自動車保険の補償範囲説明に頻出する「同居の親族」とは?

自動車保険同居の親族

記事監修者紹介
ファイナンシャルプランナー髙橋洋子髙橋 陽子
日本生命保険相互会社にて3年半以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2019年4月より当メディアにて保険をはじめとする金融記事の監修を務める。

同居の親族とは

 自動車保険の保険証券を見ると、家族限定割引特約などの条項に、同居の親族に限るという文言が記載されている場合があります。自動車保険で定められている同居の親族とは、基本的に同じ家に住む法律上定められた親族を指します。

 親族とは法律上、親等が6以内の血族か、親等が3以内の姻族と定義されています。血族とは血のつながりのある家族で、自分の父、母、祖父、祖父母、子、孫などを指し、いとこやいとこの子どもなども血族に含まれます。姻族とは婚姻により親族となった人を指します。

 親族の定義を見ると、法律上かなり広い範囲で親族とみなされることがわかります。法律上の親族が同居している場合に、自動車保険で定められる親族とみなされ、補償が適用されることになります。極端な話としていとこやいとこの子どもも同居していれば、約款上親族とみなされ、補償の対象となります。

同居の定義

 自動車保険において同居とは基本的に同じ家に住むことを指します。一つ屋根の下という言葉で表されるように、同じ家に住む親族であれば同居の親族とみなされます。住民票の住所が違っても同じ建物に住んでいれば同居になるため、扶養関係などは関係ありません。しかし、同じ家であっても生活様式はさまざまで、2世帯住宅や同じ敷地内に離れを建てて、そこに家族や親族が住む場合もあります。

2世帯住宅の場合

 2世帯住宅の場合に同居とみなされるのは、建物内で行き来ができて台所やお風呂などの生活用設備を共同で使用する場合です。家族や親族で同じ設備を使用することが同居の条件になります。しかしながら、玄関が分かれていて、それぞれ別に生活上必要な設備が設置されている場合には同居とはみなされず、別居とされます。

離れで生活している場合

 子供部屋として、あるいは勉強部屋として離れを建てた場合も、その離れに台所やお風呂といった生活用設備が無く、母屋の設備を共用しているのであれば同居とみなされます。法律上の親族が離れに居住する場合にも、生活用設備を共用していれば同居の親族とみなされるのです。

集合住宅の場合

 アパートやマンションといった集合住宅のように、同じ建物に住んでいても各戸室の区分が明確であり、各戸室が個別の生活用設備を備えている場合は同居にならず、別居とみなされます。