走行距離の申告で嘘をつくと損!その理由とは?
通販型の自動車保険の多くは1年間の自動車の走行距離の区分にしたがって、保険料に差を設けています。この区分をうまく利用すれば保険料をより安くすることができます。ただし、保険会社への走行距離の申告をごまかしたりすると、保険金の支払いが拒否されたりするので注意が必要です。
走行距離で変わってくる自動車保険料
1年間の自動車の走行距離が長くなるだけ事故を起こす可能性が高くなります。それを反映して1年間の走行距離が長くなるほど、割高の保険料を設定している自動車保険会社が多くなっています。
たとえば、ある自動車保険会社の1年間の自動車走行距離に応じた料金表は以下のとおりとなっています。
走行距離区分 | 支払保険料 | 保険料差 |
---|---|---|
3,000㎞以下 | 20,730円 | なし |
5,000㎞以下 | 22,180円 | -1,450円 |
11,000㎞以下 | 26,800円 | -4,620円 |
無制限 | 33,140円 | -6,340円 |
走行距離以外が同じ条件であれば、走行距離が最低の3,000㎞以下の区分と無制限の区分では33,140円も料金が違います。保険対象の自動車の1年間の走行距離が短ければ、走行距離に基づいて料金を設定している保険会社と契約すれば、保険料を割安にすることができます。
走行距離の申告制には2種類ある
年間走行距離に基づいて保険料を設定している会社には2種類あります。
1つは保険期間の前年度の1年間の保険対象車両の走行距離をユーザーに申告してもらい、そのキロ数を新しく契約する保険期間の走行距離とするグループです。
2つ目は、新しく契約する保険年度の予想自動車走行距離をユーザーに申告させ、それを新しく契約する保険期間の自動車走行距離とするものです。
前年度の自動車走行距離をユーザーに申告してもらいそれを新しい保険期間の自動車走行距離とするグループには、以下の保険会社が該当します。
- そんぽ24
- イーデザイン損保
- アメリカン・ホームダイレクト
- 三井ダイレクト
- セゾン自動車
新しい保険期間の予想自動車走行距離をユーザーに申告してもらい、それを新しい保険期間の自動車走行距離とするグループには以下の保険会社が該当します。
- ソニー損保
- アクサダイレクト
- チューリッヒ
自動車の走行距離の目安について
保険会社の中には保険対象車両の向こう1年間の予想年間走行距離を申告させるところがありますが、その際、利用目的や利用頻度による自動車の走行距離の目安を知っておくと便利です。そのため以下でそれを表示します。
日常・レジャー | 通勤・通学 | 走行距離 |
---|---|---|
休日近場で買い物程度 | 1日10㎞程度の使用 | 3,000㎞以下 |
平日・休日近場で買い物程度 | 1日20㎞程度の使用 | 5,000㎞以下 |
毎日20㎞以上の運転 | 1日30㎞程度の使用 | 10,000㎞以下 |
毎日30㎞以上の運転 | 1日40㎞程度の使用 | 15,000㎞以下 |
長距離を運転する | 1日50㎞程度の使用 | 15,000㎞超 |
1年間の予想自動車走行距離は長年自動車を運転されている方であればだいたいは見当が付くのですが、自動車を運転し始めてから日が浅い人は、それを予測することが難しいこともあるので、その場合には上記のようなデータが参考になります。
保険料を安くするため虚偽の走行距離を申告すると保険金が出ない
年間走行距離が短ければ保険料を安くすることができ、しかも、その年間走行距離は自己申告制であるとすると、実際の年間自動車走行距離よりも短い距離を申告して、保険料を安くしようと考える方もいらっしゃると思います。
交通事故を起こさなければそれでもよいかもしれませんが、交通事故を起こして保険金が必要になる際、走行距離をごまかしていると保険会社にそれがばれて、最悪の場合「故意又は重過失による」があると認定されて、保険金を受け取れないこともあります。自己申告制であっても年間走行距離は正しく申告する必要があります。
単純なミスによって間違った走行距離を申告し、その後に交通事故が起きて保険金を請求した場合には、「故意又は重大な過失」がないと判断され普通に保険金が受け取れます。ただし、その場合でも、保険金の支払の時に正しい走行距離に是正して、その差額分の保険料を徴収されることがあります。
うっかりミスによって実際の走行距離よりも少ない走行距離を申告する場合は大事には至りませんが、最初から保険料をごまかす意思をもって走行距離を少なく申告すると、自動車事故を起こしてしまった場合に保険金が受け取れないこともありますので、十分な注意が必要です。
保険金が受け取れない虚偽申告とはどんなものか
たとえばあるユーザーの方が新規登録車両に保険をかけるとした場合に年間走行距離3,000㎞で申告し、その区分の自動車保険料の適用を受けていたとします。この方が、交通事故で怪我をして保険会社に保険金を請求したとします。
