自動車保険見直しのベストタイミングはいつ?

自動車保険見直しタイミング

自動車保険の契約には時折、見直しすることの必要性を感じる方もおられると思います。しかし、どのタイミングで見直しをしたら良いのだろう?と思いますね。見直しにもってこいの時期があります。契約更新時、新車購入時、自動車を共有する運転手が増えたり減ったりしたとき、通勤で乗らなくなったとき、ゴールド免許になったときなどです。またさらに、妻の妊娠出産をきっかけに考えることもできます。子供の誕生で車を買い替えたり、送迎に使うようになったり、妻が運転を当分しないなど、生活のスタイルが多少でも変わるときには、保険の見直しをするタイミングといえます。
記事監修者紹介
ファイナンシャルプランナー髙橋洋子髙橋 陽子
日本生命保険相互会社にて3年半以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2019年4月より当メディアにて保険をはじめとする金融記事の監修を務める。

車の買い替え時は自動車保険見直しのチャンス!

自動車保険の見直しは、普段はなかなか行いません。最初に契約した保険内容が、そのまま何年も続くというケースがほとんどです。しかし、車の買い替え時は、自動車保険見直しの絶好のチャンスなので、その機会を逃さず、ぜひ、保険の見直しを検討してみましょう。

何故車の買い替え時期が自動車保険の見直しのチャンスになるか

車を買い替える際には、前の車にかけていた自動車任意保険の契約車両を、前の車から、買い替え後に新しく乗る車に変更する手続きが必要です。そのために、新しい車の車検証や、前の車にかけていた自動車保険の保険証書などを用意しなくてはなりません。保険会社の担当者と電話でやり取りをする必要あります。

車検証や自動車保険証書が揃ったり、自動車保険会社の担当者と話をすることは、そんなに多くはありません。というよりは、事故でもない限り、普段は、車検証や自動車保険証書を揃えたり、保管会社の担当者と話をすることはありません。

買い替えの時期は、普段はめったに起こらないことが起こります。車検証や自動車保険証が手元にあり、保険会社の担当者とやり取りをする機会を利用すれば、簡単に、今までかけていた自動車保険契約の変更(見直し)を行うことができます。それで、車の買い替え時期は自動車保険の見直しの絶好のチャンスとなります。

保険の見直しの方法には2種類ある

保険の見直しには2つの方法があります。

  • 契約している自動車保険会社を変えずに、保険に付帯する特約のみ変更する方法
  • 契約している自動車保険会社を変更し、新しい車は前の車とは別の保険会社と契約する方法

前の車にかけていた自動車保険契約の内容に大きな不満はなく、また、その保険会社が提供する自動車保険のメニューに、自分が新車に付けたいと思う特約が存在するといったような場合には、契約する保険会社を変更しないで保険契約の見直しを行うことになります。

一方、保険料が割高だとか、自分が理想とする自動車事故の補償が実現できないなど、前の車にかけていた自動車保険契約の内容に大きな不満がある場合には、前の車にかけていた自動車保険会社のとの契約は解約し、新車は別の自動車保険会社と契約するという形の保険の見直しを行うことになります。

契約する自動車保険会社を変えた場合には、前の契約のノンフリート等級が初回契約の際に適用される6等級に引き下げられるかもしれない、と心配される方もいらっしゃるでしょうが、保険会社を変えても、前の契約で適用されていたノンフリート等級は、そのまま新しい会社での契約に引き継がれるので、この点は安心できます。

自動車保険見直しにはどんなものがあるか

車の買い替えの際の自動車保険の見直しにはどんなものがあるかというと、たとえば、家族限定特約を付帯している保険契約者の方の別居している20歳以下の未婚の子が結婚し、家族の全員が35歳以上となったので、運転者年齢条件特約の年齢を20歳以下から35歳以上に引き上げるというものがあります。

対物超過修理費用特約は、交通事故によるトラブルを防ぐためにはぜひとも付帯しておきたい特約の1つですが、意外にこの特約を付ける契約者は少なくなっています。そこで、車の買い替えの際の保険の見直しのポイントとして、この特約を付帯することもあげられます。

最近は自転車の運転中に歩行所をはねてしまい、歩行者を死亡させたり、重度障害を負わせたりする事故が頻発しますが、個人賠償責任保険に加入しておくと、そういった事故を起こしてしまった際に、相手側に支払うべき損害賠償金として、保険金の支払いを受けることができます。

