保険金請求の時効は?
自動車保険の保険金請求には時効がある
交通事故による補償は示談成立後に提供されることで、補償が完了します。ほとんどのケースでは交通事故の後すぐに保険請求手続きに入りますが、なんらかの事情で自動車保険の保険請求を行なわない場合、時効に注意する必要があります。保険金請求の時効は法律で定められており、保険金請求権を持つすべての人が対象になります。
自賠責保険、任意保険ともに時効は3年
保険法第95条では、保険請求の消滅時効に関する条項が設けられています。この法律によると、保険給付を請求する権利は3年間行なわない場合、時効により消滅することが定められています。交通事故に遭い、その時は保険を請求する必要を感じなかったものの、後になって自動車保険に対して、保険を請求する必要が生じた場合には注意が必要です。
保険金請求は自賠責保険、任意保険ともに共通して3年の事項が設けられています。保険金請求の時効を迎えないためには、交通事故に遭った場合すぐに保険金請求手続きを取ることが大切です。小さな事故であっても、警察に届け出を行うようにしてください。
事故にあったら早めに治療を
警察に届け出をしておけば、その場では目立った外傷がなく、治療の必要がないと感じられた場合でも、後になって体の痛みを感じたりした時に保険金請求ができます。ただし前述のとおり事項がありますから、早めに病院で検査を受けることをオススメします。
早めに検査する必要があるのは、事故後しばらくして体の痛みなどを感じ病院で治療を受けた場合、痛みの因果関係が交通事故に起因するものかどうかがわからないケースがあるからです。この場合、保険金請求ができなくなる可能性もあります。
3年間の時効について、いつから算定すべきかについては明確な規定がありません。そのためどの時点を起点とするかは保険会社の判断ということになってしまいます。保険金請求を行なう人の都合で時効の起算日を指定することができないことも知っておくと、保険金請求ができなくなるという事態を避ける事ができます。
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自賠責保険の仮渡金と内払金
自賠責保険の仮渡金と内払金とは
交通事故による被害を被った場合、被害者は治療費や休業補償などの補償を、自賠責保険を優先して受け取ることになります。自賠責保険による保険金の支払いには時間がかかるため、被害者が補償を受けるまでは実費を支払う必要が出てきます。
自賠責保険は交通事故被害者救済のために設けられた自動車保険制度ですから、交通事故の被害者に不利が生じることがないように、仮渡金制度が設けられています。かつては内払金制度がありましたが、この制度については廃止されました。内払金制度は治療が長期に渡った場合、治療費を前もって請求できる制度のことですが、任意保険の普及にあわせて、平成20年以降、仮渡金に一本化されました。
仮渡金の概要
仮渡金は交通事故の被害者がケガをしたり死亡してしまったりした場合に一時的に受け取ることができる当座の費用のことを指します。ケガの場合は状況に合わせて段階的に仮渡金が支払われます。ケガの程度により額は異なりますが、保険金が支払われるまでに必要とされる額の補償を受けることができます。
死亡の場合は一律290万円が支払われます。葬祭費用などに必要とされる金額を一時払いすることで被害者の家族の経済的負担を軽減させることが目的です。示談が成立することで、死亡保険金が全額支払われます。
仮渡金の請求方法
仮渡金を受け取るには、被害者側が自賠責保険を提供する保険会社に請求を行ないます。その際には保険会社から送られてくる仮渡金支払請求書や、交通事故証明書、診断書もしくは死亡診断書、印鑑証明書、委任状などの書類をすべて揃えて保険会社に返送します。
必要な書類が保険会社に届けられると、仮渡金の支払い手続きが行なわれ、即座に一時金が指定の口座に振り込まれます。仮渡金の請求をした後に、保険金が支払われる場合、仮渡金の保険金額が差し引かれて支払われることになります。仮渡金は一事故あたり、一度限り請求できます。
任意保険の請求手続き
任意保険の請求手続きは簡単
交通事故を起こしてしまった場合や、遭ってしまった場合、加害者側の任意保険と自分が加入している任意保険から補償を受けることができます。損害賠償や治療費、慰謝料などは任意保険により支払われることになりますが、被害者、加害者の補償の際にはほとんどの場合、手続きが簡便化されています。
交通事故を起こした場合の請求
交通事故で加害者になった場合の事例を考えてみると、被害者のケガの治療や物損をしてしまった場合の損害は、自動車保険を提供する保険会社の担当者により手続きが進められます。ケガの治療については、対人賠償責任保険から支払われることになります。相手への慰謝料や死亡させてしまった場合の死亡保険金については、示談の成立を待つ必要があります。
任意保険の場合、示談交渉は保険会社の担当者により進められ、加害者側が深く関与することはありませんが、示談交渉をスムーズに進めるために、お詫びの気持ちを表すのは大切です。示談が成立すると、被害者側に保険金が支払われ、加害者側には支払われた保険金の額についての通知が届きます。
治療にかかった費用や、物損の場合の原状回復費用請求は領収書や見積書の添付が必要になります。加害者側のケガの治療費や、車の修理費用も同様です。加害者側が自分の車を車両保険で修理する場合には、修理工場に任意保険の請求手続きを代行してもらうことができます。
車両保険による補償を受ける場合
全損扱いとなった場合には、車両保険から保険金を満額受け取るか、実費を追加して修理するかを選ぶことができます。保険金を受け取る場合には振込口座の指定が必要になります。所定の届けで用紙に必要事項を記入して届出を行ないます。
事故で帰宅困難になった場合、特約の付加状況によっては帰宅費用についての補償を受けることができます。その場合実費による立替を行ない、その後保険会社に請求を行うことになります。所定の請求書が送付されますので、必要事項を記入して保険会社に提出し、自動車保険の請求手続きが完了します。
