軽自動車の自動車保険って相場はいくら?

軽自動車の自動車保険

記事監修者紹介
ファイナンシャルプランナー髙橋洋子髙橋 陽子
日本生命保険相互会社にて3年半以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2019年4月より当メディアにて保険をはじめとする金融記事の監修を務める。
軽自動車の保険料は普通自動車より安い料金設定になっていますが、自賠責保険も任意保険もそれほど差が無くなってきました。自賠責保険では2年契約で軽自動車が約25000円、普通自動車が約26500円となっていて差額は1500円しかありません。また任意保険に関しても同じ条件で比較してみたところ軽自動車が約21500円、普通自動車が約25000円となっていて差額は3500円しかありません。これを見てみるとあまり軽自動車だから安いという感じでもなくなってしまいます。利便性を重視した時は明らかに普通自動車がいいのでこれぐらいの差でしたら普通自動車を選んでしまうでしょう。


軽自動車の保険料は普通自動車の保険料と比較した場合割安になることが多いのですが、それでも免許を取り立ての若い方が新車の軽自動車に保険をかける場合等には、結構高い金額になります。そのような場合に、自動車保険料を適切に引き下げる方法を知っておけば大変助かります。

軽自動車の保険料の相場はどのくらいか

以下の基本条件で、軽自動車の保険料の相場を表示すると以下のようになります。

  • 保険車両はホンダ・N-BOX(平成26年式)
  • 対物・対人無制限
  • 人身傷害3,000万円
  • 運転者条件は家族限定
  • 使用目的は通勤
  • ノンフリート等級6等級
年齢条件 車両保険の内容 保険料
全年齢補償 車両保険155万円 302,720円
全年齢補償 車両保険なし 152,970円
21歳~25歳まで補償 車両保険155万円 161,950円
21歳~25歳まで補償 車両保険なし 83,390円

一般的に言って、軽自動車の自動車保険料は普通自動車のそれに比べて安くなる傾向がありますが、それでも、免許取り立ての方が新車に近い自動車を運転するケースで、車両保険を付けると結構な金額になります。年間の保険料が300,000万円を超えると、月払いにしたとしても毎月25,000円以上の保険料の支払いが必要になります。

自動車の保険料を決める要素にはどんなものがあるか

自動車保険の保険料を決める要素には以下のようなものがあります。

  • 年間走行距離
  • 保険対象車両の車種、年式、新車登録の時期
  • 型式別料率クラス
  • 運転者限定条件(本人限定、夫婦限定、家族限定、限定無し)
  • 免許の色(ゴールド、ブルー、グリーン)
  • 運転者年齢条件(全年齢、21歳~25歳、26歳以上、30歳以上、35歳以上など)
  • 補償内容(対物・対人・人身傷害の補償限度額、車両保険の有無など)
  • ノンフリート等級

軽自動車の保険料を安くする場合には上記のさまざまな要素を検討したうえで、不要な補償を外したり補償限度額を下げたりさまざまな限定条件を付けたりします。ユーザーの方で変更できる項目というとあらかじめ決まっています。保険対象車両の車種、型式、新車登録の時期、免許の色、料率クラス、走行距離などは、あらかじめ決まっているので保険料を安くするために、ユーザーの方で変更できません。

各種の限定条件や補償内容であればユーザーの方である程度自由にできます。ノンフリート等級も原則は自分で決めることはできないのですが、家族に自動車保険に入っている人がいればその人のノンフリート等級を引き継ぐことで、ある程度の自由が利きます。

なお、以下に掲げる条件で自動車保険に加入すると保険料が割高になる傾向があります。

  • 年齢条件が全年齢である
  • 免許を取得してから3年以内に者に交付されるグリーン免許
  • 最初の保険期間に事故を起こし、ノンフリート等級が3等級
  • 車両保険を補償額上限150万円の一般型に加入
  • 使用目的が通勤
  • 友人・知人に自動車を貸すことがあるので運転者限定条件なし