事故の際の保険会社の調査で、事故を起こした時点の自動車走行距離が3,000㎞を少しオーバーしたぐらいであれば、走行距離の虚偽申告によって保険金が支払われないということはないでしょう。しかし、たとえばそれが15,000㎞であったら、悪質な虚偽申告として保険金が出ない可能性が非常に高くなります。
最初から誤魔化そうという意識がない場合には、結果的に事故を起こした時点の走行距離が、保険契約の際に申告した走行距離を超えていても保険金が支給されないということはないので大丈夫です。ただし、差額分の保険料を請求されることはあります。
保険更新時に申告した走行距離と実際のそれが異なる時の対応
保険更新時に、実際に申告した自動車走行距離と実際の走行距離が異なることは当然予測されます。というよりも、それらが異なるケースの方が一致するケースよりも多いと言えます。最初から保険料をごまかすつもりで虚偽の走行距離を申告をしていた場合は別として、そういった意図を持たないで普通に走行距離を申告し、結果的に申告した走行距離と実際のそれが異なった場合に保険料などはどうなるのでしょうか。
保険更新時に走行距離がオーバーしていた場合の対応
保険期間中に交通事故を起こして保険を使うことはなかったが、保険更新時に申告していた年間走行距離よりも実際の走行距離が長かったということもあります。そのような場合、更新時に正しい走行距離を保険会社に通知しておけば問題ありません。その上で、次の契約の際に前期よりも長めに走行距離を申告すればよいでしょう。
契約時に申告する年間走行距離はあくまで予想なので、実際の走行距離がそれと異なることがあることは保険会社の方でも十分に承知しています。そのため、契約更新時にそのことの通知があれば保険会社の方では何も言ってきません。
申告した走行距離よりも実際の走行距離が長かったことが分かった場合には、次年度の走行距離の想定の見直しが必要です。走行距離の見直しで保険料が上がるというようなケースで前期の保険料と同じ水準を維持するためには、車両保険のランクを落とすとか不必要な保険を外すなどの対策が必要です。
保険更新時に走行距離が短かった場合の対応
反対に、保険契約時に申告した年間走行距離よりも更新時に判明する実際の年間走行距離が短かった場合には、その分だけ保険料を安くできることがあります。ソニー損保の「くりこし」割引では、実際に走った走行距離が「1,000㎞以上」少なかった場合には、その差額保険料を翌期の継続契約時の保険料から差し引くことができます。
「くりこし」割引のサービスを提供しているのはソニー損保だけのようですので、他の保険会社ではこのサービスを利用できないようです。したがって、このサービスを利用したいという方はソニー損保の自動車保険を利用することがおススメです。
走行距離区分で保険料が安くなるのは、走行距離の短い方
一般的に言って1年間の走行距離が短いほど保険料が安くなり、長いほど保険料が高くなる傾向があります。しかし、走行距離の区分やそれに対応する保険料は各自動車保険会社がそれぞれ設定していますから、一概に年間走行距離が○○㎞だから、保険料は○○円程度だというようには言えません。
各保険会社はホームページ上で保険料の見積もりコーナーを設けていますから、各社のそれに年間走行距離やその他の車両条件を入力して、その各社の見積もりを取らなければ正確なところは分かりません。
ただし、間違いなく言えることは、走行距離による保険料の区分を設けていない自動車保険会社と契約した場合には、年間走行距離が30,000㎞でも3,000㎞でも同じ保険料が適用されますから、年間走行距離が30,000㎞の場合と3,000㎞の場合で、保険料に差を設けている保険会社と契約した場合よりも保険料が割高になるということです。
走行距離によって自動車の保険料を安くできる可能性があるのは、1年間の走行距離が短い方と言えるでしょう。毎日長距離をマイカーで通勤されるサラリーマンのように1年間の走行距離が長くなる方の場合、走行距離による保険料の割引はあまり期待できません。
各自動車会社の走行距離区分について
自動車保険料は走行距離だけでなく、保険対象車両の車種・型式・グレード・保険内容・年齢条件・運転者限定条件・ノンフリート等級などさまざまな要件によって決まってくるので、1年間の走行距離がこのくらいだから保険料の相場はこの金額というようなはっきりした形では出てきません。
一般的な傾向としては、走行距離区分が細かい会社の方が走行距離が短いことによる保険料の割引率が高くなります。走行距離による保険料の割引は、走行距離が短い方の方がそれが多い方よりも、より多くの割引によるメリットを受けることができますが、1年間の走行距離が少ない方は、走行距離区分を多く設けている自動車保険会社と契約すれば、保険料を大きく下げることができる可能性があります。
自動車保険会社各社の走行距離区分について