個人賠償責任保険は、この他、子供が物を壊したり、飼い犬が他人を負傷した場合等、個人が損害賠償金を支払う必要があるケースの大部分を補償してくれるので、非常にメリットの多い保険ですが、自動車保険の特約として契約することもできるので、保険の見直しの際に、この保険を特約として付帯することも可能です。

車買い替えの際の保険見直しには一括見積もりサイトの活用が便利

車の買い替えの際の保険の見直しの際には、インターネット上の自動車保険の一括見積もりサイトの活用が有効です。これを利用すれば、画面から必要な情報を入力することで、非常に簡単に、複数の保険会社の自動車保険契約の料金を見積りをとることができます。

一括見積を利用しない場合には、保険の見直しを考えるときには、保険会社1社ごとに、電話などで担当者に契約したい自動車保険の内容を伝え、その契約の保険料を教えてもらう必要がありますが、一括見積もりサイトだと、1回の入力で数社の自動車保険の見積もりが瞬間的に取れるので、大幅に手間が省けます。

自動車保険の契約申し込みの手続きもインターネットから可能なので、一括見積もりサイトを活用して契約したい自動車保険会社を決めたら、その会社のサイトから契約の申し込みを行うこともできます。

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保険料を安くするための自動車保険の見直しのポイント

免許更新時の見直しの注意点

自動車運転免許の更新時は、自動車保険の見直しのポイントの1つと考えられます。この免許更新時に自動車保険を見直す際に注意すべき点は、更新後に交付される運転免許がゴールド免許であるかどうかです。

たいていの自動車保険会社では、ゴールド免許の保有者に対して一定の保険料の割引を行っています。ですから、前回の免許更新の時から無事故・無違反で更新時期を向かえたような場合には、ゴールド免許が交付されます。

ゴールド免許が交付されれば、それを自動車保険会社に申告することによって、保険契約の更新の際に、より安い保険料で次の契約を結ぶことが可能になります。ですから、免許更新の際にゴールド免許が交付されるかどうかは、自動車保険料の見直しの際に注意すべき事項となります。

各種保険の見直し

なお、保険料を安くするために自動車保険を見直す場合には、対人、対物、人身傷害、搭乗者傷害などの各種保険の賠償金額を適正な水準に設定することも重要です。交通事故の加害者になった場合に、被害者に対する賠償金を補償する対人補償や対物補償は、無制限としておく方が無難です。

しかし、保険をかけている車に乗っている人の補償である人身傷害補償や搭乗者傷害補償は、交通事故の被害者になった場合に、加害者の加入している自動車保険から賠償金が支払われることもあり、補償金額の上限金額を引き下げても大きな不利益を被らないともいえます。

また、人身傷害補償と搭乗者傷害補償は、どちらも保険をかけている車に乗っている人の補償であるため、人身傷害補償に加入していれば、保険をかけている人に対する補償は十分であるとも考えることができます。

ですから、保険料を安くするために自動車保険を見直す場合には、まず、人身傷害補償の賠償金額の上限額を引き下げることと、搭乗者傷害補償を外すか、こちらも、賠償金額の上限を引き下げることを検討します。

各種条件の見直し

ところで、たいていの自動車保険会社では、補償対象者の年齢、走行目的、走行距離、運転者の限定条件などより、異なる料金設定をしています。

年齢条件

たとえば、自動車を運転する方が全員35歳以上であれば、年齢条件を35歳以上として契約をすれば、年齢条件を全年齢対象とするよりも、保険料を安くすることができます。

運転者条件

保険をかける自動車を運転する方が、契約者の家族のみの場合には、家族限定の条件を付けて保険契約をすれば、家族限定条件を付けない場合より、保険料を節約できます。

使用目的

また、通勤、レジャーおよび買い物、子供や高齢者の送迎など、車の使用目的に応じて保険料を設定している自動車保険に加入している場合には、車の使用目的を申告することにより、保険料を安くできる場合もあります。

年間走行距離

さらに、最近の自動車保険会社は、契約自動車の年間の予想走行距離に応じて保険料を設定しているところも多くなってきました。特に、週末のレジャーや買い物ののみに自動車を使用するような方の場合には、年間走行距離をたとえば5,000㎞以下として契約を結ぶと、保険料を節約できます。