軽自動車の保険料を下げるための5つの方法


免許取り立ての若い方が新車に近い軽自動車に乗り、補償金額の上限が150万円程度の車両保険を付けた場合、1年間の自動車保険料は結構な金額となります。そこで、保険料を引き下げることができれば大いに助かります。軽自動車の保険料を引き下げる方法にはさまざまありますが、そのうちの代表的なものを上げると次のようになります。

  • 運転者年齢条件を本人限定とする
  • 車両保険に免責金額を設定する
  • 早期割引サービスを使う
  • 家族のノンフリート等級を使う
  • 契約申し込みをインターネットから行う

運転者年齢条件を本人限定とする

免許取り立ての若い方であれば単身者ということも多いと思います。保険対象車両を運転するのが自分だけという場合には、運転者限定条件を本人限定とすれば保険料がいくらか安くなります。

たとえば、ソニー損保で以下の基本条件で見積もりを取る際に、運転者限定条件を本人限定と入力して見積もを取った場合と、運転者限定条件を付けないで見積もりを取った場合を比較してみます。

  • 保険車両は日産・オッティ(平成26年式)
  • 保険契約者年齢35歳
  • 対物対人無制限
  • 人身傷害3,000万円
  • 使用目的は通勤
  • 免許の色はゴールド
  • 年齢条件は30歳以上補償
  • ノンフリート等級6等級

結果は以下のとおりです。

運転者限定条件の内容 保険料
本人限定 44,630円
限定無し 48,583円

このケースだと、運転者限定条件を制限なしから本人限定にすることで保険料が3,953円下がりました。保険契約車両を本人以外の者が運転する機会がほとんどないにも関わらず、運転者本人限定条件を付けないのはもったいないので、もし保険契約車両を専ら契約者本人のみが運転するという場合には、この条件を付ければ保険料を安くすることができます。

車両保険に免責金額を設定する

軽自動車の自動車保険に車両保険を付帯させると保険料は急に上がります。特に補償金額の上限が150万円の一般型の車両保険を付けた場合、それを付けない場合と比較して保険料は2倍程度になります。しかし、保険料を安くしたいからといって、車両保険を突かない方が良いかというと必ずしもそうではありません。

ローンを組んで自動車を購入した場合、大きな交通事故を起こして自動車が全損した場合にローンは残っているけれども、自動車は運転できないという状態となります。新しい自動車もローンで購入することになると二重ローンとなります。その時、補償金額の上限が150万円の車両保険に入っていたとすると、保険金で新しい自動車を購入できるので安心です。

保険料は安くしつつ、いざという時にはしっかり補償を受けたいという場合には、車両保険に免責金額を付けることがオススメです。免責金額とは事故による車両修理費が一定金額以上になった時に、初めて車両保険から保険金が支払われるという制度です。

たとえば免責金額を10万円と設定しておけば、修理費用が10万円以下の事故をおこしたしまった場合には、車両保険からの補償金はでません。一方でたとえば車両全損のような大きな事故を起こしてしまった場合には、車両保険からしっかり補償を受けることができます。

車両保険に免責金額を付けるか付けないかで保険料はどう変わるか

以下の基本条件で、免責金額を付けない車両保険(一般型)を付けた場合と、免責金額を付けた車両保険(エコノミー型)を付けた場合で、軽自動車の保険料を比較すると以下のようになります。

  • 保険車両はスズキ・ハスラー(平成26年式)
  • 対物・対人無制限
  • 人身傷害3,000万円
  • 運転者条件は本人限定
  • 使用目的は通勤
  • ノンフリート等級6等級
車両保険の内容 保険料
一般型(免責金額無し) 97,360円
エコノミー型(免責金額有り) 74,470円

この見積もりでは、車両保険に免責金額と付けた場合と付けない場合では保険料が22,890円違ってきました。免責金額を付けても、重大な交通事故を起こしてしまった場合にはしっかり保険金が支払われますから、車両保険は付けたいが、保険料をはできるだけ安くしたいという場合には車両保険に免責金額を付けることがおススメです。

