大破して全損となった場合でも、大した金額を車両保険から受け取れません。
自損事故や車対車の事故で車両保険を使うとノンフリート等級3等級ダウンになった上、その後最低3年間は割引率の低い事故有係数の等級が適用され事故後数年間の自動車保険料は大幅に上がります。このことを考えると、新車登録時から長期間経過した古い自動車の場合に、わざわざ高い保険料を支払って車両保険をかけてもメリットは少ないと言えます。
車両保険の補償限度額の金額を見てそれくらいの金額であれば、万が一事故で自動車を破損した場合でも自分で修理できると思えるのであれば、車両保険をかけると保険料が割高になる点や車両保険を使ってしまうとノンフリート等級が下がり、事故後数年間の保険料がトータルで大幅に上がることを考えると、車両保険を付帯させないオプションも十分に合理的な選択です。
パターン③全損で事故車の所有権はユーザーから保険会社に移転
全損で車両保険からの保険金が支払われると、事故車の所有権はユーザーから保険会社に移転します。事故車を廃車にする場合には所有権が保険会社に移転しても特に問題はないと思われます。しかし、事故車に愛着があったり高価なパーツが付属しているのでぜひ自分の手元に置きたいという場合には、一定期間のうちに保険会社と交渉して所有権を取り戻す必要があります。
思い入れのある自動車の場合多少修理費が高くなっても買い替えずに修理して乗り続けたいと思うのですが、全損で保険金から支払いを受けると自動車の所有権が保険会社に移転してしまうので、すみやかに保険会社と交渉して所有権を返してもらわなくてはなりません。その際に一定金額を保険会社に支払う必要があることは言うまでもありません。
車両保険の内容は毎年見直しが必要
どのクラスの車両保険を自動車保険に付帯させたらよいかということについてですが、たとえば、人気モデルの新車を購入した場合には、車両保険の補償上限額を保険会社が定める最高額に設定するのが良いでしょう。お金に余裕があれば一般型を、保険料を節約したいのであればエコノミー型を選びます。
免責金額(自己負担額)も重要です。免責金額を1回5万円(車対車0円)2回目10万円とするのと1回目10万円2回目10万円とするのでは保険料が違ってきます。これについても、お金に余裕があれば免責の少ない方、保険料を安くしたければ免責金額の大きい方を選びます。
補償をエコノミ―タイプとし免責金額を1回目10万円2回目10万円としても、交通事故で車が大破して買い替えが必要になった場合に補償限度額を最高額にしておけば新車を購入する費用は保険から出ます。完全を目指すなら車両保険に全損時諸経費特約を付帯させておくといいでしょう。
軽い事故で車に小さいキズを付けてしまった場合(分損事故)には、車両保険を使うと翌年以降のノンフリート等級が上がって保険料が割高になることを考えると、保険を使わず自腹で修理する方法も十分合理的です。そう考えると、車両保険の免責金額は1回目10万円2回目10万円で十分という考えも成り立ちます。
新車登録から4年目以降10年未満の車両の車両保険
新車登録から4年目以降となると契約車両も経年劣化によって評価額が下がってきます。それに合わせて車両保険で設定できる補償限度額の最高額が少しずつ下がってきます。このことは、交通事故で車両が大破し買い替えが必要になる時保険から支給される金額が少なくなることを意味します。
そうなると、買い替えが必要な事故が起こった時に備えて自己資金を用意しておく必要が出てきます。人並みの中古車を購入するにはだいたい100万円程度の費用が必要になると言われていますから、この金額がおおよその目安になります。車両保険だけでは、買い替え車両は新車登録から長期間経過した走行距離の長いものかよりグレードの低いものになります。
車両保険に全損時諸経費特約を付帯させておくと、保険会社によって具体的な支給額は異なりますが、全損事故の際に最高で50万円程度が支給される場合があります。車両保険の補償上限額では自動車の買い替え費用を賄いきれないという場合には、この特約を付けるという方法もあります。
