・治療費
・休職した分の費用
・慰謝料
・修理費
この4点を請求する事が出来る項目となっていて被害者が請求したい項目を選択してその合計金額を加害者に損害賠償請求する事が出来ます。被害者になると出費も多くなってしまうので請求出来るものは遠慮しないで請求しておいた方がいいでしょう。
Contents
交通事故の損害賠償請求権の時効はいつまで?
交通事故の損害賠償請求権の時効期間について
交通事故の損害賠償請求権は、その権利を行使できる時から、権利を行使しないまま、一定期間経過した場合には、時効により消滅します。すなわち、交通事故で被害を受けたにもかかわらず、その賠償金の請求ができなくなります。
一定期間の経過により権利が消滅することを消滅時効といいます。そして、その場合の一定の期間を消滅時効の時効期間といいます。この時効期間は、請求する相手方と、被害者や加害者の状況に応じて、さまざまに定められています。
加害者に対して損害賠償請求をする場合の時効期間
まず、加害者本人に対して損害賠償を請求する場合で、加害者が誰かわかっている場合には、交通事故による損害を受けた時から3年間、損害賠償の請求をしないと、損害賠償請求権は時効により消滅します。
同じく、加害者本人に対して損害賠償を請求する場合で、今度は、加害者が誰かわからない場合には、加害者が誰か分かってから3年間、損害賠償の請求をしないと、損害賠償請求権は時効により消滅します。ひき逃げ事件に巻き込まれた場合などが該当します。
保険会社に対して損害賠償請求する場合の時効期間
今度は、加害者が加入している保険会社に対して損害賠償金の請求をする場合には、交通事故による損害を受けた時から2年間、損害賠償の請求をしないと、損害賠償請求権は時効により消滅します。
なお、保険会社に対する損倍賠償請求権が2年間の消滅時効により消滅しても、加害者に対する損害賠償請求権が時効により消滅していなければ、加害者に対してその権利を行使できますから、最終的には、保険会社に賠償金の支払を求めることができます。
時効期間の特例について
なお、治療が長期化した場合、または、後遺症が発生した場合には、被害者の権利を保護するという観点から、時効期間の開始時期に関して、特例が設けられています。
たとえば、治療が長期化した場合には、主治医が治癒したまたは症状が固定化したと診断した日から、保険会社に対しては2年間、加害者に対しては3年間の時効期間が定められています。
一方、後遺症が発生した場合には、症状が固定して後遺障害が確定した日から、保険会社に対しては2年間、加害者に対しては3年間の時効期間が設けられています。
消滅時効の中断措置について
なお、時効期間の経過による損害賠償請求権の時効消滅は、時効中断措置をとれば回避できます。時効中断措置は、加害者や保険会社に対する請求、または、加害者や保険会社による承認の2種類あります。
まず、請求とは、加害者や保険会社に対して、損害賠償金の支払を求めることです。ただし、この請求は、請求後6ヶ月以内に裁判上の請求をしなければ、時効が完成してしまうので注意が必要です、一般的には、請求日が明示できるように、請求は内容証明郵便で行います。
承認とは、加害者や保険会社が被害者が損害賠償請求権を有することを承認することです。具体的には、時効中断の承認を求める文書を加害者や保険会社に送付し、加害者や保険会社から、被害者の損倍賠償請求権が存在することの承認書を取得して、これを行います。
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損害賠償を請求するタイミング
損害賠償の請求ができる原則的なタイミング
交通事故の被害者になった場合、通常は、受けた損害に対する賠償金を、加害者に対して請求できます。ただし、この賠償金の請求は、原則として、事故で受けたかがが治るなどして、賠償金の総額が決まるまでは請求できません。
賠償金額について、加害者と被害者の間で見解が相違し、裁判や示談交渉などで争いや調整をしている場合には、判決や示談成立により最終的な金額が定まるまで、損害賠償金の請求できません。
仮渡金制度について
しかし、最終的な賠償金額が定まるまで損害賠償の請求ができないとすると、被害者が、困る場合があります。そのため、自賠責保険では、仮渡金制度が設けられています。