早期割引サービスを使う

早期割引サービスとは保険期間の開始日の1か月~2か月ほど前に申し込むと、保険料が安くなるという制度です。ただし、この制度はすべての自動車保険会社が実施しているわけではなく、現在この割引制度が利用できるのは以下の3社となっています。

会社名 早期割引の内容
おとなの自動車保険 早期50日前600円引、早期30日前400円引
イーデザイン損保 早期45日前500円引
チューリッヒ 早期45日前500円引

家族のノンフリート等級を引き継ぐ

家族に自動車保険の利用者がいてその保険のノンフリート等級が高い(7級以上)場合には、その家族のノンフリート等級を引き継ぐことができれば保険料を安くできます。特に割引率が最大である20等級(60%割引)を持つ家族がいれば、その家族と契約者がノンフリート等級を交換すれば、契約者は保険料を大幅に安くすることができます。

ノンフリート等級が20級の方は、ベテランの運転者で年齢も比較的高いと考えられます。年齢が高い方であれば、自動車保険料の基本料金はそれほど高くなくノンフリート等級が6等級でも、保険料はそこそこの水準に落ち着きます。一方、免許取り立ての若い方であれば保険料は高額になる傾向があるので、大幅な割引が可能な20級を若い方の保険の方に、6級を高齢の方に適用すれば保険料が安くなります。

この方法は、同居の家族に自動車保険の利用者がいない場合には使うことはできませんが、もし、同居の家族に自動車保険ユーザーがいる場合には、その家族のノンフリート等級を確認し交換ができるようでしたら、そうすることで保険料が安くできます。

契約申し込みをインターネットから行う

通販型自動車保険会社のほとんどは、インターネットから申し込むと保険料が10,000円程度安くなります。インターネットから申し込むことは誰もが簡単にできることなので、それで10,000円も保険料が節約できるのであれば、これを使わない手はありません。

外資系の通販型自動車保険会社であるアクサダイレクトの場合、最大で20,000円のインターネット申込み割引を実施しています。自動車保険料を節約する場合、補償内容を薄くする代わりに保険料を下げるという方法が多いのですが、インターネットから契約の申込みを行っても補償内容が下がるということはありませんので、この方法は保険料を下げる方法としては非常に優良なものです。

軽自動車は、税金面での優遇や維持費の安さから、非常に人気があります。また、セカンドカーとして軽自動車を購入される方も非常に多くいらっしゃいます。では、この軽自動車の自動車保険料の平均相場は月々いったいどれくらいになるのでしょうか。

軽自動車の保険料の平均相場はどれくらいか?

以下の条件がついた軽自動車のダイハツ・タントを想定します。

  • 排気量:660cc
  • グレード:カスタムL(型式L375S)
  • 使用目的:買い物・レジャー使用
  • 運転者:本人およびその家族
  • 免許の状態:本人がゴールド免許
  • 運転者の年齢:全員30歳以上

この軽自動車に以下の条件で自動車保険をかけるとします。

  • 対人・対物無制限
  • 搭乗者傷害保険(1,000万円)
  • 人身傷害なし
  • 自損事故(1,500万円)
  • 無保険車傷害(2億円)
  • 車両保険(車対車+限定A)
  • 車両保険金額110万円(免責5~10万円)

このケースので軽自動車のA社の1年間の保険料の見積もりを取ると、以下のとおりとなります。

ノンフリート等級 保険料
4等級 47,020円
6等級 38,810円
10等級 29,250円
15等級 24,890円
20等級 20,760円

一方、B社の1年間の保険料の見積もりは、以下のとおりとなります。

ノンフリート等級 保険料
4等級 51,720円
6等級 42,360円
10等級 36,770円
15等級 30,290円
20等級 25,650円

まったく同じ条件でも、保険会社によって5千円程度の違いがあります。ノンフリート等級10級または15級を想定した場合、軽自動車の保険料の1年間の平均相場はだいたい24,000円~36,000円程度となりますので、毎月の保険料の平均相場は2,000円~3,000円程度ということになります。