新車登録から10年以上経過した車両の車両保険
新車登録から10年以上経過した車両の車両保険の補償上限額は30万円とか40万円というレベルになります。この程度の金額では、大きな事故を起こして自動車の買い替えが必要になった場合に、車両保険から支給される保険金では買い替え費用を賄いきれません。契約する保険会社に補償金額の大きな全損時諸経費特約があれば、不足分を補うためにそれに加入する方法もあります。
契約する保険会社に補償金額の大きな全損時諸経費特約がない場合には、思い切って車両保険を外すという方法もあります。全損事故の際に30万円とか40万円しか来ないとすれば、高い保険料を支払って車両保険を付帯させておく必要はありません。それにもかかわらず保険を付けておくと、うっかり保険を使ってしまいノンフリート等級を下げて保険料を上げてしまうリスクもあります。
新車登録から10年が経過すると、事故を起こしていなくても自然に自動車の買い替え時期となりますので、自腹で買い替え費用を支払っても全然おかしくありません。このことを考えると、新車登録から10年以上経過した自動車には車両保険をかける必要性は少ないと言えます。交通事故で自動車が大破してしまったらその時点で、買い替えの時期が来たと思えばよい話です。
それでも車両保険をかけたいというのであれば、補償タイプはエコノミータイプで免責金額を選択可能なもっとも高い水準(1回目10万円2回目10万円)とし補償上限額を選択可能なもっとも低い水準とすれば、もっとも安い保険料で車両保険を付けることができますのでこの方法を選択するといいでしょう。
一般型とエコノミー型で違う?車両保険の補償範囲について
車両保険に入る場合に本当に車両保険が必要な場合のみにしっかりとした補償を受けることができれば、それ以外の補償内容は多少削ってもよいという方はエコノミ―タイプがオススメです。幅広い範囲の補償を受けたいという場合は一般型がおススメです。
車両保険の一般型とエコノミー型について
自動車保険に車両保険を付帯させると保険料が急に上がります。そのため、車両保険は付けたいけれども保険料が急に高くなるので、少し迷っているという方も結構いらっしゃいます。そのような方にお勧めなのがエコノミー型の車両保険です。エコノミー型の車両保険を付けた場合、一般型の車両保険より補償内容は一部削られますが、保険料はその分安くなります。
一般型とエコノミー型では車両保険の保険料はどう違うか
ソニー損保の公式ホームページを使って、以下の条件で一般型の車両保険とエコノミ―型の車両保険の保険料の違いを調べてみました。
- 契約車両:ホンダ・フィット(平成26年1月発売)
- 型式・年式:GP6(4WD・ハイブリット)・平成26年4月新車登録
- 記名被保険者年齢:35歳
- 運転者年齢条件:30歳以上
- 運転者限定条件:本人・配偶者限定
- 免許の色:ゴールド
- 車両保険の免責金額:1回目5万円2回目10万円
その結果は以下のとおりとなります。
車両保険の種類 | 補償上限額 | 保険料 |
---|---|---|
エコノミータイプ | 105万円 | 64,970円 |
一般型(フル補償タイプ) | 105万円 | 90,570円 |
エコノミータイプ | 160万円 | 66,080円 |
一般型(フル補償タイプ) | 160万円 | 93,000円 |
補償上限額を105万円としてエコノミ―タイプと一般型の保険料を比較すると25,600円ほどエコノミ―タイプの方が安くなり、補償上限額が160万円としてエコノミ―タイプと一般型の保険料を比較すると26,920円ほどエコノミ―タイプの方が安くなります。
一般型とエコノミ―タイプの車両保険はどこが違うのか
一般型とエコノミ―タイプの車両保険の車両保険の補償範囲を表にすると以下のようになります。
補償範囲 | 一般型 | エコノミ―タイプ |
---|---|---|
他車との追突 | ||
当て逃げ | ||