通販型自動車保険各社の走行距離区分についてまとめると次のようになります。
会社名 | 走行距離区分 |
---|---|
おとなの自動車保険 | 5,000㎞以下、10,000㎞以下、15,000㎞ 以下、15,000㎞超の4区分 |
イーデザイン損保 | 3,000㎞以下、5,000㎞以下、10,000㎞ 以下、10,000㎞超の4区分< |
そんぽ24 | 4,000㎞未満、8,000㎞未満、12,000㎞未満、16,000㎞未満、16,000㎞超の5区分 |
チュリーッヒ | 3,000㎞以下、5,000㎞以下、10,000㎞以下、15,000㎞以下、15,000㎞超の5区分 |
ソニー損保 | 3,000㎞以下、5,000㎞以下、7,000㎞以下、9,000㎞以下、11,000㎞以下、16,000㎞以下、無制限の7区分 |
アクサダイレクト | 5,000㎞未満、10,000㎞未満、10,000㎞超の3区分 |
これを見るとソニー損保がもっとも細かい走行距離区分を持っていることが分かります。このことから、走行距離による保険料の割引がもっとも期待できるのはソニー損保であるということができます。走行距離による割引は、走行距離が短い方がより大きな割引を期待できるので、走行距離が短い方は保険会社をソニー損保にするのが良いかもしれません。
たとえば、年間5,000㎞以上は運転するが10,000㎞以上の運転はしないという方であれば、そんぽ24の8,000㎞以下の区分で契約するとかソニー損保の7,000㎞以下の区分で契約することにより、保険料を安くできる場合があります。
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高級車やスポーツカーは保険料が高くなる!
スポーツカーであれば、ガンガン飛ばして走る方が多いと思われます。高級車であれば、事故などで自分の車両に傷が付けられた場合、その修理費が固くなります。保険料は、事故率や事故で支払った保険金額などを基準として決まります。ですから、高級車やスポーツカーの保険料は高くなる傾向があります。
スポーツカーの保険料が高い理由
まず、スポーツカーについて考えてみます。軽自動車やエコノミーカーをガンガン飛ばして走る人は少ないでしょう。ですが、スポーツカーであれば、元々スピードが出るように設計されていますし、その性能を見こんで購入される方も多いですから、猛スピードで運転する場合が多いでしょう。
そうすれば、当然に事故の確率は高まりますし、また、事故を起こした場合、重大事故になることもしばしば起こります。すべての保険に共通することですが、事故を起こす確率や保険会社が支払う保険料が大きくなると、保険料は上昇します。ですから、スポーツカーの保険料は当然に高くなります。
車両料率クラスについて
ところで、自動車保険料には車両料率クラスという制度があります。これは、対人、対物、搭乗者傷害、車両の各保険に関して、契約車両の型式によって点数が付けられており、この点数によって、その保険の保険料額が決まってくるという制度です。
スポーツカーに属する型式の場合、この点数が、エコノミーカーに比べて、事故率などが高い場合に付けられる点数が割り当てられています。特に、外国製のスポーツカーなどは、すべての保険において7点から9点(上限は9点)が付けられています。なお、国産のエコノミーカーの場合は4点から6点程度が標準です。
これは、スポーツカーはガンガン飛ばして運転する人が多いので、相対的に事故率が高く、そのために保険会社が支払う保険料が多くなるため、その結果、より多くの保険料が課されているという関係を反映しています。
高級車の自動車保険が高い理由
一方、高級車の場合、今度は、車両保険の保険料が高くなります。高級車が当て逃げ、自損事故、自然災害などの被害にあった場合、その賠償金は非常に高くなります。事故の確率は普通車と変わらないとしても、事故で支払う金額は多くなりますから、その分保険会社の負担は重くなります。
また、高級車の場合には、盗難被害に遭うことも多くなります。特に新車同然の高級車の盗難被害が発生すると、保険会社は、高級車1台分の賠償金を求められることになります。このようなことから、高級車の保険、特に、車両保険は保険料が高くなります。
車両保険に入るのに事前審査が必要な場合もある
なお、保険会社によっては、フェラーリなどの高級車に車両保険をかける場合には、事前に審査が必要なこところあります。これは、保険に加入する前に発生した損傷の修理を、保険後に起こした事故の修理と合わせて行って、その費用の賠償を請求されることを防ぐためのものです。
これは、車両保険に入るのに、事前に審査が必要だというのは、高級車のみに限定されたことですが、このことも、事故の際に、車両保険から支払われる金額が高額になり易いことを反映したものといえます。
大型車は保険料が高い!ミニバンやSUVは要注意!