この仮渡金制度は、交通事故で死亡した場合や事故によるケガのため11日以上入院した場合に利用できます。被害者の葬祭費、医療費、生活費について、死亡の場合は290万円、ケガの場合には、その程度に応じて40万円、20万円、5万円の仮渡金を請求できます。
なお、加害者が、被害者に対して、葬祭費や医療費、生活費など被害者が支払った費用を、賠償してくれる場合もあります。このような場合には、この自賠責保険による仮渡金の制度は利用できませんので、注意が必要です。
内払金制度について
また、自賠責保険にはありませんが、任意保険には内払金制度があります。これは、最終的な賠償額の確定の前に、当座の資金が必要となった場合に、被害者が、10万円を単位として、保険会社に賠償金の前払いを請求できるというものです。加害者が任意保険に加入していた場合には、被害者はこの制度が利用できます。
加害者による直接払いについて
なお、加害者に誠意がある場合、被害者の負担した入院費や生活費などを直接負担すると申し出でくる場合もあります。その場合には、最終的な損害賠償額が確定する前でも、支払いの都度、加害者に請求することができます。なお、加害者は、保険に加入していれば、被害者に支払った金額を、保険会社に請求することができます。
いずれにしても、損害賠償金の請求は、損害の総額が確定しなければ請求できないのが原則ですが、それ以前に、その一部を請求できる制度も複数ありますから、当座の資金が必要な場合には、それらの制度を利用することになります。
加害者が会社の車で事故を起こした場合には誰に損害賠償を請求する?
交通事故の加害者が、事故当時、会社の車を運転していた場合の賠償責任
交通事故の加害者が、会社の業務のために、会社の自動車を運転中、歩行者をはねるような交通事故はよくおこります。このような、加害者が会社の車で事故を起こした場合、その事故の被害者は誰に損害賠償をすればいいのでしょうか?
運行供用者の責任による使用者に対する損倍賠償の請求
自賠責法第3条では運行供用者についての規定が示されており。この規定の中で、自己のための自動車を運行の用に供するものが運行供用者になります。
自己のための自動車を運行の用に供するものは、その運行によって他人の生命または身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任じる。
自賠責法第3条
加害者が会社名義の車を運転中に事故を起こし、被害者を負傷などさせた場合には、事故の被害者は、自賠責法第3条の規定を利用して、運行供用者である会社に対して、損倍の賠償を請求できます。
ただし、事故車の所有者である会社が、加害者および会社に過失がないことを証明した場合、または、被害者に故意または過失があることを証明した場合、第三者に事故の責任があることを証明した場合、自動車の構造上の欠陥や機能障害がないことを証明した場合には、この運行供用者の責任は免除されますので、注意が必要です。
なお、この運用供用者の責任は、事故の加害者が、会社の業務以外の理由で、会社名義の車を運転中に起こした事故についても、適用されます。ですから、加害者が、私用で会社の車を運転中に起こした事故についても、会社は運用供用者の責任を負います。
民法715条による使用者に対する損害賠償請求
また、民法715条はでは次のように規定しています。
加害者が事故を起こした時の運転行為が、使用者の業務執行中になされたものである場合には、使用者は加害者とともにその事故の損倍を賠償する責任を負う。
民法715条
この規定にしたがって、加害者の交通事故が、会社の業務の執行中に起こされた場合には、使用者もその事故の責任を負うことになります。
この民法715条による使用者の責任は、会社の営業のために自動車を運転していたときに事故が起きたなど、運転行為が会社の業務執行に該当すれば、発生します。したがって、運行供用者の責任のように、事故車の名義が会社名義である必要はありません。
この民法上の責任は、会社の営業中の事故ではあるが、事故車の名義が第3者名義であった場合など、運行供用者としての会社の責任が問えない場合に、会社の責任を問うために利用されます。
ただし、使用者が、加害者である従業員の選任監督について相当の注意を払ったことを証明した時、または、相当の注意を払っても事故が生ずべきであったことを証明した場合には、使用者のこの責任は免除されますから、注意が必要です。
交通事故で加害者が死亡した場合は誰に損害賠償請求をする?