単独事故 | ||
盗難 | ||
火災・台風 |
一般型とエコノミー型の違いは当て逃げと単独事故による車両の損害を補償するかしないかです。一般型の場合にはこの2つの事故によって受けた車両の損害について保険金を支給します。一方でエコノミー型の場合、この2つの事故によって受けた車両の損害について保険金を支給しません。それ以外の事故で起きた車両の損害には双方のタイプの車両保険から保険金が出ます。
当て逃げとは、たとえば駐車場に自動車を止めていた場合に他の自動車にぶつけられて車両が傷ついた場合で、傷つけた相手が誰か分からない状態のことを言います。普通の交通事故であれば加害者が分からないということは少ないと思われますが、駐車場に自動車を止めてた場合にはぶつけた相手が分からないことが多いので、当て逃げ事故がよく起こります。
自損事故とは、ユーザーが自分で自動車を運転中ハンドル操作を間違って電柱やブロック塀に自動車をぶつけてしまい、自動車を破損してしまったような場合が該当します。相手がいないので自損事故といいます。
いざという時の事故は、エコノミー型でも十分対応できる
車両保険が一番必要になるのは、新車を購入して間もない時に大きな自動車事故を起こして、自動車を買い替える必要が生じたときます。新車購入時に結構な金額を支出したにも関わらず、それから間もないうちに、また新しい自動車を買わなくてはならないというと非常に大きな負担となります。特にローンを組んで自動車を買っていた場合にはなおさらです。
そんな時車両保険に入っていて、その保険から保険金が支給されてそれで新車を購入できるとすればユーザーの負担は大きく減ります。このようなケースでは一般型でもエコノミー型でもまったく同じ金額の保険金が支給されます。
エコノミー型にした場合当て逃げと自損事故による車両の損害は補償されません。しかし、当て逃げは駐車場で駐車中の車両に関するものが多く、そのような事故はその性質から言って車両が受ける損害額はそれほど大きくはありません。また、自損事故についても、普段から安全運転に心がけていればそう簡単に起きる事故ではないので、それらが補償外となっても大きな影響はないといえます。
車両保険からの保険金が一番必要となるのは、相手のある重大な交通事故で車両が大きく破損し買い替えが必要になる場合です。エコノミー型の車両保険に加入していた場合でも、そういった場合にしっかりした補償が受けられますから、保険料を安くしたい場合にはエコノミー型の車両保険に入っていれば十分だと言えます。
車両保険に免責金額を付けると保険料は安くなる
車両保険には免責金額が設定されています。これは車両保険から保険金が出る際の自己負担額のことを言いますが、この免責金額はユーザーの方で選択することができ、この免責金額を大きく設定すれば保険料がいくらか安くなります。
免責金額1回目5万円・2回目・10万円とした場合にで、1回目の事故で修理費が5万円以内に収まったケースでは、車両保険からの保険金は支給されず、5万円超となった場合には5万円を超える部分について保険金が支給されます。2回目の事故については、修理費が10万円以内の場合には保険金は支給されず、修理費が10万円を超えた場合には超えた分のみ保険から保険金が出ます。
ソニー損保の公式ホームページを使って、以下の条件で免責金額の違いによる車両保険の保険料の差額について調べてみました。
- 契約車両:ホンダ・フィット(平成26年1月発売)
- 型式・年式:GP6(4WD・ハイブリット)・平成26年4月新車登録
- 記名被保険者年齢:35歳
- 運転者年齢条件:30歳以上
- 運転者限定条件:本人・配偶者限定
- 免許の色:ゴールド
- 車両保険の補償上限額:105万円
- 車両保険の補償のタイプ:一般型
その結果は、以下のとおりとなります。
1回目免責額 | 2回目免責額 | 保険料 |
---|---|---|
10万円 | 10万円 | 78,720円 |
5万円 | 10万円 | 87,310円 |