ミニバンやSUVはエコノミーカーなどに比べてノンフリート等級や年齢条件のその他の条件を同じにした場合、保険料が高くなる傾向があります。ここでは、どうしてそのような保険料の違いが出るのかについて考えてみます。
自動車保険料の決まり方
その前に、自動車保険料の決まり方を見ていきます。まず、自動車保険には型式別料率クラスという制度が設けられており、自動車保険に加入する車両の型式に基いて保険料率が決められています。細かく言えば、この型式について、対人、対物、搭乗者傷害、車両の各保険につき点数が設定されています。
この点数は、過去にその型式の車両が事故をどのくらい起こしたかという実績にもとづいて1点から9点まで定められています。事故のもっとも少ない1点からもっとも多い9点まであり、その料率の差は9点が1点の3倍程度と言われています。
さて、この点数には、対人、対物、搭乗者傷害、車両保険ごとの料金が定められており、加入保険にあわせて、この保険の種類ごとに保険車両の型式の点数にもとづく保険料を計算し合算します。最後に、年齢や免許等の条件による各種割引や、ノンフリート等級などによる調整を加え、最終的な保険料の金額が定まります。
ミニバンやSUVの型式別保険料率は高く設定されている
ところで、ミニバンやSUVは上記の保険料の計算過程における型式別料率クラスにおいて、エコノミーカなどに比べて、点数が高く設定されています。たとえば、トヨタ・ランドクルーザー(SUV)・FJ80Gは、対人賠償の点数が9です。三菱・デリカ・P03Wは7点です。
エコノミーカーなどの一般的な自動車の場合、対人賠償保険の点数は4点から5点が標準ですから、この点数は高いと言えます。型式別保険料率クラスの点数が高いということは、必然的に、最終的に定まる保険料が高くなるということを意味します。
ミニバンやSUVの保険料が高い理由
さて、どうして、SUVやミニバンの型式別保険料率が高いのでしょうか?型式別保険料率は、過去にその型式がどれくらい交通事故を起こしたかによって定まります。ですから、この点数が高いということは、その車種が、交通事故の回数が多い、または、重大事故を起こしている、ということを意味します。
SUVやミニバンは大型車なので、交通事故を起こすと相手方に甚大な被害を及ぼす可能性が非常に高くなります。その結果が、より高い保険料に反映されてくるということになります。
事故を起こしていないのに保険料が上がる理由とは?
自動車保険料は、ノンフリート等級制度といって、事故を起こして保険を使ったか使わなかったかを保険料に反映させる制度があります。よって、事故を起こした場合に保険料が上がることはわかります。しかし、無事故でも次の理由で保険料が上がる場合もあるのです。
- 型式別料率クラスの変動
- 平成25年のノンフリート制度の改定
型式別料率クラスの変動による場合
自分が事故を起こしていなくても、保険料が上昇する1つめの理由は、型式別料率クラスの変動です。型式別料率クラスとは、スポーツカーなら対人賠償保険料を高く、高級車なら車両保険を高くなど、型式により定める保険料のことです。
型式とは
自動車保険会社では、自動車の保険料を算定する際に、保険に入ろうとする自動車を各クラスに分類します。そのクラスとは、たとえば次のようになっています。
- トヨタ・カローラ・AE100G
- 日産・キューブ・ANX10
- 三菱・ギャラン・A112A
このクラスのうち、最初がメーカー名、続いて車種、そして、最後のアルファベット記号と数字で構成されるコードが、型式に該当します。
型式で定める保険料率
自動車保険料を算定する際、上記の型式ごとに、対人賠償、対物賠償、搭乗者傷害、車両の各保険について点数が定められています。この点数は、その型式の自動車の事故実績に応じ、事故の少ない1点から事故の多い9点まであり、その点ごとに、保険料率が定められています。
当然のことながら、事故の多い9点の方が、事故の少ない1点より保険料率は少なくなります。一般的には、対人賠償保険については、9点は1点の3倍程度になると言われています。
なお、ここで注意しなくてはならないことは、この料率は、車名によって定めるのではなく、型式により定まるということです。たとえば、同じトヨタカローラでも、AE100GとAE101GとAE104Gでは、それぞれ料率が異なります。ですから、料率を考える際には、車名ではなく型式で考えなくてはなりません。
型式別保険料率は自分が事故を起こしていなくても上がる場合がある
ところで、この型式ごとに定める保険料率は、毎年、その型式の車両が起こした事故の割合によって変動します。よって、自分と同じ型式に乗車している他のドライバーが、事故を起こした場合、自分は事故を起こしていなくても、その型式の保険料率が上昇するため、自動車保険料が上がるということがあります。
ノンフリート改定による保険料の上昇による場合
自分が事故を起こしていなくても保険料が上昇する2つめの理由は、ノンフリート等級制度の改定によるものです。ちなみに、ノンフリート制度とは、被保険者が交通事故を発生させたかどうかを保険料の算定の際に考慮する仕組みのことをいいます。
平成25年のノンフリート制度の改定について
平成25年10月からノンフリート等級制度の改定がありました。改定前の制度では、1つのノンフリート等級に1つの割引率しかありませんでした。しかし、改正後は、1つのノンフリート等級に事故無と事故有の割引率が設定されました。
当然のことながら、事故無しの割引率の方が事故有のそれよりも大きくなっています。たとえば、第20等級では、事故無割引率が63%、事故有が44%となっています。また、第10等級では事故無45%、事故有23%となっています。
また、事故を起すと等級は3等級下がりますが、その後、毎年毎年無事故であれば、等級は1等級ずつ上がっていきます。しかし、事故後3年間は、事故有の低い割引率が適用されます。
改定後のノンフリート制度が保険料が上昇させる理由
改定後のノンフリート等級制度が適用されるのは、平成25年10月以降に新規に契約される自動車保険からですが、このノンフリート制度改定により、事故を起こした保険を使った方については、事故の翌年はもちろんのこと、この改定により、事故後3年間についても、多くの保険料の負担を求められるようになりました。
なぜ年齢が若いと保険料が高くなるのか?