交通事故の加害者が死亡した場合の事故の損害賠償の請求先
交通事故の被害者となったものの、加害者が死亡してしまった場合があります。たとえば、加害者の自動車が、センターラインオーバーで、対向車線を走行していた被害者の自動車に衝突し、被害者が重傷を負い、加害者が死亡したとします。
このような交通事故の過失割合は、原則として、被害者0%加害者100%です。したがって、加害者側の損害は賠償されませんが、被害者側の損害は100%賠償されます。しかし、加害者はすでに死亡していますから、誰に損害の賠償を求めればいいのかという問題が残ります。
加害者が自賠責保険に加入していた場合
この場合、加害者が自賠責保険に加入していた場合、まず、自賠責保険の運営会社に対して、損害賠償の請求を行います。ただし、自賠責保険による損害賠償の対象となるのは、人身事故に限られます。物損事故の場合には、自賠責保険は対象外ですので、注意が必要です。
加害者が任意保険に加入していた場合
加害者が任意保険に加入していた場合には、その任意保険会社に対しても、損害賠償の請求ができます。ただし、任意保険は、自賠責保険の補償範囲を超える損害の補償が対象ですから、被害者の受けた損害の範囲が、自賠責保険の補償限度額の範囲であれば、任意保険から補償を受けることはできません。
また、加害者が任意保険に加入していた場合で、その加害者の保険に示談交渉付きのサービスが付いていた場合には、損害賠償の請求は、その保険会社の示談交渉の担当者に対して行うことになります。
なお、物損事故については、自賠責保険の対象外ですから、加害者が物損事故に関する賠償金の保険契約を結んでいた場合には、加害者が加入していた任意保険の保険会社から賠償金の支払を受けることができます。この場合には、その保険会社に賠償金を請求します。
加害者が自賠責保険にも任意保険にも加入していなかった場合
最後に、加害者が自賠責保険にも任意保険にも加入していなかった場合は、被害者は、加害者の相続人に損害の賠償を請求します。加害者の相続人とは、加害者の配偶者、子、父母、兄弟姉妹などのうちの一定の者です。
なお、相続人が複数いる場合には、各相続人は、その相続割合に応じて損害賠償債務を相続します。したがって、被害者は、各相続人に対して、その相続分に応じて賠償金を請求します。
なお、この原則は、加害者が自賠責保険には加入しているが、任意保険に加入していなかった場合で、被害者の受けた損害が、自賠責保険の補償範囲を超えた場合、その超えた分についても、適用されます。被害者は、超えた分を相続割合に応じて、各相続人に請求できます。
交通事故の加害者が未成年の場合には誰に損害賠償を請求する?