5万円(車対車0円) | 10万円 | 90,570円 |
免責金額が1回目10万円2回目10万円と、1回目5万円(車対車0円)2回目10万の保険料の差は11,850円となります。
車両保険のタイプをエコノミ―タイプとして同じように比較すると以下のようになります。
1回目免責額 | 2回目免責額 | 保険料 |
---|---|---|
10万円 | 10万円 | 58,230円 |
5万円 | 10万円 | 62,130円 |
5万円(車対車0円) | 10万円 | 64,970円 |
この比較で一般型で免責金額を1回目5万円(車対車0円)2回目10万円とした場合に保険料はもっとも高い90,570円となり、反対にエコノミー型で免責金額を1回目10万円2回目10万円とすると保険料はもっとも安い58,230円となります。差額は32,340円となます。保険のタイプと免責金額を変えるだけで保険料はこれだけ節約できます。
車対車+A型の車両保険の補償範囲について
自動車保険会社によっては車対車+A型と呼ばれる車両保険のタイプを設けているところもあります。これは、補償範囲を(相手が確認できる)他人の車との衝突や接触事故による損害及び火災・盗難などに限定した車両保険です。保険会社によって名称が異なるだけで、実質的に車対車+A型の車両保険はエコノミー型の車両保険と同じと考えて差し支えありません。
車両保険の車両価格はこうして決まる
車両保険の車両価格とは、おおよそのところは、自動車保険と契約している車両の市場販売価格ことをいいます。市場販売価格とは、契約車両を仮に中古車市場で販売した場合、つけら得ることが予想される価格のことをいいます。
この車両保険の車両価格は、車両保険から受けることのできる保険金の上限を決めます。ですから、車両保険に入っている車両が事故を起こした場合でも、この価格以上の賠償金を得ることはできません。
車両保険の車両価格は「自動車保険車両標準価格表」で決まる
さて、この車両保険の車両価格は、各自動車保険会社がそれぞれ設定している「自動車保険車両標準価格表」に基いて決定されます。この標準価格表には、自動車の型式・年式・グレードなどに対応した車両価格が詳細に規定されています。
なお、この標準価格表は、各保険会社により微妙に異なります。ですから、まったく同じ型式・年式・グレードの自動車でも、契約する保険会社によっては、車両価格は異なってきます。ですから、詳細は、契約した保険会社に問い合わせてみる必要があります。
また、車両保険の車両価格は、毎年毎年、一定割合で減額されていきます。まったく同じ自動車でも、年数が経つごとに段々性能や品質が落ち、中古車市場での価格も下がっていきます。この関係を反映して、標準価格表の車両価格も、経過年数とともに車両価格が低減するように設定されています。
エアコンなどの付属品の価格も車両価格に含めることができる
なお、自然災害や自損事故などにより、自動車の付属品が壊れた場合、一定の付属品については、車両保険から損害を賠償してもらうことができます。一般には、エアコン、カーステレオ、ETC車載器、フロアマットなどがこの附属品に該当します。
このような附属品は、車両保険の車両価格に含めることができます。契約車両にこのような附属品が付いていて場合には、申し出ることにより、その付属品の価格を車両保険の車両価格に加えてもらう必要があります。
この手続きをしないで、付属品の価格を車両価格に含めておかないと、事故でこれらの付属品が壊れた場合に、それに対する車両保険からの保険金を受けることができなくなります。ですから、この手続きは必ず行う必要があります。
火山の噴火により自動車が壊れた!車両保険で補償される?
日本は世界有数の火山国です。ですから、火山の噴火による自動車に破損などの被害を受ける可能性が高いと言えます。火山による自動車の被害としては、噴石によってフロントガラスが割られたり、溶岩流で自動車が流されること等が考えられますが、このような被害にあった場合、自動車保険から補償を受けられるでしょうか?