自動車の保険料は、年齢が若いほど高くなる傾向があります。たとえば、ある会社のある普通自動車の自動車保険料は、本人が18歳の場合には年間約107,000円、本人33歳場合には年間約65,000円となります。このように、年齢が若いと保険料が高額になるのですが、以下では、この理由について考えてみます。
保険料の差異は事故を起こす確率の差異である
年齢が若いほど自動車保険料の金額が高額になる理由は、簡単に言えば、年齢の若い方の方が、年齢が高い方に比べて事故を起こす確率が高く、保険を使うことが多いからです。
年齢が若い方と年齢の高い方の保険料を同じ保険料としてしまうと、若い方々が起こした事故のために支払う保険金を、年齢が高い方々が支払った保険料によってまかなう形になります。
そうすると、年齢の高い方々は、自分たちの支払った保険料が、自分たちの世代の起こした事故ではなく、若いドライバーの起こした事故による保険金のために使われるわけですから、当然に、不公平感が残ります。
よって、公平性を確保しておくためにも、事故を起こして保険を使う可能性の高い若い世代からはより多くの保険料を徴収し、反対に、事故を起こす可能性の低い年配の方々からは、それを反映した低い保険料の負担を求める、という仕組みになっています。
若い方が交通事故を起こしやすい理由
年齢を重ねてくると、交通事故の恐ろしさが分かってくるのですが、20代前半までの若い方であれば、その恐ろしさがまだ分からず、交通ルールを守らず、大きな事故を起こしてしまう場合が数多く受けられます。
また、レーシングカーのように自動車を走らすことに魅力を感じるのも若い方に多くいらっしゃいます。若さ故の過ちにより、一般の道路を猛スピードで走行し、歩行者をはねる等といった事件もよく起きます。
年配の方であれば猛スピードで自動車を走らすことに魅力を感じる人は少ないでしょう。その分、それが原因で事故を起こすようなことも少なくなります。
なお、若い方は免許を取ってから日が浅く、運転技術の未熟さによる交通事故も多くなります。この影響も無視できません。
若い方は交通事故の防止に特段の配慮を
若い世代の方々の自動車保険料が高いということは、無謀運転の防止や運転技術の向上に直接に役立つとはいいませんが、高い保険料率は、無謀運転や運転技術の未熟などによる事故率の高さを反映したものなので、特にこの世代の方々は、交通安全には特段の配慮が必要になると言えましょう。
保険料が決まる条件「運転者限定」
自動車保険を契約する際に運転者の年齢の限定と合わせて考えておきたいのが、契約する車の運転する人の条件です。
運転者限定とは、契約する車の運転者を「自分の家族だけ」「自分と妻だけ」というように特定の人物に限定することです。限定した人物のみが補償の対象となります。運転者を限定した場合、限定した以外の人、たとえば自分の友人が車を運転して事故を起こしてしまったとしても補償の対象とはなりません。運転できる人の範囲を限定することで事故のリスクが軽減するため保険料が割安となります
運転者限定の範囲
運転者限定の範囲には次の3つがあり、運転者の範囲を絞り込むほど保険料が割安になっていきます。
- 家族限定
- 夫婦限定
- 本人限定
各限定における補償の対象者は以下の表のようになっています。
限定 | 運転者の範囲 |
---|---|
家族限定 | 主な運転者+配偶者+同居の親族+別居の未婚の子 |
夫婦限定 | 主な運転者+配偶者 |
本人限定 | 主な運転者のみ |
主な運転者
この「主な運転者」とは、契約した車を主に運転する人のことで保険証券には「記名被保険者」として記載されます。保険契約をする人が記名被保険者となるケースが多いですが異なるケースもあります。たとえば家族の車を息子が通学で使用する場合です。車の契約者は親であるため保険料は親の支払いですが、記名被保険者は息子ということになります。
このケースでは、就職などの理由により息子がその車を使わなくなったため運転者を「夫婦限定」に変更した場合、記名被保険者が息子のままだと補償対象が親夫婦ではなく息子夫婦になってしまいます。このように車の用途が変わった場合に記名被保険者を変更しないまま運転者の範囲を変更すると、本来補償を想定していた人物が補償されなくなる可能性があるため「契約者」「記名被保険者」「運転者限定の範囲」の関係には注意する必要があります。
家族の範囲
運転者を家族に限定する場合、その家族の範囲は主な運転者を基準として次のようになっています。
- 主な運転者
- 配偶者
- 同居の親族
- 別居の未婚の子
