車両保険で保険料を節約する方法の全知識

車両保険で保険料を節約する

自動車保険を安くするために、まず考えるのは通販型(ダイレクト型)自動車保険に変えることです。

代理店型の比べ代理店手数料がかからない分、保険料は大きく節約できます。2つ目は、自動車保険の一括見積サイトで、保険料の安い保険会社を見つけます。

インターネット割引の内容が違ったり、各社ターゲットとしている顧客の層が違うので、同じ条件でも保険料に差が出てきます。

3つ目は車両保険の補償内容の見直しです。年式が古ければ、そもそも車両保険をつけないというのもありますし、エコノミー型にするなど補償範囲、特約内容を見直すことで、保険料はかなり違ってきます。

最後は、年齢条件、運転者の範囲、走行距離、使用目的など、実際の状況になっているか確かめてください、これが合っていないと余計な保険料を払うことになってしまいます。

この記事では、自動車保険を節約する方法について網羅的に解説します。

早速確認していきましょう。

記事監修者紹介
ファイナンシャルプランナー髙橋洋子髙橋 陽子
日本生命保険相互会社にて3年半以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2019年4月より当メディアにて保険をはじめとする金融記事の監修を務める。
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車両保険を使ってしまうと損!?リサイクルパーツで自費修理する理由とは

2013年、ノンフリート等級制度が改正され保険料の割引は厳しい状況に

2013年10月に、自動車保険業界では、保険契約者の自動車保険の利用状況を保険料に反映させるノンフリート等級制度が大幅に改正されました。この改正では、事故を起こして保険を利用した契約者に対して、より高額の保険料が課せられるようになりました。

たとえば、1回事故を起こすと、ノンフリート等級が3等級下がり、しかも、かつ事故後3年間は「事故有り」の割引率が適用されるようになりました。また、改正前では、「飛び石によるガラス破損」の修理のために車両保険を使っても、翌年のノンフリート等級は据え置かれていました。

しかし、2014年の改正後は、「飛び石によるガラス破損」など、車両保険を使っても翌年のノンフリート等級が据え置かれていた事故も、1等級ダウンの事故として扱われるようになりました。

ノンフリート等級制度の改正が車両保険の利用を減少させる理由

今回の改正により、無事故の保険契約者が支払う保険料と、事故を起こして保険を利用した保険契約者が支払う保険料の差が、改正前より大きくなりました。したがって、車両事故を起こした場合でも、自費修理をするか、車両保険を利用して保険を使って修理するかの判断について、より慎重な対応が求められるようになりました。

たとえば、基本保険料が125,000円の保険契約者が現在ノンフリート等級8等級だとすれば40%の割引が適用されますので、保険料は75,000円となります。しかし、車両事故で車両保険を利用すれば、翌年のノンフリート等級は事故有りの5等級となり割引率は13%となるため翌年の保険料は108,750円となります。差し引き33,750円もの損失になります。

しかも、1度事故を起こしてしまうと、3年間は事故有りのより低い割引率が適用されてしまうため、車両保険を使用しなかった場合と比較した保険料の増加分は数万程度になります。

ですから、数万円の修理費で収まるような軽微な車両事故を起こしてしまった場合には、ノンフリート等級が下がることによる翌年の保険料の増加を考えた場合、車両保険を利用するよりも、自費修理をしたほうが費用が安くなります。

自費修理の増加とリサイクルパーツの利用について

このような理由で、2014年のノンフリート等級制度の改正以降、車両保険に加入している方でも、車両事故に対して自費修理により対応する方が増えてきました。また、改正以前は、車両保険を利用しても翌年のノンフリート等級が据え置かれる、等級据置事故が廃止されたことも、この傾向に拍車をかけています。

また、車両保険を利用しての修理ですと、修理に使用する部品は新品であることが多かったのですが、自費修理になりますと、費用を少しでも節約しようとする心理が働くため、リサイクルパーツを利用した修理が増加しています。

車両保険の使いどころはどこ?車両保険を使うと保険料が値上がりに

車両保険には保険料に関する難しい問題があります。それは、車両事故の際に車両保険を使用して保険会社から保険金の支払いを受けても、そのために保険のノンフリート等級が下がり、翌年の保険料がアップしてしまうことです。

もし、車両保険に加入していて車両事故を起こした場合、すぐに保険金の支払いを保険会社に請求するのではなく、「車両保険」の使用による保険料アップと修理費の兼ね合いを計算して、車両保険を利用するかどうかを決めることが大切です。