車両保険の見直し

車両保険も、保険料を安くするために自動車保険を見直す際には重要なポイントとなります。

車両保険のタイプの切り替え

車両保険には、一般型とエコノミー型があります。一般型とは、自損事故、いたずら、自然災害、他車との接触事故など、広範囲な原因による契約車両の損傷を補償する保険です。

一方、エコノミー型とは、契約車両を損壊させた相手が自動車または2輪車であり、かつ、相手方が特定されている場合のみに、保険金を支払うというような内容の車両保険のことです。

高級車かつ新車の場合には、一般型の車両保険に加入する必要性は高いですが、それ以外の場合には、エコノミー型の車両保険で十分だと考えることができます。さらに、経過年数の多い自動車の場合には、車両保険を付ける必要性が非常に低い場合もあります。

ですから、保険料を安くするために自動車保険を見直す場合には、契約車両の状態に応じて、契約している車両保険が適切かどうかを判断し、場合によっては、車両保険を一般型からエコノミー型に切り替えるだとか、車両保険自体を外すなどの対策をとります。

免責金額の設定

なお、車両保険には免責額を設定することができます。免責額とは、自己負担額のことで、事故による契約自動車の修理費等が免責額を超える場合にのみ、車両保険から保険金が支払われるというものです。

車両保険にこの免責額を設定すると、保険料を引き下げることができます。車両事故に備えて一定の貯金があるような場合には、この方法を使えば、保険料を安くすることができます。

保険の見直しの際には慎重な検討が必要

自動車保険にはさまざまな保険が含まれています。保険の種類によっては補償内容が重複するものもあります。補償内容が重複する保険に加入していると、保険料がムダになります。ですから、各種の保険の補償内容を十分に検討し、重複するものがあれば、片方の保険を外す必要があります。

ただし、保険料を安くするために、必要な保険までも外すのは考えものです。万が一の事故の際に、保険料を安くするために必要な保険まで外していたために十分な補償を受けられなかったというのであれば、本末転倒となります。

ですから、保険料を安くするために自動車保険を見直す際には、見直しの対象となる各種の保険の補償内容を十分に検討し、必要性の低いもののみを契約から外していくなり、契約のグレードを引き下げたりすることが、重要となります。
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妻の妊娠・出産をきっかけに自動車保険を見直す

妻の妊娠や出産をきっかけに家族のライフスタイルに大きな変化が生じます。子供の送迎が必要になったり、家族が増えることを見越して軽自動車からミニバンに買い換えることもあるでしょう。ライフスタイルの変化に応じて自動車保険も見直していく必要があります。

子供の誕生を機に自家用車をミニバンに買い換える場合

妻の出産を機に、家族が増えることを見越して乗用車をミニバンに買い換えたという方もおられると思います。その場合、自動車保険の条件を上手に使うことにより、保険料を大きく節約できる場合があります。たとえば、妻は軽自動車を運転しており、割引率の高いノンフリート等級で保険契約をしていたとします。一方、夫が運転する普通自動車は、平均的な割引率のノンフリート等級で保険契約をしていたとします。

一般的には、妻と夫の保険契約を入れ替えることはできません。しかし、新車購入時や車を手放したり廃車にした場合は、同居の配偶者や親族間で保険契約を入れ替えることが可能になります。ですから、妻の出産を機にミニバンを購入した際には、妻が加入している自動車保険をミニバンの自動車保険とし、夫が加入している自動車保険を妻の軽自動車の自動車保険とするといった、保険契約車両の入れ替えを行うことができます。

こうすれば、ミニバンには割引率の高いノンフリート等級が適用されるため、保険料が割安になります。一方、妻の軽自動車には割引率の低いノンフリート等級が適用されることになります。しかし、契約車両が軽自動車ですから、基本保険料が低いため、ノンフリート等級の低下に伴う保険料の増額は少しで済みます。

基本料金の高いミニバンの保険料を大きく割引くことによって、妻と夫で支払う自動車保険の総額を大きく減少させることができます。なお、この保険の入れ替えを行う場合、妻の加入する自動車保険の記名被保険者を夫に、夫の加入する自動車保険の記名被保険者を妻にする必要があります。