同じ家で生活している家族が補償対象であることは容易に想像できますが「別居の未婚の子」が補償対象であることも注意すべきポイントです。
「別居の未婚の子」とは上京している学生である息子などを指します。都内の大学に通うために上京していた息子が年末年始に帰省し、実家の車を運転する場合においても補償の対象となるのです。
親族とは
自動車保険における親族とは、6親等内の血族、3親等内の姻族のことを指します。運転者を家族に限定する場合、親族の範囲を考えると同居している血族はすべて補償対象になると考えて問題ありません。対して姻族については配偶者の甥姪までしか親族としてみなされないため、同居している配偶者の家族が補償対象とならない可能性も出てきます。
運転者限定による保険料の違い
車の運転者を限定する場合は運転者の年齢限定も合わせて考えると良いでしょう。参考として運転者限定、年齢限定を適用した場合の保険料を記載します。
年齢制限 | 限定しない | 家族限定 | 配偶者限定 | 本人限定 |
---|---|---|---|---|
年齢制限なし | 360,290 | 349,750 | 342,720 | 328,700 |
21歳以上 | 179,760 | 172,140 | 168,800 | 162,090 |
26歳以上 | 131,300 | 125,230 | 122,840 | 118,070 |
30歳以上 | 122,010 | 116,390 | 114,190 | 109,770 |
【見積もり試算条件】
保険会社:イーデザイン損保
車種:トヨタ・プリウス・ZVW40W
(2013/12/09現在)
保険料が決まる条件「運転免許証の色」
最近のリスク細分型自動車保険は契約者の「運転免許証の色」を保険料を決定する条件として取り入れており、運転免許証の色(ゴールド、ブルー、グリーン)によって保険料が変わってきます。ゴールド免許の場合、保険会社によっては「ゴールド免許割引」が適用され他の色の免許証に比べて保険料が割安になります。
免許証の色 | 年間保険料 |
---|---|
ゴールド | 97,860 |
ブルー | 116,390 |
グリーン | 116,390 |
【見積もり試算条件】
保険会社:イーデザイン損保
車種:トヨタ・プリウス・ZVW40W
運転者:運転者家族限定、30歳以上限定
(2013/12/09現在)
運転免許料の色
運転免許証の色にはゴールド、ブルー、グリーンの3種類があります。
ゴールドの運転免許証
ゴールド免許とも呼ばれ、過去5年間に渡り無事故・無違反であった優良運転者である証です。ゴールド免許はリスクが低い運転者であることを証明しているため、自動車保険の保険料においても優遇されます。有効期間は5年です。ゴールド免許を所持していたとしても、事故や違反をしてしまうと次回更新時にゴールド免許ではなく、ブルーの運転免許証となってしまいます。
ブルーの運転免許証
運転免許証が発行された後の初回更新時に交付されるのがブルーの運転免許証です。有効期間は基本的には3年間です。ただし過去5年間における違反が軽微な違反1回までの場合は有効期間はゴールド免許同様5年間となります。ブルー免許を所持している期間に5年間無事故・無違反であった場合は、次回更新時にゴールド免許となります。
グリーンの運転免許証
教習所の試験を合格しはじめて運転免許を取得した際に交付されるのがグリーンの運転免許証です。有効期間は3年間で初回の更新時にブルー免許となります。
保険契約後に運転免許証の色が変わったら
保険料に考慮されるのは契約時の運転免許証の色です。したがって、たとえ保険契約後にゴールド免許になったとしてもゴールド免許割引は適用されません。逆に契約時にゴールド免許割引が適用された場合は途中でブルー免許に切り替わっても契約期間中はゴールド免許割引が適用されます。
保険料が決まる条件「使用目的」
使用目的とは契約する車の用途のことです。たとえば、通勤で使用したり、レジャーで使用したりといった用途がありますが、それぞれ使用目的により車が事故に遭うリスクが異なってくるため保険料に違いが出てきます。平日に通勤で往復2時間かけて車を運転するのと、休日にたまにドライブに出かけるのでは、前者の方が事故に遭うリスクが高いと言えるでしょう。
使用目的の種別
契約をする際には保険会社に使用目的を申告する必要があり、主に次の3つに分類されています。
- 業務使用
- 通勤/通学使用
- 日常/レジャー使用
この分類の中でもっとも保険料が高くなるのは「業務使用」であり、もっとも安くなるのは「日常/レジャー使用」です。