一般の車両保険では噴火による被害は補償されない
自然災害により自動車が被害を受けた場合、車両保険に入っていれば、この車両保険から賠償金が支払われます。しかし、一般の車両保険は、自然災害による自動車の被害のうち、落雷、台風、豪雨、突風、高波、雪崩などによるものは補償になるのですが、地震や噴火による被害については補償の対象としておりません。
よって、自動車保険に車両保険を付けていても、噴火により自動車が被害を受けても、保険からは何の補償も受けられないというのが現実です。噴火に巻き込まれて自動車が破損したような場合には、あきらめるしかありません。
車両保険に噴火による被害を補償する特約を付けることができる
ところで自動車保険会社によっては、車両保険に噴火特約を付けることができる会社もあります。このような会社の自動車保険に加入している場合には、車両保険にこの特約を付けることで、万が一、噴火で自動車が被害を被った場合に、車両保険から補償金を受けることができます。
ただし、この場合でも、ほとんどの保険会社では、この特約により受けることができる補償金の額は50万円が上限だというところが多く、また、車両保険の補償額の上限が50万円未満の場合には、噴火特約の補償額の上限もその金額となっています。ちなみに、特約の保険料は年間5千円程度です。
よって、噴火による泥流により自動車が流されるような被害にあった場合でも、補償金は50万円を超えては支払われません。50万円では、新しく自動車を購入する費用の全額を賄うには、到底足りません。ですから、この補償金は、補償金というよりも災害見舞金といった方がよいかもしれません。
噴火による自動車被害の保険による補償は薄い
このように、噴火による自動車の被害に対する自動車保険(車両保険)は、ないか、あっても補償が大変薄いものです。したがって、日頃から、火山情報には十分に気を配り、できるだけ、噴火により、自動車が被害を受けることのないようにしなくてはなりません。
台風、大雨、洪水で車が水没した場合には車両保険で補償される?
最近は異常気象の影響で、台風、大雨、洪水の被害が甚大になってきました。これらの自然災害により、自動車が水没する等の被害に遭うことも、決して他人事とは言えなくなってきました。さて、このような被害にあった場合、車両保険から補償は受けられるのでしょうか?
台風・大雨・洪水で車が水没した場合は車両保険の対象となる
台風、大雨、洪水などにより車が水没した場合、原則として、車両保険から補償を受けることができます。台風・大雨・洪水による自動車の水没は、自然災害による自動車の被害ですから、補償の対象となります。
ただし地震や噴火は車両保険の補償外
自然災害でも、地震や噴火による被害の場合には、通常の車両保険では補償されないので、車両保険からの補償を受けたい場合には、車両保険に地震・噴火特約を附帯させる必要があります。しかし、台風・大雨・洪水による被害の場合には、そのような特約を付けなくても、補償を受けることができます。
エコノミー型でも一般型でも大丈夫
なお、車両保険には、一般型とエコノミー型があります。保険会社によって細かい違いはありますが、一般型は単独事故や当逃げ事故の被害も補償します。一方、エコノミー型は単独事故と当逃げ事故による被害は補償しません。ただし、その代わり、一般型よりも保険料が割安になります。
一般型もエコノミー型も、自然災害による自動車の被害は補償の対象としています。ですから、台風、大雨、洪水などによって自動車が水没した場合には、保険金を受けることができます。
自動車の水没被害に対して車両保険から支払われる保険金について
さて、台風・大雨・洪水で自動車が水没した場合に、水没した自動車がエンジンまで水が浸透して修理不能となった場合や、修理はできるものの修理費用が水没車両の買替費用を超える場合には、水没車両と同程度の車両を購入するための費用(買替費用)相当額の保険金が支払われます。
一方、水没はしたけれども、エンジンへの水の浸透が少なく、修理による復元が可能で、かつ、修理費が買替費用を超えない場合には、修理費相当額が車両保険から支払われます。
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タイヤがパンクした!車両保険で修理できる?