自動車を子供の送迎に利用するようになった場合

また、幼稚園や保育園への子供の送迎により自動車を使用する機会が増えることもあるでしょう。このような場合、年間予想走行距離に応じて自動車保険契約をしている場合には、年間予想走行距離の増加による契約条件の見直しの必要が生じます。

また、保険契約車両の使用用途により保険料が変化する保険契約を締結している場合には、使用用途の変更手続きを行う必要が生じます。日常的な使用用途には「通勤・通学」と「日常・レジャー」とがありますが、子供の送迎は「通勤・通学」に分類されることが多いようです。保険会社によって判断が分かれるところなので、確認しておく必要があります。

これまで使用用途を「日常・レジャー」としていたものを「通勤・通学」に変更すると保険料が高めになってしまいますが、万が一の事故に備えて補償を充実させる必要がありますから、省略してはならない事項です。

妻が妊娠・出産を機に自動車を運転しなくなる場合

最後に、妊娠や出産を機に妻が自動車の運転をしなくなることもよくあります。このような場合、夫と妻で1台の車を共用していれば、運転者限定条件を「家族限定」から「本人限定」に変更することにより、保険料を節約できる場合があります。

いずれにしても、妻が妊娠や出産をすれば、家族環境は大きく変わります。それに合わせて自動車保険の条件を変更する必要が生じることも多くなります。新しい家族環境に最適な保険契約の条件を見つけて、その条件で自動車保険契約を締結することが重要となります。
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シニア世代が備えておきたい自動車保険

シニア世代が行うべき保険料の見直し

高齢者の交通事故の増加により、高齢者の加入する自動車保険の保険料は随分高くなってきております。また、これから退職なさる方の場合には、退職後はライフステージが大きく変わるため、家計や保険の見直しが必要になります。その際に、自動車保険の見直しも同時に行っておくべきです。

年間予想走行距離を見直す

まず、高齢者の方の自動車保険の見直しのポイントとしては、年間予想走行距離を見直すことがあげられます。最近は年間予想走行距離に基いて保険料を設定する自動車保険会社が増えてまいりました。

会社を退職すると年間予想走行距離が大きく減少するという方もおられると思います。そのような方の場合には、より短い年間予想走行距離で自動車保険を契約し直すと、保険料を節約できる場合があります。

運転者限定条件や年齢限定条件を見直す

次に、シニア世代の保険料の見直しのポイントとしては、年齢限定条件の見直しがあります。家族全員が契約車両を運転するからといって年齢限定条件を「全年齢補償」に設定していることはないでしょうか。

シニア世代の夫婦以外に契約自動車を運転する者がいないのに、「全年齢補償」の条件を設定していれば、保険料を大損します。また、同居の孫が車を運転するのでその孫に合わせて年齢限定条件を設定している場合、孫の成長に合わせて適切に年齢条件を変更する必要があります。

たとえば、孫が26歳に達しているのに、年齢条件の見直しを忘れて「21歳以上補償」にしている場合、保険料を損しています。孫の年齢に合わせた「26歳以上補償」に変更することで、ムダな保険料の支払いをしなくて済みます。

また、同居かつ契約車両を運転していた孫が大学進学などで別居したとします。その場合、別居した孫は年齢限定条件の対象から外れます。それにもかかわらず、孫に合わせて設定していた年齢限定条件を変更しないと、ムダな保険料の支払いが生じます。このような場合も、保険を見直して適切な年齢条件に変更すべきです。

車両保険に免責額を設ける

最後に、高齢者の保険契約の見直しのポイントとしては、車両保険に免責金額を付けることが考えられます。最近のノンフリート制度の改正により、事故を起こしても等級がダウンしない「等級据置事故」が廃止されるなど、少額の車両事故であれば自費修理の方が経済的になる変化が生じました。

その為、車両保険も、大きな事故の場合は車両保険を使い、小さな事故の場合には、自腹で修理するという方が増えつつあります。そのような場合、車両保険に免責金額を設定することが合理的となります。

車両保険に免責金額を設定すれば、保険料が節約できます。ノンフリート制度の改正により免責金額の設定がより合理的になりました。高齢者になると自動車保険料が上がりますから、その上昇分を車両保険に免責額を設けることによる保険料の節約で相殺するというのも、一つの方法です。
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保険スクエアbang