軽自動車の保険料は普通車と比較して何故安くなるか

軽自動車の1年間の平均保険料は、普通自動車のそれと比較して、だいたい5,000円~10,000円程度安くなると言われています。軽自動車の保険料が何故安くなるかというと、まず、軽自動車は多額の保険金の支払いが必要となる重大事故を起こす可能性が普通車と比較して少ないことが考えられます。

普通車と比較して、軽自動車の排気量は少なく、車体重量も少ないですから、事故を起こした場合に相手側の受ける被害が少なくなる傾向があります。また、普通車と比較して、車両価格自体も低いですから、車両保険から支払われる保険金の金額も少なくなります。

軽自動車による事故で保険会社が支払う保険金の総額が少なくてすむと、保険料をそれほど多く徴収する必要がありませんので、その分、保険料が安くなります。

軽自動車の保険料が普通自動車のそれより安くなると言っても、同じ保険契約内容を想定した場合、その差額は多くても万円程度ですから、保険料が安くなるからといって、自動車を普通車から軽自動車に乗り換えるほどには、その差額は大きくないと言えます。

軽自動車の保険料を調べるなら一括見積もりサイトの活用が便利

上記のダイハツ・タントの保険料の見積もりでは、A社とB社の1年間の保険料は、まったく同じ保険条件でもだいたい5,000円程度の差がありました。しかし、条件によっては、その差が25,000円以上になることもあります。

そこでおススメなのが、自動車保険一括見積もりサイトの活用です。このサイトを利用すれば、短時間に10社~20社程度の保険会社の軽自動車任意保険料に関する見積もりを取ることができます。

ユーザーが希望する保険契約の内容をもっとも安い保険料で実現する自動車保険会社と保険契約を結べば、保険料を大幅に節約することが可能になります。同じ保険内容ならば、できるだけ安い保険料で済ませた方がよいことは言うまでもありません。

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はっきり言うと自動車保険で車両保険を付帯する場合と、しない場合ではかなり保険料が違います。倍くらいの差がでることも稀ではありません。軽自動車に車両保険は必要でしょうか。保険料を抑えたいならば付帯しない方が安くなりますが、付帯した方がいい場合もありますので確認しましょう。

車両保険を付帯した方が良い場合

自動車をローンで購入した場合や、通勤または業務で使用する場合などは車両保険を付帯した方が良いでしょう。

ローンで購入した場合

ローンの支払いが残っている場合は事故により車が廃車となってもローンの支払いだけが残ってしまいます。車両保険を付帯しておけばローン残金は清算可能です。新車であっても中古車であってもローンで購入した場合は車両保険を付帯していた方が安心です。

使用目的が通勤または業務の場合

通勤にどうしても車が必要な場合があるでしょう。事故によって車が使用できなくなったら会社に行けず困ります。または業務目的で使用していた場合は、お客様との約束が守れず困ることも考えられます。こういった場合、すぐに修理したり新しい車を買わなければならない状況が考えられます。貯金がなければ悠長にお金が貯まるのを待っていることはできませんので、車両保険を付帯していた方が安心です。

車両保険を付帯する場合、レンタカーの代金を補償するような特約が付けられる場合もあります。すぐに代車が必要であればそういった特約を付帯するとさらに安心できます。

その他、最近では普通車よりも軽自動車の方が、購入金額が高くなっている場合も多くあります。新車を購入した場合などは愛着もあるかと思いますし、高額な車ほど修理代は高くなりますので車両保険の付帯を検討すると良いと思います。

車両保険の種類

車両保険には補償範囲によって3つのタイプがあります。車両保険を付帯する場合でも、補償範囲を狭めることで保険料を抑えることが可能です。事故例を大きく5つに分けると次のようになります。

  • ①他の自動車との衝突
  • ②盗難
  • ③火災・台風など
  • ④単独事故
  • ⑤当て逃げ

車両保険の3つの各タイプについて補償範囲を確認したうえで、自分に合った補償を選びましょう。

一般車両型

一番補償範囲の広いタイプです。5つの事故例すべてを補償することができます。もちろんその分保険料は一番高くなってしまいます。

エコノミー型(車対車+限定A)