ノンフリート等級とは

車両事故が発生した場合に車両保険を利用するか否かを判断する際、ノンフリート等級を理解しておく必要があります。したがって、まずはノンフリート等級について理解することが必要です。ノンフリートとは、フリート(船団)とノン(否定語)を組合わせた語で、本来は「船団ではない」という意味の言葉であります。その意味から転じて、自動車保険用語としてノンフリートという場合には、10台未満の車両を契約した際の割引率のことをいいます。

ノンフリート等級の割引率に関して

たとえば、新しく自動車保険契約を締結した場合、ノンフリート等級が6等級で契約されます。6等級の割引率は19%です。等級は20等級まであり、等級が大きくなるごとに基本保険料の割引率が大きくなってゆきます。最大の割引率は20等級の63%です。

一方、等級が5等級以下になると割引率が低下していき、3級以下は逆に基本保険料が割増されます。最低の1等級では、基本保険料金の割増率が52%となります。つまり、1等級では基本料金の1.5倍の保険料を支払わなくてはなりません。

等級には「事故無し」と「事故有り」とがある

また、等級には「事故無し」の場合と「事故有り」の場合の2つがあり、一旦事故を起こしてしまうと事故有り等級が適用されてしまいます。事故有り等級は事故無しに比べて割引率が低いため保険料の面で不利になります。更に事故有り等級は3年間継続しますので、ひとたび事故を起こして保険を使用すると3年間は保険料の割引という点では不利な状況となってしまいます。

ノンフリート等級による保険料の増減の仕組み

無事故であった場合と、事故を起こした場合とでは等級に大きな差がついてしまう

このノンフリート等級は、保険契約年度に1回でも事故を起こすと、3等級下がり、事故有り等級が適用されてしまいます。一方、保険期間中に事故を起こさなかった場合には、1等級上がります。ですから、新規の保険契約年度に事故を起こさなかった場合には、翌年のノンフリート等級が事故無しの7等級となり、割引率が10%増えて29%の割引を受けることができます。(平成27年2月時点)

しかし、同じく新規に保険契約をした保険年度に事故で車両保険を1回でも使用すれば、等級が3等級下がり事故有り等級が適用されるため、翌年のノンフリート等級が事故有りの3等級からのスタートとなります。しかも、割引率が一気に32%も減少し逆に割増に転じてしまい、翌年の保険料が基本保険料の12%割り増しになります。(平成27年2月時点)

一度でも保険を使用すると多額の保険料を支払わなければならない

たとえば、等級適用前の保険料が100,000円とした場合、6等級であれば19%の割引となるため81,000円です。もし、車両事故を起こしてしまったけれども保険を使わなかった場合には、翌年には1等級アップするため、翌年の保険料は7等級が適用されて71,000円となります。10,000円の割引です。

一方、車両保険を使ってしまった場合には、翌年は事故有りの3等級が適用され翌年の保険料は112,000円となります。差し引き41,000円もの損失になります。しかも、1度車両保険を使うと、1年間無事故でようやく1等級上がる等級が一度に3等級も下がりますから、翌年の保険料だけでなく、2年目3年目の保険料も割高になります。最終的には10万程度も保険料を多く支払わなくてはならなくなるのです。

車両保険を使う場合にはノンフリート等級の考慮を

車両保険を使う場合には、このノンフリート等級の仕組みをよく理解して、車両事故の補償として、車両保険から受け取ることができる補償金の額と、車両保険を使うことによりノンフリート等級が下がり、その結果被ることになる数年間に渡る保険料の増加分を比較衡量し、検討しなければなりません。

ですから、数万円程度の修理費ですむ車両事故の場合には、車両保険を使わずに自腹で修理費を支払い、無事故扱いにして翌年のノンフリート等級をあげた方が、結果的には自動車に係る費用を節約できる場合が多くなります。この点には十分に留意すべきです。

保険スクエアbang

車両保険の免責金額が0円になる「免責ゼロ特約」とは

車両保険の免責金額が1回目の事故に限り自己負担額が0円になる特約のことで、正式名称は車両事故免責金額ゼロ特約です。保険会社が保険の支払いを免れることを免責といい、免責部分の金額は契約者が自己負担します。

車両保険に加入する場合、1回目の免責金額を5万円、2回目以降は10万円などと金額と決めます。この場合だと事故を起こした修理費用が40万円かかった場合、1回目は契約者が5万円、保険会社が35万円負担することになり、2回目は契約者が10万円、保険会社が30万円の負担となります。