自賠責保険の請求手続き
自賠責保険の請求手続きとは
自賠責保険とは車の所有者すべてが加入しなければならない強制保険で、自動車保険の一つです。交通事故で相手にケガを負わせたり、相手が死亡したりしてしまった場合には自賠責保険からの補償が優先されます。自賠責保険の請求手続きには2とおりあります。それは加害者請求と被害者請求です。
加害者請求とは
加害者請求は契約する自賠責保険の取扱保険会社に、保険金の請求手続きを行なう方法を指します。加害者請求を行なうには、被害者との示談が成立している必要があります。つまり損害賠償が確定し、倍賞をし終えた時に加害者請求手続きを踏むことで、加害者側に対して保険金が支払われることになります。
被害者がケガをした場合や死亡した場合、賠償金はそれぞれ異なりますが、支払った賠償額の実費に対して自賠責保険から加害者側に保険金が支払われるため、加害者側は一旦自己負担をすることが必要になります。任意保険との違いは、自己負担をした後に、負担分を請求するという点です。
しかし加害者側が賠償金を支払うことができない場合もあります。死亡させてしまった場合には賠償金が自賠責保険の金額の上限をはるかに上回る額になる可能性もありますし、ケガの治療のために、高額な治療費が発生する場合さえあります。
被害者請求とは
この場合に選択できるのが被害者請求です。これは被害者側が保険会社に直接保険金の請求を行なう制度のことです。自賠責保険は被害者救済のために定められた保険制度ですから、被害者側が請求できるようにすることで、賠償請求をスムーズに進めさせることが可能になっています。
具体的な手続き方法
どちらの請求方法とも、保険会社に対して請求手続きを依頼することになります。依頼を受けた保険会社は所定の請求手続き書類を送付します。必要事項を記入し、領収書などの添付を行なうことで請求手続きが完了します。保険金は手続き書類が保険会社に到着後、支払われることになります。
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保険料が支払われない場合
保険料が支払われない場合とは
自動車保険は、契約している被保険自動車が事故を起こしたり、損害を被ったりした場合に補償が提供されます。しかし、ある条件のもとでは保険料が支払われない免責事由が設けられています。これは、損害保険会社が不当な仕方で保険料を支払うことが無いようにするための措置です。
自動車保険の免責事由とは、補償が適用されない場合のことを指します。車を運転中に事故を起こし、免責事由に該当する行為が明らかになった場合、保険料の支払いは行なわれませんし、場合によっては相手に対する損害賠償責任をすべて自分が負うことにもなります。それに伴う経済的損失は計り知れず、人生を大きく左右する可能性さえあります。
具体的な免責事由
免責事由に該当する条件に、運転者の限定事項の違反があります。これは年齢条件を指定した場合に、年齢条件に適合しない人が車を運転し、事故を起こすケースに当てはまります。たとえば30歳未満不担保契約で29歳の方が車を運転した場合、免責事由に当てはまり、保険料は支払われません。
自動車保険の免責事由には他に飲酒運転があります。飲酒運転により事故を起こした場合も保険料の支払いは行なわれません。しかしながら被害者保護の観点から、被害者に対しては保険料が支払われる場合もあります。だからといって飲酒運転をしてもよいというわけではありません。
無免許運転や、薬物を使用して運転した場合も免責事由に該当します。飲酒運転と同様、補償を受けることができなくなるため、経済的に大きな損失を被ることになります。無免許運転には免許停止期間中の事故も含まれます。自分を過信せず、なんらかの社会的な制裁を受けた場合にはそれに従うことが大切です。
車両保険の免責事由
自動車保険の車両保険にも免責事由があります。地震や津波による被害は車両保険で補償することができません。仮に地震や津波により車に損害を受けた場合、補償を受けるためには地震津波特約などの補償を別途付帯する必要があります。
保険金請求手続きに必要な書類一覧
保険金請求で必要な書類とは
事故を起こしてしまったり、事故にあってしまったりした場合に、自動車保険の保険金請求をすることになりますが、利用することになる保険の種類によって必要証類が異なります。補償を速やかに受けるためにも、必要書類を事前に用意しておくのは大切です。
保険金請求には交通事故証明書が必要
自動車保険の保険金請求の際に必要な書類には、大きく分けて9つの書類があります。車両保険、対物賠償責任保険、対人賠償責任保険、人身傷害保険、搭乗者傷害保険それぞれに共通して必要となる書類が交通事故証明書です。
交通事故証明書の取り付けは民間の損保の場合、保険会社が代行してくれます。共済の場合には、自分で警察署や交番に出向いて交付してもらう事が必要になるケースも有ります。交通事故証明書を交付してもらうためにも、事故を起こしたなら速やかに警察に届け出てください。
その他の必要書類
共通して必要となる書類に、保険金請求書があります。保険金は被保険者が保険会社に請求するものですから、請求がなければ保険金は支払われません。保険金請求の際には必ず保険金請求書を提出してください。
被害者への保険金支払については、示談書の発行が必要になる場合があります。ただし、ほとんどの保険会社では示談を代行してくれるため、自分で用意する必要はほどんどありません。自損事故や交通事故で車両保険から補償を受ける場合には、修理工場の修理費見積書や事故車両の写真が必要になります。
被害者がケガをしたり、万が一死亡したりした場合や、ドライバーや同乗者がケガをしたり、死亡したりした場合の保険金請求には医師による診断書が必要になります。またケガの治療費や入院費の明細がわかるように、診療報酬明細書が必要になる場合もあります。
ケガの治療などで被害者や加害者が仕事に行けなくなった場合の休業補償を行なうために、休業損害証明書の発行が求められます。証明書は保険会社が定めるもの、もしくは、勤務先が作成したもののいずれかになります。