このタイプは一般車両型の補償から事故例の④単独事故⑤当て逃げが外されます。単独事故は具体的には、電柱・ガードレール・自転車との衝突やカーブを曲がりきれず墜落・転覆する場合の車両損害が含まれます。車両保険の保険料は一般車両型の大体50%程度に抑えられると思われます。タイプの名前は各社さまざまですのでご確認ください。

車対車型

このタイプだともっとも補償範囲が狭く、事故例の①他の自動車との衝突だけを補償します。相手を特定できる事故だけなので、⑤当て逃げは補償されません。保険料は安いですがかなり限定された補償なので、車両を大事にしたいと思うなら少し心細い気がします。

軽自動車には料率クラスがありません。そうなれば保険料を決める要因には何があるでしょうか。軽自動車の保険料は記名被保険者と車両保険によって決まります。

記名被保険者の違い

自動車保険において、自動車と補償内容が同じ場合、記名被保険者の違いが保険料に関わります。保険料を左右する項目は以下のとおりです。

  • 使用目的
  • 免許証の色
  • 年齢限定
  • 運転者限定

使用目的

使用目的を設定できる保険の場合、日常・レジャー・通勤・通学・業務に分かれることが多いです。使用目的は年間を通じて週5日以上または月に15日以上使用するものを設定します。近所に買い物に行く程度の使用より、毎日の通勤の方が事故の確率が高いでしょう。仕事で毎日お客様を回るような業務使用ではさらに事故率が高くなるでしょう。使用目的は業務使用の場合が一番保険料が高くなります。

免許証の色

免許証の色ではゴールド免許割引が適用できる保険があります。ゴールド免許を持っているということは違反がなく優良ドライバーの証ですから、事故率も低いと考えられ保険料の割引が適用されます。

年齢限定

年齢については記名被保険者が何歳かによって異なることと、さらに年齢条件の限定でさらに大きく保険料に関わります。自動車保険の保険料は保険会社のリスクが大きいほど高くなります。免許取りたての若年層は乱暴な運転をする可能性が高いというデータがあり、事故率が高くなるため保険料は高くなります。高齢の場合も判断力が鈍ってしまう事などから事故率は高くなり保険料が高くなります。

年齢条件の設定は補償範囲に関わります。年齢条件を設定できる車種の場合、21歳以上・26歳以上・(30歳以上)・35歳以上に分かれることが多いです。20歳以下の場合はどれにも該当しないので全年齢を補償することになり補償範囲が広いので保険料は高くなります。

運転者限定

運転者限定を設定できる保険の場合は、補償範囲を狭めて保険料を抑えることができます。家族限定や本人・配偶者限定。本人だけや契約時に申し出た人だけに限定するという方法ができる会社もあります。家族限定に特約を付帯して子供の補償範囲を少し広げられる場合もあります。だれが運転する可能性があるのかによって、またその運転者を絞ることによって保険料を抑えることができるのです。

車両保険の違い

同じ軽自動車同士では補償内容が同じ場合保険料は変わりません。しかし車両保険を付帯する場合はその車によって保険料が異なります。車両保険は車の修理費などを補償する保険です。つまり同じ軽自動車でも車の値段が異なれば付帯する車両保険金額も異なり、保険料に違いが出てきます。

型式やグレード(仕様)の違いで金額が異なりますし、新車で購入したか中古車を購入したか、その車の初度登録年月によっても金額が異なります。

一般的な自動車のナンバープレートを見ると使用の本拠地の表示、たとえば「品川」のあとに数字が書かれていると思います。これを分類番号と言い、その数字によって実は車種が分類されています。分類番号のはじめの数字を取って「4ナンバー」「5ナンバー」のように呼ばれます。

軽自動車の分類番号

軽自動車の分類番号は1桁から3桁の数字で表示されており、以下のように分かれます。

 

車種 ナンバー
貨物自動車 40~49、400~499、600~699
乗用自動車 50~59、500~599、700~799
特殊用途自動車 80~89、800~899