免責ゼロ特約を付帯していると1回目の事故に限り自己負担額を0にできますが、車両保険を使用する場合に限られます。また当て逃げなど損害を与えた相手が誰だかわからない場合は適用されないといった条件もあるので契約時に確認しないといけません。

車両保険は「免責金額」を設定すれば保険料の節約になる

自動車保険契約の契約車両が新車である場合や、新車に近い場合、高級車である場合などは車両保険に加入した方がリーズナブルなことが多くなります。しかし、車両保険は料金が高めですから、保険料もそれなりの金額になります。

ですから、車両保険に入って事故で破損した場合に補償金を受けたいけれども、保険料はできるだけ節約したいという考えが生まれるのは当然です。このような方におススメなのが、車両保険に免責金額を設定することです。

車両保険に付ける免責金額とは

車両保険の免責金額とは、保険金を受け取る場合に契約者が自己負担する金額のことをいいます。車両保険を使って保険金を受け取る場合は修理費用から免責金額を差し引いた金額が保険金になります。

たとえば、免責金額を10万円と設定すれば、車両保険の対象となる事故によって契約車両が破損し、その修理費に50万円がかかったとします。その場合、免責額を超える40万円が車両保険から支払われます。残り10万円は契約者本人が負担します

また、同じく保険の対象となる事故により契約車両が破損し、その修理費に10万円以下の金額がかかったとします。この場合には、車両保険からは補償金は支払われません。車両事故による損失が免責額の10万円以内ですので、すべて契約者本人が負担します。

単に免責額というと、保険会社の免責額なのか、契約者本人の免責額なのかわかりませんが、保険会社の免責額または契約本人の自己負担額と覚えておくと、混乱しません。

免責額を設けるメリット

自動車保険会社によって、車両保険にはさまざまな免責額が設けられています。詳細な部分は各会社によって異なりますが、一般的には、免責額を設定した車両保険は免責額を設定しない車両保険よりも料金が安くなります。また、免責額を高く設定した車両保険が免責額を低く設定した車両保険よりも料金が安くなります。

ですから、車両保険の保険料を節約したい場合には、保険にこの免責額の特約を付ける方法があります。また、たとえば10万円の免責額を設けると、修理費10万円以下の軽微な車両事故が発生したとしても、保険からの支払がないため保険の等級が下がりません。

軽微な事故でわずかな補償金にしかならないとしても、車両保険を使用してしまうと保険の等級が下がり翌年の自動車保険料がアップして損をするという事態になってしまいます。免責額を設けた場合にはそういった事態も避けることができます。

2段階の免責額を設定するメリット

なお、保険会社によっては、1回目の事故の免責額が0円、2回目の事故の免責額が10万円、同じく1回目5万円で2回目10万円、1回目10万円で2回目20万円など、さまざまな種類の免責特約を設けています。

免責金額に対応して、それぞれ異なる車両保険の料金が設定されています。ですから、自分の運転技術や車両の経過年数等に合わせて適切な免責金額を選択して契約することにより、保険料を相当節約できる場合があります。

1回目の免責額を0円、2回目の免責額を10万円とする特約を付けるだけで、免責額のない車両保険より料金を節約できます。節約できる金額はだいたい5,000円程度です。

1年間に2度も車両事故を起こすことなどほとんどありません。ですから、この免責額の特約を付けることにより保険料を節約しても、1年に複数回事故を起こさなければ、免責額のつかない車両保険と同じ保険サービスを受けることができます。そのため、保険料を節約した分がそのまま契約者の利益となります。

車両保険を安くするには「エコノミータイプ」を選ぶ

車両保険は、自動車保険の中で唯一自分の自動車を守ってくれる保険です。車両保険の料金は高めですが、車両が加入しているとそれなりに安心できます。特に高級車の新車を保険契約車両としているような場合には、事故による車の修理費も高額になりますから、車両保険加入の必要性が高まります。

車両保険には2種類がある

ところで、車両保険には大きく分けて次の2種類があります。

  • 一般型:相手側のある事故による自動車の損害だけでなく、自損事故による自動車の損害に対しても保険金が出るタイプ
  • エコノミー型:相手側のある事故による自動車の損害に対してのみ保険金が出るタイプ