未成年者が事故を起こした場合、その責任を問えるかどうかを決める基準
未成年者の交通事故の責任については民法712条で以下のように規定しています。
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足る知能を備えていなかったときは、その行為について賠償する責任を負わない。
民法712条
この規定により、未成年者が交通事故の加害者となった場合でも、事故の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その責任が免除されます。なお、判例によると、この自己の行為の責任を弁識するにたる知能を備えるのは、10歳から12歳程度とされています。
未成年者に事故の責任を問える場合
ですから、未成年でも16才以上の者が原付自転車を運転中、歩行者をはねた場合や、18歳以上の者が自動車を運転中、歩行者をはねた場合には、その事故の責任は、未成年であっても、事故を起こした本人が負います。この場合には、事故の加害者本人に損害賠償を請求します。
ただし、現実的には、未成年が被害者に対する損害賠償金の支払いを負担することは困難です。したがって、事故車の名義がその親の名義であったり、事故車の維持費や取得費をその親が負担していた場合などには、親を運行供用者として、その親に対して、未成年の子が起こした事故の損害賠償責任を請求します。
また、たとえば、未成年者が無免許運転など危険な行為を繰り返しているにも関わらず、親がそれを放任している間に事故が起きたような場合には、その親に対して、不法行為責任を根拠に、事故の損害賠償を請求することが可能です。
さらに、未成年者が、アルバイトなどの会社の業務で車両を運転中、歩行者をはねたような場合には、未成年者を雇用していた会社に対して、未成年者が起こした事故の損害の賠償を請求することができます。
未成年者に事故の責任を問えない場合
一方、事故を起こして他人に傷害などを負わせた未成年者が、10歳~12歳未満で、自己の行為の責任を弁識するにたる知能を備えていなかったと判断された場合には、この損害の賠償の請求は、その子の法定監督人である親権者や未成年後見人に対して行います。
また、未成年者が責任無能力者に該当した一定の場合には、小中学校の教師など、未成年者の代理監督者なども、未成年者が引き起こした交通事故の責任を負うことになります。したがって、この場合には、事故の損害の賠償の請求は、小中学校の教師などに対して行います。
誰に対して損害賠償を請求できるのか?
自己の損害賠償は誰に請求するのか
他人の自動車による交通事故で損害を受けた被害者は、その損害の賠償を請求できます。原則としては、事故を起こした自動車の運転者に請求するのですが、事故にはさまざまなケースがあり、自己の関係者が複数いる場合には、誰に請求するかは複雑な問題になります。
事故の加害者が複数いる場合
まず、2台の車の衝突事故に巻き込まれて歩行者が負傷した事故について考えます。この場合には、歩行者は、衝突事故を起こした2台の車の運転者のどちらにも、損害の賠償を請求できます。
次に、道路の障害物を歩行者が避けようとして、後続の自動車に追突されて負傷した事故の場合、歩行者は、道路管理者である国や市町村などと、追突した自動車の双方に、その損害を請求できます。
また、会社の業務で運行していた自動車に歩行者がはねられた場合には、歩行者は、はねられた自動車の運転者と、その運転者が所属する会社の双方に、受けた被害の賠償を求めることができます。
友人の車を借りて運転中、歩行者をはねてしまう事故が起こった場合、この被害者である歩行者は、実際に車を運転していた者と、この者に車を貸していた者(運行供用者)の双方に、その損害の賠償を請求できます。
なお、事故の加害者が複数いる場合には、その複数いる加害者が共同で損害賠償責任を負います。よって、被害者は、加害者の1人に対して損害賠償額の全額を請求することもできるし、損害額の全額を加害者の人数で割った金額(負担分)のみ請求することもできます。このような加害者のことを共同不法行為者といいます。
加害者に自己の責任を問えない場合
未成年など責任無能力が無免許で自動車を運転し、歩行者をはねる事故が起こったとします。この事故の被害者である歩行者は、その責任無能力者を監督する義務を法律上負うものに対して、その損倍の賠償を求めることができます。たとえば、事故の加害者が未成年の場合には、その親に対して請求できます。
自動車の欠陥による事故の場合
たとえば、自動車の運転中、自動車の欠陥により、エンジンが火を吹いて、車が制御不能となり、電柱に衝突して怪我をした事故が起きたとします。この場合、この怪我をした運転者は、この車を製造した自動車メーカーに対して、損害の賠償を請求できます。
損害の賠償は保険会社に直接請求可能です
さて、今まで述べてきたいずれの場合にも、加害者が、自賠責保険や任意保険に加入したいた場合には、事故が各保険者の支払い要件を満たせば、加害者が本来支払うべき賠償金を保険者が代わって支払います。この場合には、自賠責保険の運営団体や各種保険会社に対して、被害者が直接、賠償を請求することができます。
なお、自動車の欠陥により、交通事故が起こった場合には、その被害者は、欠陥車を販売した自動車メーカーに対して、自己の損害の賠償を請求できます。