子供が一人暮らしを始めたタイミングで自動車保険を見直す

子供が一人暮らしを始めたら自動車保険の見直しが必要

子供が一人暮らしを始めた際は、自動車保険を見直すタイミングとなります。たとえば、今まで親の自動車を運転していた子供が、転勤や進学などで親と別居するようになったとします。この場合には、自動車保険の年齢条件と運転者条件を見直すことで保険料を節約できる場合があります。

同居している子供が親の自動車を共用して運転する場合、親が加入している自動車保険には、子供特約を付けるか、「運転者限定条件」を「家族限定」に設定し、「年齢限定条件」を子供の年齢に応じて「21歳以上補償」や「全年齢補償」に設定します。

どちらにしても、若年者である子供を保険に加えると保険料は高くなります。親の自動車保険の対象となっている子が、大学進学や就職などで親から離れて一人暮らしを始めたとします。

子供が一人暮らしを始めると保険料を節約できるのはなぜ

ところで、自動車保険を契約する際には多くの方が、「運転者限定条件」を「家族限定」に設定して契約します。「家族限定」条件を設定すると、次の範囲が補償の対象となります

  • 記名被保険者(主として運転する者)
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者または配偶者の同居の親族
  • 記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子

今まで同居していた子供(未婚に限る)が、進学や就職のために別居するようになった場合、以前は「記名被保険者または配偶者の同居の親族」に該当して親の自動車保険の対象となっていた者が、別居後は、「記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子」に該当することで親の自動車保険の対象となります。

さて、自動車保険には、主要な契約条件として「運転者限定条件」の他に「年齢限定条件」があります。これは、その年齢条件に該当する者のみ保険の対象とするという条件です。

同居の子供が親の自動車を運転する場合、この「年齢限定条件」を子供の年齢に合わせて「全年齢補償」や「21歳以上補償」などに設定しておかないと、子供は自動車保険の補償の対象にはなりません。

ただし、この「年齢限定条件」の対象者は、「運転者限定条件」を「家族限定」にしていた場合の補償対象者のうち以下に限定されます。

  • 記名被保険者(主として運転する者)
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者または配偶者の同居の親族

そのため、「記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子」は、「年齢限定条件」の対象者から外れます。

言い換えると、「未婚の別居の子」に該当する場合には、親の保険が設定した「年齢限定条件」の制約を受けず、親の自動車を運転して事故を起こした場合には、何歳であっても親が加入している自動車保険から補償を受けることができます。

子供が一人暮らしをした際に保険料を節約する方法

自動車保険にはこのような仕組みがあります。よって、今まで同居していた子供が就職やや進学で別居するようになった場合には、まず、子供特約を外すか、年齢限定条件を「全年齢補償」や「21歳以上補償」から、親の年代に合わせた「35歳以上補償」などに変更します。

「運転者限定条件」は「家族限定」のままにしておきます。こうしておけば、別居の子供が実家に帰った際に親の自動車を運転して事故を起こした場合でも、補償を受けることができます。また、同時に自動車保険料も節約することができるのです。
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子供が結婚して別世帯になったタイミングで自動車保険を見直す

子供が結婚して別世帯となったら自動車保険を見直すタイミング

子供が結婚して別世帯となった際は、保険料を見直すタイミングとなります。というのは、自動車保険における家族とは、記名被保険者(主として運転される方)とその配偶者、記名被保険者またはその配偶者の同居の親族、記名被保険者またはその配偶者の未婚の子、と定義されています。

子供が結婚して親(記名被保険者)とは別世帯となれば、自動車保険の上で定義される家族ではなくなります。そのために、自動車保険の見直しが必要になるわけです。

運転者限定条件の見直し

子供が結婚して別世帯になった場合、その子供が実家に帰った時に親の自動車をまったく運転しないというのであれば問題はないのですが、少しでも親の自動車を運転する可能性があれば、保険の見直しが必要です。

というのは、自動車保険契約では多くの方が運転者限定条件を「家族限定」に設定して、保険料の割引を受けています。しかし、子供が結婚して別世帯となれば、「家族」に該当しなくなります。ですから、実家に帰省中に親の自動車を運転中に交通事故を起こした場合には、補償を受けられません。