自動車で走行中、釘やガラスの破片を拾ってタイヤがパンクすることもあります。また、駐車している自動車に、誰かがイタズラで千枚通しで穴をあけ、タイヤがパンクすることもあります。このような場合、特にタイヤが新品の場合には、保険が使えたら助かります。このようなケースで車両保険は使えるのでしょうか?
原則として、タイヤのパンクは車両保険の対象とはなりません
一般的なケースでは、タイヤのパンクで車両保険は使用できません。一般的な自動車保険では、単独事故としてのタイヤのパンクが車両保険で補償されるのは、火災と盗難によるものに限られているからです。
なお、単独事故としてのタイヤのパンクは補償されませんが、一度の事故で、タイヤとボディの双方が破損したような場合には、事故の修理費の賠償金として、タイヤとボディの双方の修理費を全体として請求できます。
タイヤの盗難で車両保険を使う場合の注意点
なお、社外品の高級ホイルを装着していると、そのホイル目当ての泥棒が、ホイルをタイヤごと盗んでいく場合があります。このような被害にあった場合、盗難被害として、タイヤ(ホイルを含む)代金相当額を車両保険から支払ってもらえます。
ただし、車両保険に加入する際、社外品の高級ホイルを装着していることを保険会社に申告しておかないと、保険金を支払ってもらえる範囲は、通常のホイルおよびタイヤ代金相当額に制限されます。このことには注意が必要です。
タイヤのパンクが車両保険の対象外であることの理由
タイヤのパンクが車両保険の対象から外されているのは、タイヤが消耗品であり、タイヤのパンクは事故というよりも消耗と考えられているからのようです。とはいえ、たとえば、新品のタイヤが、駐車している間に誰かのイタヅラによりパンクした場合、それを事故ではなく消耗と考えるのは少々ムリがあります。
10円玉で、ボディに傷を付ける10円パンチの被害は、車両保険で補償されます。一方で、駐車中の自動車のタイヤに、誰かが千枚通しで穴をあけたことによる被害については、車両保険では補償はされない、というのは不公平であるような気もします。
タイヤのパンクの費用は自分で負担するしかない
ただし、いずれにしても、火災と盗難による被害以外のタイヤの損害には、車両保険からの補償金はありませんので、タイヤがパンクしたような場合には、自分で取り換え費用を負担する以外に方法はないようです。
飛び石で車のフロントガラスが割れたら車両保険で直せるのか?
飛び石とはどのような事故か
飛び石とは、自動車を運転中、前を走行中の自動車が道路上の小石を踏み、その結果、その小石が窓ガラスやボンネットに衝突し、自動車が損傷するというような事故のことをいいます。
飛び石は、高速道路などで起きやすい事故です。飛び石の被害に遭うと、フロントガラスにひびが入ったり、ボンネットがへこんだりします。ひどい場合には、フロントガラスが割れてしまうというような事態も生じます。
飛び石の被害に対応できる車両保険の種別について
なお、飛び石に被害にあっても、加入している自動車保険に車両保険を付けていれば、原則として、飛び石の被害で損傷した自動車を、保険を使って修理することができます。
なお、車両保険には、あらゆる原因による車の損傷をカバーする一般型と、特定の原因による車の損傷をカバーするエコノミー型があります。ただし、飛び石による車両事故は、一般型でもエコノミー型でも補償の対象になるので、どちらの形態の車両保険に加入していても、補償を受けることができます。
飛び石の被害で車両保険を使用する場合の注意点について
ただし、飛び石による被害で、車両保険を使用する場合には、注意すべきことがあります。それは、車両保険を1度使うと、翌年度の保険契約におけるノンフリート等級が1級ダウンすることです。
ですから、飛び石による事故で車両保険を使う場合には、自費で車両を修理する場合の見積額と、車両保険を使うことでノンフリート等級が1級下がることによる将来の保険料の増加予想額を比較し、どちらを選ぶか検討する必要があります。
一般的には、小規模の事故で自費で修理しても修理費が高額にならない場合には、車両保険を使わず、自費で修理を行い、翌年度のノンフリート等級を昇給させた方がよくなります。
飛び石以外に事故を起こしていない場合には、自費で修理した場合には、翌年度のノンフリート等級は1級上がります。一方、車両保険を使えば等級が1級下がります。よって、実質的には、2級下がります。
しかも、この差は最上級である20等級に到達するまで継続して残り続け解消されません。差が無くなるまでに何年もの期間が必要になるのです。そのため単純に契約年の2等級分の差額と自費修理費用とを比較してはいけません。20等級に到達するまでの差額を考慮しなければならないのです。
車両保険に免責額を設定している場合について
なお、車両保険には免責額(自己負担限度額)を設定することができます。この免責額を設定している場合には、飛び石の被害による車両の修理費が免責額の範囲内であれば、車両保険の対象とはなりません。
したがって、たとえば免責額を10万円としていれば、飛び石により窓ガラスが軽く傷ついた程度の損傷を被った場合には、修理費の見積もりが10万円未満となりますから、車両保険から補償を受けることはできません。
車両保険はどのような場合に必要になるか?