「業務使用」とは大方の保険会社では「年間を通じて週5日以上または月15日以上」業務(仕事)に使用する場合と定義しています。毎日、仕事に車を使用している場合はもちろんのこと、自営業のため事務所へ通勤した後にその車をそのまま仕事にも使っている場合も該当します。
「通勤/通学使用」とは「年間を通じて週5日以上または月15日以上」通勤・通学に使用することです。日々の通勤に車を使用していたり、毎日子供を送り迎えしている場合のことです。通勤と同時に仕事に使う場合でも定期的ではなく月2~3日程度ならこちらに該当します。
「日常/レジャー使用」とは、上記のいずれにも該当しない場合です。定期的に車を使うことが無く、買い物や休日のドライブに使用する場合に該当します。
使用目的別の保険料の違い
日常/レジャー使用の場合は車の使用頻度が減ることから事故率が減少するためその分保険料が割安になります。反対に仕事でも使用する場合や通勤や通学で使用する場合には車の使用頻度が増える分、事故発生率が上昇するため保険料が割高になります。
使用目的 | 基準 | 年間保険料 |
---|---|---|
業務 | 「年間を通じて週5日以上または月15日以上」業務(仕事)に使用 | 153,360 |
通勤・通学 | 「年間を通じて週5日以上または月15日以上」通勤・通学に使用 | 135,450 |
日常・レジャー | 「業務」「通勤・通学」に該当しない場合 | 116,390 |
【見積もり試算条件】
保険会社:イーデザイン損保
車種:トヨタ・プリウス・ZVW40W
運転者:運転者家族限定、30歳以上限定
(2013/12/09現在)
保険料が決まる条件「年間走行距離」
最近のリスク細分化型自動車保険では、リスクをより明確化するために年間走行距離を申請する場合があります。この年間走行距離は契約の時点において保険契約する車が1年で走行すると予想される距離でよくあまり厳密に考える必要がありません。保険会社が車のメーターを調査しに来るわけではありませんから、契約時に予想される年間走行距離を自己申告すればよいのです。
しかし年間走行距離と聞かれても具体的な数値を答えるのは難しいため各保険会社で目安を用意しています。年間走行距離を申告する際には、これから契約する車の用途とこの目安を照らし合わせて決めましょう。また申告する距離は2,500kmといった数値ではなく保険会社が用意した区分の中から選択する事になります。
リスク細分型自動車保険においては、走行距離が多いほど事故の可能性が大きくなると考えられているため保険料が割高になります。たまの買い物程度に車を使う場合と、片道1時間の通勤に車を使用する場合を比較すると後者の方が事故に遭うリスクが高いのは明白ですね。保険会社はリスクに応じた保険料の公平性を保つために走行距離を申請させているのです。
年間走行距離と保険料の目安
年間走行距離の目安とその際の保険料を以下の表に記載します。ほとんど車に乗らない場合と毎日長距離走行する場合とを比較してみると保険料に1.5倍もの開きが出てくる事がわかります。
年間走行距離 | 目安 | 年間保険料 |
---|---|---|
3,000km以下 | あまり乗らない | 121,810 |
5,000km以下 | 近所の買い物に使用する | 128,730 |
7,000km以下 | 毎日30分程度の通勤で使用する | 134,580 |
9,000km以下 | 休日にたまに遠出する | 145,810 |
11,000km以下 | 毎日1時間程度の通勤で使用したり、毎週遠出する | 152,330 |
16,000km以下 | 毎日長距離走行 | 178,790 |
無制限 | 毎日長距離走行 | 186,190 |
【見積もり試算条件】
保険会社:ソニー損保
車種:トヨタ・プリウス・ZVW40W
運転者:運転者家族限定、30歳以上限定
(2013/12/09現在)
申告した年間走行距離を越えてしまった場合
契約時に申告する年間走行距離はあくまでも見通しであるため「申告したからには必ず10,000km以下に年間走行距離を抑えなければならない」というものではありません。車で遠くの観光地へ旅行に行ったりすると往復で1,000kmくらい走行したりします。当初予定していなかった法事や結婚式といった行事へ出席するために車を走らせる事もあるでしょう。
このように見通しから誤差が生まれたために申告した年間走行距離を超えてしまった分には問題ありません。走行距離を超えた時点で保険会社に連絡して走行距離区分変更の手続きをすれば良いのです。またインターネット上の保険会社のページから自分で変更することも可能です。