ですから、結婚して別世帯となった子供が、少しでも親の自動車を運転する可能性があれば、親が契約している自動車保険から「家族限定」条件を外しておく必要が生じます。実家に帰省中、親の車を運転していて交通事故を起こすことは意外に多いです。

その際に、親の自動車が加入している保険に「家族限定」条件が付されていれば、自動車保険から補償を受けることができません。特に、相手方に重傷を負わせた場合や自分が重傷を負った場合には、取り返しがつきませんので、十分な注意が必要です。

年齢限定条件の見直し

また、年齢限定条件の見直しも必要です。年齢限定条件の対象となるのは以下に限られます。

  • 記名被保険者
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

今まで同居していた子供が結婚して別世帯となった場合には、年齢限定条件の対象から外れます。そのため、子供の年齢を基準に年齢限定条件を設定していた場合には、子供が結婚して別世帯になったのを機に年齢限定条件を変更すれば、保険料を節約できます。

たとえば、22歳の子供が結婚して別世帯になった際には、年齢限定条件を「21歳以上補償」としていたのを親の年齢に合わせて「35歳以上補償」に変更して、保険料を節約できます。

ただし、この場合は結婚した子供が実家の車を運転して事故を起こしたとしても補償は受けられません。結婚した子供を補償の範囲に含めるためには、前述のとおり、「運転者限定条件」を変更しなければなりません。「家族限定条件」を解除していれば、子供が実家に遊びに来ているときに交通事故を起こした場合でも、親の加入している自動車保険からしっかりと補償を受けることができます。
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子供が免許を取得したタイミングで自動車保険を見直す

子供が免許を取得した時は、保険料を見直す良い機会となります。この場合、新しく免許を取得した子供が、親が所有する自動車を共用して運転するのか、それとも、子供が自分自身専用の車を運転するのかで、自動車保険の見直しの方法が異なります。

なお、若年層の自動車保険料はズバ抜けて高いので、子供が免許を取得して自家用車を運転し始めた際の保険料の見直しを適切に行わないと、大きな損失を被る場合がありますので注意が必要です。

子供が親の車を共用する場合

「運転者限定条件」と「年齢限定条件」の見直し

最初に、免許を取得した子供が親が保有する自動車を共用して運転する場合について考えます。この場合、まず、「運転者限定条件」と「年齢限定条件」の見直しを検討します。

子供が免許を取得する前は、「運転者限定条件」は「本人限定」か「夫婦限定」に設定しているものと思います。これは「家族限定」に変更しなくてはなりません。そうしておかないと、子供が契約車両を運転中に事故で死傷しても、補償金を受けることができません。

自動車保険の「運転者限定条件」を「家族限定」にしておけば補償の対象範囲が次のようになります。ですから、同居の子であれば事故の際に補償を受けることができます。

  • 記名被保険者(主に運転する人)の配偶者
  • 記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
  • 記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子

また、「年齢限定条件」も、たとえば、夫婦のみが自動車を運転していた場合には、条件を「35歳以上補償」としていることが多いと思われますが、これを免許を取得した子供に合わせて変更する必要があります。

たとえば、子供さんが高校を卒業してすぐに免許を取得した場合には「全年齢補償」に切り替えますし、子供さんが免許を取得した際の年齢が21歳以上であれば、「21歳以上補償」に切り替えます。

特殊な保険の加入も検討する

なお、年齢限定条件を「全年齢補償」に変更した場合、保険料が突然跳ね上がることがあります。ですから、子供さんがたまにしか自動車を運転しない場合には、保険料がもったいない場合もあります。

そのような場合には、自動車保険会社によっては、運転する日1日単位で入れる保険だとか、夏休みの期間だけ入れる保険があります。ですから、そういった自動車保険を選択して加入する方法があります。

子供特約に入る

また、保険料を節約する方法として、子供特約を付ける方法もあります。子供特約とは、自動車保険の年齢条件を変えずに、子供分の追加保険料を支払えば、子供も補償を受けることができるというものです。

この特約を付けるには、前提として運転者限定条件を「家族限定」に設定しておく必要があります。ですから、従前の条件が「本人限定」や「夫婦限定」であれば、それを変更しておく必要があります。

この子供特約を付けた場合には、自動車保険契約の年齢限定条件を「全年齢補償」としなくても、子供に対する補償が可能となります。「全年齢補償」は非常に保険料が高くなりますから、子供特約を利用できれば、保険料の節約ができます。