自損事故も含めた自動車の損害を補償する車両保険を一般型といいます。一方、相手側のある事故による自動車の損害のみを補償する車両保険をエコノミータイプ(限定型)といいます。

なお、一般型でも、エコノミータイプでも、イタズラによる損害や自然災害(地震や津波を除く)による損害は補償の対象となります。エコノミータイプからイタズラや自然災害による損害を除き、自動車同士の事故による損害のみを扱う「車対車」といったタイプもあります。

一般 エコノミー(車対車+A) エコノミー(車対車)
他車との衝突 丸 丸 丸
自然災害(洪水・台風など) 丸 丸 バツ
火災・爆発 丸 丸 バツ
イタズラ・盗難 丸 丸 バツ
落下物・飛来物 丸 丸 バツ
自損事故 丸 バツ バツ
当て逃げ(相手車不明) 丸 バツ バツ
自然災害(地震・噴火・津波) バツ バツ バツ

車両保険の保険料を節約するならエコノミータイプの利用がおススメ

車両保険には入りたい、しかし、保険料はできるだけ節約したいと考えられている方も多いと思います。そのような方には、エコノミータイプの車両保険に加入することがおススメです。車両保険をエコノミータイプにすることで、だいたい保険料を7割程度に抑えることができます。

保険会社 車両保険あり
(一般型)
車両保険あり
(エコノミー型)
車両保険なし
SBI損保 74,880円 53,960円 36,620円
チューリッヒ 54,670円 45,550円 35,460円
ソニー損保 85,640円 62,390円 43,850円

【見積もり試算条件】
車種:ホンダ・フィットGK3
使用目的;日常・レジャー
年間走行距離:4000km以上~5000km未満
運転免許証:ブルー
年齢制限;26歳以上補償
運転者制限;本人限定

対人・対物:無制限
搭乗者: 1000万円
人身傷害:3000万円

エコノミータイプの車両保険を選択するポイント:①運転技術

エコノミータイプにすると、自損事故は補償の対象になりません。自損事故とは、自分自身で自動車を電柱や塀にぶつけて自動車を損壊させるような事故をいいます。ですから、運転免許を取得してまだ日の浅い方や運転に自信のない方にはあまりおススメできません。

ただし、長期間にわたり事故を起こしたことがなく、運転に自信のある方であれば、自損事故を起こす可能性は低く、エコノミータイプの車両保険を選択して、保険料を抑えても、最終的には得をする可能性が高くなります。このような方には、エコノミータイプの車両保険がおススメです。

エコノミータイプの車両保険を選択するポイント:②契約車両の経過年数

また、車両保険をエコノミータイプにするには、契約車両の経過年数も重要なポイントとなります。新車の場合には、車両保険をかけた方がよく、しかも、できれば一般型の車両保険をかけておく必要性が高くなります。

しかし、時間の経過とともに契約車両の価値は低くなります。それに伴って、車両保険の必要性も低くなります。一つの目安として、新車の使用開始から5年を経過した時点が、車両保険のクラスを一般型からエコノミータイプに切り替えるポイントとなります。

そのころになると、契約車両の価値もだいぶ落ちてきていますから、車両保険の補償範囲もそんなに広くする必要はなく、エコノミータイプでも十分対応できるようになります。この契約車両の経過年数も、車両保険の種類を選ぶ重要なポイントとなります。

ちなみに、車両の経過年数がさらに多くなると、車両保険自体をかけるかかけないか検討しなければならなくなります。市場価値の低い車両に車両保険をかけても、受けるべきメリットが非常に少ないからです。

節制効果大!車両保険を見直して保険料を安く

自動車保険料の金額に多大な影響を与えるのが車両保険です。車両保険を付帯させると保険料が大幅に上がりますので、車両保険を付帯させないで保険プランを組めば、保険料はぐっと下がります。

しかし、運転技術が未熟で交通事故を起こしそうな場合には、車両保険を付帯させておいた方が、結局はお得になります。そこで、原則として、自動車保険に車両保険を付帯させる契約内容を設定するとして、その車両保険を見直して保険料を安くする方法について考えてみます。

車両保険見直しによる保険料節約①車両保険を外す

車両保険を見直すことによって保険料を見直すこととして、もっとも簡単で、かつ、確実な方法は、車両保険を外してしまうことです。車両保険は、自動車保険料の半分近くを占めるケースもあり、自動車保険を外すと、保険料がグッと安くなります。