4ナンバー

4ナンバーは貨物車の扱いで商用モデルになります。装備は内装・外装ともに必要最小限で、主に営業用、業務用の車両として使われることが特徴です。装備が少ないということは車両重量も軽く、より燃費が良いこともメリットと言われます。昔は軽自動車はすべて商用車として4ナンバーでした。

4ナンバーと5ナンバーで明確に違うのは自動車税です。4ナンバーの自動車税は4,000円で、5ナンバーの7,200円に比べて安くなります。

5ナンバー

5ナンバーは乗用モデルでインテリアや装備が豊富です。現在流通している軽自動車は、軽トラやバンを除いてほとんどが5ナンバーになっています。しかし5ナンバーになったのは比較的最近のことです。「アルト」や「ミラ」は見た目はほとんど乗用モデルと変わりませんが、かつては登録上商用車として4ナンバーで販売されていました。

つまり、現在の軽自動車はほとんどが5ナンバーの乗用モデルですが、中には乗用モデルのような4ナンバーの車も存在するということです。

自動車保険における4ナンバー・5ナンバー

自動車税では明確に保険料の差がありますが、自動車保険ではどうでしょうか。昔は4ナンバーは年齢条件を設定することができませんでした。5ナンバーは年齢条件の設定が可能なため、年齢条件を狭めることができる年齢の人にとってはお得で、逆に若くて年齢における補償範囲が広くなってしまう人にとっては、どの年齢でも保険料に差がない4ナンバーがお得だと言われていました。

しかし、自動車保険が完全自由化となった1998年以降は、たとえ4ナンバーであっても年齢条件が設定されることが多くなりました。つまり現在では4ナンバー・5ナンバーでどちらが保険料がお得かという話はほとんどできなくなったということです。

自動車保険には大きく分けて4つの補償内容に分類することができます。「対人」「対物」「傷害(搭乗者傷害保険・人身傷害補償保険)」「車両」それぞれがどんな補償内容なのかわからなければどのくらいの補償が必要かわかりません。それぞれの内容を確認しておきましょう。

対人賠償責任保険

対人賠償責任保険は、自動車事故により他人を死亡させてしまったり、けがをさせてしまって損害賠償責任を負うことになった場合の補償です。

こういった場合が一番怖いですね。けがをさせてしまい高額な医療費がかかったり、さらには後遺障害が残ってしまった場合にはその後の介護費用までかかってしまいます。その他にも事故に合わなければもらえていただろう収入の分や、精神的な損害があると慰謝料を請求されるかもしれません。そうなるともう賠償金額は億単位で必要です。

対人賠償責任保険については各社金額を設定できるかとは思いますが、無制限という保険料の設定ができるところがほとんどです。万が一の場合の保険ですから無制限に設定されることをオススメします。

対物賠償責任保険

対物賠償責任保険とは、自動車事故により他人の財物に損害を与えてしまい、損害賠償責任を負うことになった場合の補償です。

一般的な事故で多いのは相手車両との衝突が考えられますが、不運にもその場所によっては高額損害になることも考えられます。たとえば対向車と衝突した勢いでレストランに突っ込んでしまったら。もちろん相手車両の賠償も必要ですが、レストランの修理費に加えてそのレストランの休業損害分も損害賠償責任を負うことになります。こういった場合も賠償金額は億単位で必要でしょう。

対物賠償責任保険についても各社金額を設定できるかとは思いますが、無制限という保険料の設定ができるところがほとんどです。万が一の場合の保険ですから無制限に設定されることをオススメします。

搭乗者傷害保険・人身傷害補償保険

「対人」「対物」はどちらも相手の補償でしたが、傷害保険は自分側の補償になります。自動車事故の場合は相手が居なければ幸いですが、かといって自分や家族、同乗者に被害がないとは限りません。傷害保険は自分側のけがなどを補償する保険です。

入通院などの治療費や働けない間の収入分、死亡してしまった場合は葬儀費用なども考えられます。後遺障害が残ってしまうことなど考えると年齢が若ければ若いほど必要となる金額は大きくなるでしょう。自分ひとりではなく家族の補償にもなりますので、どれだけ補償が必要か判断して設定すれば良いでしょう。