自動車保険に車両保険を付けていないと…
車両保険は、自動車そのものに発生した損害を補償してくれる保険です。
車両保険未加入の自動車保険では、たとえば、自動車を運転して自分で電柱や塀に接触し、自動車を破損させた場合、または、他の車と衝突して自動車を破損した場合で、相手側の自動車が当て逃げをして加害者が不明な場合、補償を受けることができません。
また、自動車を駐車場に駐車している間に、イタズラで自動車に傷を付けられる場合があります。自然災害に巻き込まれて自動車が破損する可能性もあります。このような場合でも、車両保険未加入の自動車保険に加入している場合には、補償を受けることができません。
さらに、自動車同士の事故で、相手側の自動車が自動車保険に加入しているものの、契約者本人の過失割合が高く、交通事故で破損した自動車の修理に必要な費用を十分に回収できない場合があります。このような場合も、車両保険に加入していなければ、相手方の保険会社からの賠償金では不足する分の給付は受けられません。
さまざまある車両保険の種類
以上のような場合でも、車両保険に加入していれば、自分が加入している自動車保険会社から保険金を受けることができます。車両保険に加入していれば、自動車の破損理由に関わらず、自動車の修理費や買替費用が補償されます。ですから、事故で車が大破した場合でも安心できます。
なお、車両保険が補償する範囲はこのように多岐に渡ります。
- 他車との衝突による自動車の修理費等を補償対象とするもの
- 自損事故、当て逃げ、盗難、自然災害、他車との接触事故
- イタズラによる車の修理費等を補償するもの
車両保険の料金は、補償対象が狭いものが保険料が安く、補償対象が広いものは保険料が高くなります。なお、補償対象の広い車両保険に加入していても、自動車の修理費や買い替え費用の全額を必ず補償してもらえるとは限りません。
特に、古い車ですと、車両保険の補償金額は中古車市場での補償対象自動車の時価で決まるため、経過年数の多い自動車だと、非常に低い金額の補償金しか受けられない場合があります。その場合には、車両保険に加入していても、結局は、自分が費用を負担しなくてはならなくなります。
車両保険の加入を判断する際に考慮すべきこと
なお、車両保険は保険料が高めに設定されています。ですから、高級車などの場合を除いて、車両保険に加入するメリットは少ないと考えられています。毎年高い保険料を支払うのであれば、その分を貯金しておいていざというときの出費に備えるという考えもあります。
また、免許を取って最初に運転する車は、事故を起こす可能性が高いので、廃車寸前の自動車を使用する場合がよくあります。そのような場合には、車両保険をかける必要はほとんどありません。
ですから、車両保険をかける場合には、車両保険の保険料の金額と、車両保険に加入することのメリット、自分の運転技術や所有自動車の価値などを十分に検討したうえで、最終的に定める必要があります。