たとえば、基本条件を次のように設定し、車両保険を付帯させないとして保険料の見積もりを取るとします。ちなみに、見積もりを取る自動車保険会社は、通販型自動車保険で15年連続売上げ№1を獲得しているソニー損保とします。

【見積もり試算条件】
車種:トヨタ・プリウス(NHW20)
運転者条件:本人及び家族限定
補償範囲:30歳以上補償
年齢:46歳
ノンフリート等級:6等級
対人・対物:無制限
人身傷害:3,000万円

この条件で、車両保険を付帯させないとした場合の1年間の保険料の見積額は45,100円となります。

一方、同じ条件で車両保険を付帯させた場合には、1年間の自動車保険料は84,770円(一般タイプ、保険金額85万円、免責1回目5万円、2回目10万円)となります。

車両保険を外すと、双方の金額の差額である84,770円-45,100円=39,670円分、保険料を減らすことができます。

車両保険あり(一般タイプ) 車両保険無し
84,770円 45,100円

車両保険を外すことはよいことか悪いことか

統計的に言って、40代50代が事故率が一番低くなる年代だと言われています。この年代となると、運転経験が豊富あり、交通事故の恐ろしさも熟知しているので、スピードの出しすぎやムリな運転をすることはほとんどなくなっています。よって、大きな事故を起こすことはめったになく、毎年かけている車両保険が掛け捨てになるケースが多くなります。

一方、20代の場合には、運転経験が未熟なうえに、スピードを出す運転やムリな運転をかっこいい運転だと勘違いする傾向が強く、自動車を大破させるような大きな交通事故を起こす確率が高くなります。よって、この世代であれば、保険料が高くても、車両保険を付帯させる方がよいケースも多いでしょう。

運転技術の水準や契約自動車の内容によっては、保険料が高くなっても、車両保険を付帯させた方がよい場合もあります。その場合に、車両保険を外してしまうと、結果的には、損をしてしまいますので、保険料を安くするために車両保険を外す場合には、そういった事情についてよく考える必要があります。

車両保険見直しによる保険料節約②エコノミータイプを選択する

運転技術や契約自動車の特徴から判断して、自動車保険に車両保険を付帯させた方がよい場合には、一般タイプの車両保険ではなく、エコノミ―タイプの車両保険を選択することで、保険料を安くすることができます。

ソニー損保の場合、一般タイプの車両保険は、以下の保険事故が発生した場合に、保険金を支払います。

  • 他車との衝突
  • 当て逃げ
  • 単独事故
  • 盗難
  • 火災・台風

一方、エコノミ―タイプを選択した場合には、一般タイプのうち、当て逃げと単独事故が補償の範囲から外れます。それ以外の事故については、エコノミ―タイプの車両保険でも、保険金が支払われます。

車両保険を一般タイプとエコノミーにした場合の料金差

基本条件を以下のように設定し、車両保険を一般タイプにした場合と、エコノミ―タイプにした場合の、自動車料金の見積額を比較してみます。

【見積もり試算条件】
車種:トヨタ・プリウス(NHW20)
運転者条件:本人及び家族限定
補償範囲:30歳以上補償
年齢:46歳
ノンフリート等級:6等級
対人・対物:無制限
人身傷害:3,000万円
車両保険:有、免責1回目5万円、2回目10万円、保険金額85万円

この条件で、通販型自動車保険会社のソニー損保のHPから保険料の見積もりを取るとした場合、車両保険のタイプを一般タイプとした場合には、1年間の保険料は84,770円となります。一方、車両保険のタイプをエコノミ―タイプとした場合、1年間の保険料は63,060円となります。差額は、21,710円となります。

まったく同じ条件で、車両保険を付帯しない場合の保険料は45,100円なので、エコノミ―タイプの車両保険を選択する場合には、17,960円多く保険料がかかることになります。車両保険はかけたいけれども、保険料はできるだけ低く抑えたいという方にとっては、エオコノミータイプの車両保険がピッタリです。

車両保険あり(一般タイプ) 車両保険あり(エコノミータイプ)
84,770円 63,060円

車両保険見直しによる保険料節約③免責金額を変更する

車両保険を見直して保険料を安くする方法の1つに、免責金額を変更する方法があります。免責金額とは、交通事故を起こして修理代が必要となった場合に、自己負担する金額のことです。車両保険から保険金が出る場合でも、その保険金は自己負担額を控除した金額となります。

自動車保険契約で、車両保険を付帯させる場合でも、この免責金額を多く設定すれば、保険料は意外に安くなります。よって、免責額を変更することは、自動車保険料を安くする方法の1つとなります。