車両保険

車両保険とは自分の車の補償です。事故に合った際の修理費を補償してくれます。ただし車両保険は保険料を一番大きく左右させる項目です。

自動車事故で自分の車が壊れてしまったらどうしますか?新車で買ったのだからもちろん修理して乗り続ける。そういう人も多いと思いますが、長年乗り続けたオンボロだからこのくらいの傷なら気にしないという人もいるでしょう。または自分で車を傷つけてしまったのなら諦めもつきますが、車両保険を付帯していれば、補償範囲によっては自分に非のない盗難や、台風などの自然災害、いたずら書きも補償されます。

車両保険を付帯すると保険料は高くなります。しかも保険を使ってしまったら次年度の保険料が上がるのは避けられません。軽自動車の場合は車両価格がそこまで高額にならないことも多いので、考え方によっては付帯してもしなくてもよい補償だと言えるかもしれません。ご自分で判断して設定すれば良いと思います。

自動車保険の保険料は簡単に言えば、保険会社の支払いリスクが大きいほど高く、リスクが小さいほど低く設定されます。軽自動車と普通車の保険会社のリスクはどのように考えられるでしょうか。

軽自動車には料率クラスが存在しない

自動車保険には保険料を設定するために「料率クラス」というランク付けの制度があります。これは自家用普通乗用車と自家用小型乗用車の型式ごとに設定されています。自動車保険における「車両」「対人」「対物」「傷害(搭乗者傷害・人身傷害)」の4項目について、それぞれランクは1~9まで設定されています。1が一番保険料が安く、9が一番高くなるような掛け率となっています。

ランクはその車の型式ごとの事故実績により、損害保険料率算出機構が定めています。料率クラスは毎年1月に見直された料率に改定となります。イメージするならば「この1年間この型式の車は車両事故が少なかったから車両料率クラスのランクを一つ下げようか」という具合です。ランクは1ランク上がるごとに20%の差となります。

型式ごとに設定されていますから、同じ車でも型式が違うと料率が異なり、保険料にも差が出ます。しかしはじめに書いたとおり料率クラスの設定は「自家用普通乗用車」と「自家用小型乗用車」についてです。つまり軽自動車には料率クラスはありません。軽自動車はひとくくりで考えられます。

軽自動車同士で車両入替しても保険料は変わらない

免許を取得してはじめて買った車を一生乗り続けるという人もいるでしょうが、多くの人は途中で新しい車に買替をするのではないでしょうか。そういった場合に自動車保険の保険料はどうなるでしょうか。

自動車保険の保険料を一番大きく左右するのは車両保険です。車の年式や価格によって車両保険の金額は大きく異なってくるため、ここでは付帯しないものとして考えてみます。入替前と入替後で補償内容もまったく変えないとして考えます。そうすると料率クラスの設定がない軽自動車から軽自動車の入替では、保険料は変わらないということになるのです。

たとえば同一の保険会社で「ムーヴ」から「ハスラー」に変えても「N BOX」に変えても「ワゴンR」に変えたとしても、同じ軽自動車同士であれば保険料は変わりません。逆に「ムーヴ」から自家用普通乗用車の「エルグランド」に変える場合は保険料が異なりますし、「エルグランド」の中でも型式が違えば保険料が異なります。「ムーヴ」から「ヴェルファイア」に変える時も保険料は異なりますし、「エルグランド」と「ヴェルファイア」でも保険料は異なります。

軽自動車の保険料の相場

軽自動車は普通自動車に比べて自動車保険の保険料が安いと言えるのでしょうか。保険料は補償内容や補償範囲の設定によりピンきりです。ただあえて比べてみるならば、軽自動車の任意保険料は、大体年間で2万円~5万円程度。標準的な普通車の任意保険は大体年間で5万円~8万円程度と言われます。ただし保険料は車によって異なるため、軽自動車の場合に若干安くなる程度で普通車とそれほど大きな差にならないことも多いです。

自動車保険の保険会社はたくさんありますが、軽自動車専用の自動車保険会社というのは耳にしません。軽自動車専用で用意されている保険種類も聞いたことがありません。それでは軽自動車の保険と普通自動車の保険では全然変わりがないのでしょうか。