子供が自分専用の車を持つ場合

一方、免許を取得した子供が自分専用の自動車を持つ場合には、原則として、子供自身が自分名義で自動車保険契約を締結することになります。しかし、この場合にも、保険料を節約する方法があります。

親の保険を引き継ぐ

たとえば、親の自動車保険契約がノンフリート等級20等級で63%割引が適用されているとします。新しく車を購入した場合には、保険の引継ぎが可能です。ですから、子供が新しく自動車を入手した際には、親の自動車保険のノンフリート等級を引きついで契約することができます。

ですから、子供の自動車保険はノンフリート等級20等級(63%割引)で新たに契約します。親の自動車は、新規に保険契約を結びます。新規契約のノンフリート等級は6等級(19%割引)です。

若年層の自動車保険料は非常に高額になります。一方、親の年齢の自動車保険料はそんなに高額にはなりません。ですから、親の保険料の割引率が19%でも、若年層の高額の保険料を63%割り引ければ、親は親、子供は子供で契約するよりも、家族が支払う保険料の総額は節約できることになります。

詳細な手続き方法は次のCASE.3をご参照ください。

車両保険に免責額を設定する

また、子供さんの補償を既存の自動車保険に加えると、保険料がどうしても高くなります。その際には、保険料に大きな割合を占める車両保険の見直しが考えられます。

ノンフリート制度の改正で、軽微な車両事故であれば、自費で修理を行った方がノンフリート等級が下がらず、将来的な保険料の節約につながるようになりました。そこで、車両保険に免責額を付けて、軽微な車両事故であれば保険を使わない方が増えてきております。

免責額を付ければ保険料をだいぶ節約できます。免責額を設定しても、その設定により被る不利益は、ノンフリート制度の改正により小さくなりました。

そのため、子供さんへの補償を加えたことによる保険料上昇の対策として、車両保険に免責額を設けて保険料を節約する方法が上げられます。

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自動車保険の見直しをするべき5つの時期・タイミング

子供が車を運転するようになった、新車を購入した、あるいは通勤に電車を使うため車を使わなくなった、といったライフスタイルに変化があった際に、これまで契約していた内容のままだと保険料を多く支払い過ぎてしまう可能性があります。

したがって、定期的に自動車保険の内容や見直したり、インターネットの一括見積もりなどを利用して有利な条件で契約できる自動車保険会社に乗り換えることで、保険料を更に安くできる可能性があります。主に、契約更新時期、新車購入時、車の使用者の変化、ゴールド免許取得時などが自動車保険を見直すタイミングと言えるでしょう。

見直しの時期:①契約更新時


他の自動車保険会社と比較することで、自動車保険を見直すタイミングとしてまず考えられるのは、契約更新時です。たいていの自動車保険契約は1年単位となっています。ですから、毎年の契約更新時期が、保険を見直して他の自動車保険会社に乗り換えるタイミングとして、まずはじめに考えられます。

また、この時期に保険契約の見直しを行うと、ノンフリート等級を1段階あげて、新しい条件の保険契約を締結できるというメリットがあります。更新前の1年間に無事故だった場合、新しい契約ではノンフリート等級が1ランク上がります。したがって、新契約での保険料は引き下げられます。

しかし、保険年度の途中で今の自動車保険を解約して他の自動車保険会社の契約を行った場合、たとえその保険年度に事故を起こさなかったとしてもノンフリート等級は据え置かれます。よって、保険年度の途中で自動車保険会社を変更するより、保険年度の終了を待って変更する方が、保険料を節約できる場合があります。

更新時期は自動車保険会社の乗り換えに適した時期ですので、インターネットの一括見積もりを行い、他の自動車保険会社と補償や保険料の比較をしてみることをオススメします。

見直しの時期:②新車購入時


次に、保険契約を見直す時期として考えられるのは、新車を購入した時期です。新車を購入する場合、古い車を手放して新しい車に乗り換えるのか、古い車を手放さないで新しい車をセカンドカーにするのか、または、古い車を手放さないで古い車の方をセカンドカーにするのか、などさまざまな選択肢があります。