車両保険の免責額を変更した場合の自動車保険料の違いについて

基本条件を以下のように設定し、車両保険を一般タイプにした場合と、エコノミ―タイプにした場合の、自動車料金の見積額を比較してみます。見積もりの対象となる自動車保険会社は、ソニー損保です。

【見積もり試算条件】
車種:トヨタ・ウイッシュ(ZGE20W)
運転者条件:本人及び家族限定
補償範囲:30歳以上補償
年齢:46歳
ノンフリート等級:6等級
対人・対物:無制限
人身傷害:3,000万円
車両保険:有、一般型、保険金額225万円

この条件で、車両保険の免責金額を1回目5万円、2回目10万円とした場合の保険料の見積額は1年間で82,080円です。次に、免責金額を1回目10万円、2回目10万円とした場合には、1年間の見積額は74,270円となります。

どの自動車保険契約でも、車両保険の免責額は必ず設定しなければならないようです。そして、その金額は、1回目は5万円、2回目は10万円となっていることが多いです。そこで、1回目の免責額を5万円から10万円に引き上げることで、1年間の保険料が7,810円も安くなります。

車両保険あり(一般タイプ) 車両保険あり(一般タイプ+免責あり)
84,770円 74,270円

車両保険見直しによる保険料節約④車両保険の安い会社を選ぶ

車両保険を付けた場合と、車両保険を付けない場合の保険料の差は、各自動車保険会社によってまちまちです。その差が大きくなる保険会社もあれば、その差が小さくなる自動車会社もあります。ということは、他の保険会社と比較して、車両保険を割安で提供している自動車会社もあるということです。

各自動車保険会社では、公式HP上に、自動車保険料の見積もりのページを設けています。それらページを活用すれば、車両保険に関してさまざまな設定を行った状態の保険料の試算を、無料で簡単に行うことができます。

数社の自動車保険会社のHPの保険料見積もりページを使って、さまざまな車両保険の設定で見積もりを行い、その内でもっとも安い保険会社と契約を結べば、車両保険を見直して保険料を安くすることができます。

車両保険を付帯する場合には、一般型とエコノミ―型を選択できますし、免責金額もある程度の幅で、自由に設定できます。保険金額も、自動車保険会社の定める一定の幅内で、自由に選択できます。

自動車保険各社の公式サイトの保険料試算(見積もり)ページは、そういった細かい条件を指定した見積もりにも、正確に、迅速に対応してくれます。保険料の金額に納得がいく場合には、その場で、契約手続きに進むことができます。しかも、インターネットから申し込んだ場合には、10,000円程度の割引を受けることができるのが普通です。

保険料の一括見積もりサイトを活用する方法もある

保険料の一括見積もりサイトを利用すれば、1回の基本条件の入力で、同時に20社程度の自動車保険会社の見積もりを取ることができます。基本条件の入力の際に、自分が希望する車両保険の条件を入力すれば、20社程度の自動車保険会社の中から、その車両保険を付帯した場合に、もっとも安い保険料を提案してくる自動車会社を簡単に調べることができます。

こういった一括見積もりで調査する場合、もっとも高い料金を提示してきた自動車保険会社と、もっとも安い保険料金を提示してきた自動車保険会社の間では、数万から場合によっては、10万円以上の差があることがあります。

一括見積もりサイトを利用して、その中でもっとも安い保険料を提案してきた自動車保険会社と契約をする場合には、その差額が、一括見積もりサイトによって安くすることができた自動車保険料の金額ということができます。

複数の保険会社から見積もりを取ることは保険料を安くする王道

一定の場合には、車両保険の免責金額を変更したり、エコノミ―タイプを選択したり、保険金額を低く設定したりして、安くすることができる保険料の金額よりも、一括見積もりサイトから明らかになったもっとも安い保険料を提案してきた自動車保険会社と契約することにより安くできる金額の方が、大きい場合すらあります。

車両保険に関わらず、自動車保険料全体について、その値段を安くするもっとも効果的な方法は、数ある自動車保険会社の中で、もっとも安い保険料を提案してくる自動車保険会社と契約することです。

車両保険を見直して保険料を安くする場合にも、自分で各自動車保険会社のHPから見積もりを取るにしても、保険料の一括見積もりサイトを利用するにしても、複数の自動車保険会社から見積もりを取ることは、必ず実施したいことです。