軽自動車とは

現在適用されている軽自動車とは、下記の規格を満たしている三輪および四輪自動車のことです

 

排気量 660cc以下
長さ 3.4m以下
1.48m以下
高さ 2.0m以下

排気量が少ないということは小さくて軽いため低燃費と言えます。長さや高さも小さく車幅も取りませんので、狭い道の走行や対向車とのすれ違いにも余裕があります。車庫入れが苦手な方も多いかもしれませんが、大きな車に比べてずっと簡単に車庫入れができます。

その他軽自動車は経済面もコンパクトです。自動車税は普通車の一番安いクラスで34,500円なのに対して、軽自動車はなんと7,200円で済みます。車検についても普通車の諸経費が約60,000円~70,000円なのに対して、軽自動車の場合は30,000円~40,000円ほどに抑えられます。

自動車保険の保険料

自動車保険の保険料はどのように設定されているのでしょうか?簡単に言えば、保険会社の支払いリスクが大きいほど高く、リスクが小さいほど低く設定されます。

たとえば、とりわけ速度の出るスポーツカーの場合、速度を出して走っていると、それだけ事故になりやすかったり、事故の被害が大きくなることは安易に想像することが可能です。当然保険会社のリスクは高くなるので保険料は高く設定されると考えられます。

また高級車の場合は購入金額が高かったのですから、おそらく致命的な事故でなければ車がキズついた場合に修理して乗り続けたいと思うでしょう。そういう場合には車両保険を付帯します。修理の部品代が高額になるなどを考慮し、車両保険の適正金額は高く設定されることとなるでしょう。つまり高い金額で購入した車の車両保険は高くなります。保険料が高くなるひとつの要因です。

このような理屈で考えると軽自動車はどうでしょうか?車体がコンパクトでぶつかる可能性が低かったり、街乗りに適する車ですからスポーツカーや普通車に比べればリスクが少ないと考えられるでしょう。最近では軽自動車の価格も高くなってきていますが、軽自動車の高級車というのは耳にしませんので自動車の価格面でも保険料は安いと考えられます。

税負担が軽い

軽自動車税は自動車税とは異なり、市町村に収める税金です。軽自動車税は自家用自動車の場合が7,200円、貨物用の場合が4,000円と、自動車税と比較してもかなり安いことがわかります。税法の改正により2015年4月以降に軽自動車の新車を購入する場合は10,800円と税額が高くなりますが、それでも自動車税より負担が軽くなっています。

普通乗用車に比べて税額が安いことに加えて、重量税も1年あたり3,800円安くなっており、維持費が安いのが軽自動車のメリットです。現在の軽自動車は居住性が向上し、エンジン性能や環境性能も格段と良くなっていることから、人気が集まり登録台数も増加しています。

任意保険も安い

軽自動車の場合、自動車保険も割安な設定になっています。損害保険会社は自動車ごとに保険料率を定めていて、事故率なども勘案し保険料を決定しています。普通乗用車と大きく違うのは、車両料率が設定されていないことです。車両料率とは車の種類にしたがって保険料が変動する料率のことで、普通乗用車の場合、同じ排気量であってもタイプやモデルによって保険料が変わってきます。しかし軽自動車の場合には車両料率が無いため、すべて一律で保険料が設定されています。

普通乗用車に比べて割安な理由はそこにあります。保険料や税金などを含めてトータルコストが割安なのが軽自動車の強みです。軽自動車で自動車保険の申し込みをする場合は、普通乗用車と同じくノンフリート等級が適用されます。またイモビライザーやエコカー、安全装備などの基準を満たしていることで割引を受けることができ、割安な保険料で契約することができます。

また普通乗用車に乗っていた人が軽自動車に乗り換える場合、ノンフリート等級が引き継がれるため、割引率の高い契約者であれば、その分得する事になります。軽自動車にも車両保険を付帯することができます。現在の軽自動車は値段が普通乗用車並みのタイプが少なくないため、いざというときのために付帯する価値があります。