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損害賠償額を決定するための3つの基準
交通事故の被害者となった場合、民法上の不法行為に対する損害賠償請求権にもとづいて、賠償金を請求できます。この損害金を算定する際には、自賠責保険料の支払い基準、損害保険会社の支払い基準、日弁連の支払い基準と3つの基準があります。
自賠責保険の支払い基準
まず、自賠責保険料の支払い基準です。自賠責保険とは、自動車を運転するものが必ず加入を義務付けられる自動車保険です。この保険は、他人運転する自動車による交通事故で、ケガや障害を受けた、または死亡した場合に、その損害の最小限を保証します。
この自賠責保険の保険給付を受けられるのは、他人の自動車による交通事故で、ケガや障害を受けた、または死亡したなどの人身事故の場合に限られます。自分で電柱に衝突して怪我をした自損事故や、他人の自動車による事故でも物損事故の場合には、保険給付を受けられません。
補償金額は、ケガ(傷害)の場合には、最高120万円までです。また、死亡の場合は、最高3,000万円までです。後遺障害の場合には、傷害の等級に応じて75万円~3,000万円までです。自動車事故の損害賠償額を定める基準としては、もっとも低い基準となります。
各保険会社の支払い基準
次に各損害保険会社の支払い基準です。これは、任意保険とも呼ばれるもので、自賠責保険ではカバーしきれない被害者の損害を補償します。自賠責保険とは異なり、自損事故や物損事故による損害も補償の対象となります。
また、補償金額も、原則として、示談交渉により決定されますので、自賠責保険の支払い基準の金額よりは高くなります。しかし、裁判によって決定されるわけではありませんから、日弁連の支払い基準よりは低くなります。
日弁連の支払い基準
最後に日弁連の支払い基準です。これは、損害賠償の各項目について、過去の裁判などで認められた例に基づき、日本弁護士連合会が定めた基準です。一般的には、各保険会社が定めた基準よりも高額になります。
なお、この日弁連の基準を基にして、損害賠償額の見積もりをする場合には、裁判で争われた場合に認められた、比較的高額の基準である、ということに留意しなくてはなりません。
損害賠償の請求権を持っているのは誰か?
死亡事故の場合の損害賠償請求権者について
交通事故の被害者となった際に請求できる損害は、①積極損害②消極損害③慰謝料の3種類あります。被害者が生存している場合には、①②③とも被害者本人が請求するということで問題はありません。しかし、交通事故には死亡事故もあります。この場合には、誰が請求者となるのかが問題となります。
交通事故の被害者が、事故が原因で死亡した場合には、①②③の損害賠償請求権は、相続されます。したがって、この場合の損害賠償の請求者は相続人となります。なお、相続人が複数いる場合には、各相続人は、その相続割合に応じて、被相続人の有する損害賠償請求権を行使できます。
誰が相続人になれるのか
なお、相続人となることができるのは、死亡したものの配偶者、子(子が被相続人の死亡当時すでに死亡して場合には孫)、父母(父母が被相続人の死亡当時すでに死亡している場合には祖父母)、兄弟姉妹です。
被相続人に配偶者と子がある場合には、配偶者と子が相続人となります。被相続人に子がなく、配偶者と父母がある場合には、配偶者と父母が相続人となります。被相続人に、子、父母がなく、配偶者と兄弟姉妹がある場合、配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。
被相続人に配偶者がなく、子がいる場合には、子が相続人となります。被相続人に配偶者と子がなく、父母がいる場合には、父母が相続人となります。被相続人に配偶者、子、父母がなく、兄弟姉妹のみある場合には、兄弟姉妹が相続人となります。
なお、いずれの場合も、被相続人の死亡当時、すでに子が死亡していた場合でも、その子に子(被相続人から見れば孫)がいる場合、その子の子(孫)は、子と同一の相続上の身分を取得します。
また、同様に、被相続人の死亡当時、父母がすでに死亡していた場合でも、その父母の父母(被相続人から見れば祖父母)が生存している場合には、その祖父母は、父母と同様の相続上の地位を取得します。
なお、一部の相続人は、その相続分に応じて、被相続人の損害賠償請求権を行使できます。これに加えて、③の慰謝料に関して、被相続人の有する慰謝料請求権に加えて、相続人本人の慰謝料請求権も行使できます。
相続人固有の慰謝料請求権について
被害者の近親者の慰謝料の請求については、民法711条では以下のように規定しています。
他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者および子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
民法711条
この規定にもとづいて、交通事故で死亡した者の父母や配偶者および子は、近親者の死亡により受けた精神的苦痛に対する、本人固有の慰謝料を加害者に対して請求することができるのです。
被害者が請求できる損害賠償の内容は?
