自動車保険会社が倒産したらどうなる?

自動車保険会社倒産

記事監修者紹介
ファイナンシャルプランナー髙橋洋子髙橋 陽子
日本生命保険相互会社にて3年半以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2019年4月より当メディアにて保険をはじめとする金融記事の監修を務める。
自動車保険会社も一般企業ですから、倒産しないということはありません。不良債権が問題となった平成12年前後には、自動車保険会社でも倒産した会社が現実に存在しました。ですから、大手の自動車保険会社とはいえ、絶対に倒産しないとは言い切れないのであります。

倒産前後に無事故であればすみやかに新しい会社と契約するのがおススメ

さて、契約している自動車保険会社が破綻した場合、破たん前に交通事故などを起こしていなければ、すみやかに、新しい自動車会社と新規契約を締結した方がいいでしょう。手続きや費用の点で多少の犠牲は伴いますが、自動車の任意保険への加入は必須ですので、早めに健全な会社と契約を行います。

倒産前後に事故を起こした場合の対応

一方、契約している自動車会社の破たんの前後に保険給付が必要となる事故を起こしている場合には、事情は少々複雑です。一応は、破たん会社の契約は、損害保険契約者保護機構が引き継ぎますから、保険会社の破たんによって、事故の補償が受けられなくなるということはありません。

しかし、損害保険契約者保護機構により保険金の支払いは、事故後3ヵ月以内であれば、従前の契約の100%の金額が支払われますが、事故後3ヵ月を経過すると、従前の契約の80%の金額がしか支払われなくなります。

ですから、契約している自動車会社の破たんの前後に事故を起こしている場合には、大至急、保険給付に関する手続きを行う必要があります。あるいは、事故の保険給付の100%を引きついでくれる自動車保険会社があれば、その保険会社と契約する方法もあります。

解約返戻金は戻ってくるのか

ところで、自動車会社が破綻すれば、その会社との保険契約は解約するのですが、その際に、解約返戻金は戻ってくるのでしょうか?答えは、会社が倒産しているので、解約返戻金はほとんど戻ってこないのが現実のようです。

ただし、契約金返戻の業務も損害補償契約者保護機構に引き継がれますから、解約返戻金を機構が支払う場合もあります。ただし、その場合でも解約返戻金の全額が支払われるわけではなく、支払われる金額は全体の80%となっています。