古い車の等級を新車に引き継がせることで高い割引率を適用できる

古い車を手放す場合には、古い車でのノンフリート等級を新しい車に引継ぎつぐことができます。ですから、古い車での保険契約期間に無事故の期間が長ければ割引率もかなり大きくなっているはずです。その割引率を新しい車に適用できます。

ただし、前の車のノンフリート等級を新しい車に適用するためには、保険の引き継ぎを1週間以内に行わなくてはなりません。1週間を経過すると、ノンフリート等級はリセットされ、新しい保険の等級が6等級からのスタートになりますから、注意が必要です。

2台目を購入したらセカンドカー割引が適用される

古い車を手放さない場合には、新しい車をセカンドカーにする場合でも、古い車をセカンドカーにする場合でも、セカンドカー割引が利用できます。この場合、古い車の保険をそのままにして、新しい車にセカンドカー割引をかける方法と、新しい車に古い車の保険を引き継がせ、古い車にセカンドカー割引をかける方法があります。

古い車に適用されるノンフリート等級や新車割引の適用の有無により、支払うべき保険料は変わってきます。ですから、このような場合にも、各保険会社からの見積もりを取り、よく比較してどの保険会社のどの保険契約を締結すべきか検討する必要があります。

見直しの時期:③子供が免許を取って自動車を共有するようになった、または、車を共有する人が減った場合


また、子供が自動車免許を取得して、保険契約者と子供が1台の自動車を共有するようになった時や、反対に、同居している子供が独立して自動車を共有する人が減った時も、自動車保険の見直しを行うべき時期となります。

たとえば、同居している子供が運転免許を取得し、以前は父親のみが運転していた車を父子で共有して運転するようになったとします。このような場合には、たとえば、運転者年齢条件を「35歳以上補償」から「全年齢補償」へ、また、運転者限定条件を「本人限定」から「家族限定」に変更する必要があります。そうしないと、子供が事故に遭った際に補償を受けられなくなってしまうので、子供が車を運転する際には必ず年齢条件や運転者条件の変更を自動車保険会社に申告してください。

反対に、同居かつ1台の自動車を共有して運転していた子供が独立し、以前は父子で共有していた車を、今度は父親のみで運転するようになったとします。このような場合には、運転者年齢条件を「全年齢補償」から「35歳以上補償」に、運転者限定条件を「家族限定」から「本人限定」に変更する必要があります。

見直しの時期:④通勤に車を使わなくなった時

以前は自動車で通勤していたものの、転勤などにより通勤に自動車を使用しなくなったなどということはよくあります。このような場合も、保険の見直しのタイミングとなります。自動車保険会社によっては、年間の走行距離に応じて保険料の割引を実施している場合があります。車を使う頻度が少なくなった場合には、保険会社に年間走行距離を申告したり、契約更新時期に年間走行距離に応じた割引を細かく行っている自動車保険会社に乗り換えることで保険料が割安になります。

たとえば、ある会社が運営している自動車保険は、年間の予想走行距離に応じて、保険料を設定しています。年間(予想)走行距離が3,000㎞以下の条件の基本保険料は131,750円です。同じく年間(予想)走行距離が7,000㎞超9,000㎞以下の場合には157,140円です。無制限の場合には199,880円となります。

このように年間の予想走行距離別に保険料を設定している自動車保険契約を締結している場合には、通勤により自動車を使用しなくなるなど、年間走行距離が大幅に減少することが予想される場合には、そのことを保険会社に申告して保険契約の内容を見直せば、保険料を節約できます。

見直しの時期:⑤ゴールド免許を取得した時


最後に、自動車保険を見直すタイミングとして、ゴールド免許を取得した時も該当します。ゴールド免許とは、運転免許の更新時に、更新時から遡った過去5年間に加点対象となる交通違反を犯さなかった優良運転者に対して交付される免許証のことです。

この免許証は、免許証の一部にゴールドの帯が入るために、この名称で呼ばれています。また、この免許証には、黒の太文字で優良のマークが入ります。この免許証を取得していれば、免許更新の手続きが簡単に済むので大変重宝します。

さて、ほとんどの自動車保険会社では、自動車保険の効力発生日においてゴールド免許を取得している者に対し、10%程度の保険料の割引を実施しています。ですから、保険契約者がゴールド免許を取得すれば、その後一番最初に迎える保険契約の更新時にゴールド免許の取得を保険会社に申告すれば、割引を受けることができます。