交通事故の被害者が請求できる損害賠償の範囲
交通事故の被害者は、故意または過失により、自己の権利を侵害されたわけですから、民法第709条の規定にしたがって、加害者に対して、事故によって受けた損害の賠償を請求できます。
なお、交通事故の被害者が、加害者に対して、賠償を請求できる事故の損害は、大きく分けて積極損害、消極損害、慰謝料3種類があります。
積極損害
まず積極損害とは、交通事故によって直接支払いを余儀なくされた費用、事故が起きなければ必要なかっただろう費用のことです。事故によって積極的に財産を失ってしまうことからこの名称が付けられました。
これには、たとえば次のような費用がが該当します。
- 交通事故で負傷した場合の治療費や入院費
- 交通事故で死亡した場合の葬祭費
- 事故により車が破壊された場合の修理費等
たとえば、被害者が死亡してしまった場合には葬儀を行うことになりますが、もし事故で死亡することがなければ葬儀の費用は必要なかったと考えられます。怪我をした場合も同じで、治療費や病院に通院する交通費などはやはり事故が起きなければ必要なかった費用ですので積極損害に該当します。
消極損害
消極損害とは、交通事故がなければ被害者が将来的に得られたであろう利益のことです。たとえば、
- 交通事故のため入院を余儀なくされた場合の賃金の減少分
- 交通事故で障害が残り、そのための生涯賃金の減収分
- 死亡した場合の生涯所得の減収分
- 車が休車となることによる収益の減少分
たとえば、被害者が自営業の場合は事故によって大怪我をしてしまえば仕事をすることができず、収入を得ることができません。この、本来得られるはずだったにも関わらず事故によって喪失してしまった利益が消極損害です。
慰謝料
慰謝料とは、事故により受けた怪我や後遺症、死亡などに対する精神的苦痛に対する補償金のことです。なお、死亡の場合には、相続人が、死亡したものに代わって、死亡した者が受けた慰謝料を請求します。
慰謝料には傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つがあり、それぞれ被害者本人、被害者自身が死亡している場合は被害者の法定相続人である遺族が請求をすることができます。
どのくらいの額を請求するのかは被害者やその遺族がある程度自由に決めることができますが、あまりにも高額になれば加害者側が支払うことができないため実際にはある程度の相場が設定されており、その範囲内で請求することになります。
最終的な損害額の定まり方について
事故が起きなければ得られたであろう収入を指す消極損害と合わせて財産的損害とも呼ばれ、損害賠償額を決める重要な要素になります。基本的に損害賠償額はこれら2つの財産的損害と精神的損害である慰謝料を合算して計算されます。
また、人身事故の場合も物損事故の場合も、訴訟になった場合には、これらに加えて、弁護士費用も請求できます。弁護士費用は、裁判で認められた賠償金額の1割程度といわれています。
なお、被害者が信号無視をしていたなどの過失がある場合には、その過失割合に応じて、被害者が請求できる賠償金額が減少します。たとえば、被害者と加害者の過失割合が30%70%であり、損害賠償金額が100万円であったとすると、被害者の請求できる賠償額は、30%減額されて70万円となります。