申告した年間走行距離を上回っているにもかかわらず保険会社へ連絡しないままだと、万が一事故を起こした場合に補償が受けられない可能性があります。申告した年間走行距離を上回ると分かった時点で保険会社に変更手続きの連絡をするようにしましょう。
保険料が決まる条件「主な使用地域」
自動車保険の契約の際には自動車を使用する主な地域を申告します。車を使用する地域によっても保険料が異なってくる場合があります。各地域の事故のリスクが保険料に反映されるためです。契約期間中に引っ越しなどで使用する地域が変更になった場合は保険会社に届け出が必要です。次の表は一例です。
使用地域 | 年間保険料 |
---|---|
北海道 | 116,360 |
東北 | 116,400 |
関東 | 116,390 |
東海 | 119,910 |
北陸・甲信越 | 116,390 |
近畿 | 121,730 |
中国 | 121,730 |
四国 | 116,810 |
九州 | 116,380 |
沖縄 | 116,380 |
【見積もり試算条件】
保険会社:イーデザイン損保
車種:トヨタ・プリウス・ZVW40W
運転者:運転者家族限定、30歳以上限定
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保険料が決まる条件「車両料率クラス」
自動車保険の保険料は登録する車種や型式によって異なります。車種については法律によって定められている以下の区分にしたがって分類されます。
区分 | 車種 |
---|---|
1 | 自家用車乗用(乗用) |
2 | 自家用車乗用(小型) |
3 | 自家用車乗用(軽四輪) |
4 | 自家用車貨物(軽四輪) |
5 | 自家用車貨物(小型) |
6 | 自家用車貨物(普通0.5t以下) |
7 | 自家用車貨物(普通2t以下) |
8 | 特殊(キャンピング車) |
9 | 自家用二輪 |
10 | 原付 |
この中でも「自家用乗用車(普通)」と「自家用乗用車(小型)」については、車両料率クラスという車のリスクを表す基準を用いて、車種や型式によって更にクラスが細かく分けられています。この車種にはスポーツカーやファミリーカー、SUVなど用途や目的別にさまざまな種類がラインナップされており、それぞれに事故発生率が異なるためです。
たとえばスポーツカーの場合、事故発生率が高いという傾向があります。こうした事故発生率を反映させて保険料を決定するための指標となるのが車両料率クラスです。
料率クラスは車両料率損害保険料率算出機構という組織が決定しており、それを各保険会社が共通で採用しているため、同じ車でも保険会社によってクラスが異なるということは起こりません。
車両料率クラスの特徴
車両料率クラスの特徴をまとめると次のようになります。
- 車両料率クラスは「自家用普通乗用車」と「自家用小型乗用車」に対して定められている、車のリスクを表す基準である
- 対人、対物、傷害、車両のリスクに対して、9段階のクラスに分けられている
- 事故発生率が高く保険金の支払いの多い車ほどクラスが高くなる
- 保険会社によってクラスが異なることはない
車両料率クラスは、対人、対物、傷害、車両のリスクに対して9段階のクラスに分けられており、1年毎に毎年料率が見直されています。数字が大きくなるほど料率が高くなり、保険料も高くなります。
高級車や高級外車のように修理費用が高額になるものは車両料率クラスが当然高くなりますが、逆に事故発生率の低いコンパクトカーは車両料率が低くなります。さらに事故を起こしたとしても修理費用が安くなる傾向がわかっている車種であれば車両料率クラスは低くなります。
リスク | クラス | クラスが高いほど… |
---|---|---|
対人 | 1~9段階 | 事故時に相手を死傷させる可能性が高く、 被害の度合いも大きくなりやすい |
対物 | 1~9段階 | 事故時に相手の車両や建造物を破損させる可能性が高く、 被害の度合いも大きくなりやすい |
傷害 | 1~9段階 | 事故時に搭乗者を死傷させる可能性が高く、 被害の度合いも大きくなりやすい |
車両 | 1~9段階 | 車両価格が高い、また盗難被害に遭いやすい |
車は自分の好みやライフスタイルに合わせて購入するものですが、車種によっては保険料が高くなり、その分維持費も高額になります。国内の有名スポーツカーの場合は保険料だけでなくメンテナンス費用やパーツ一つ一つにかかる費用も高額で、維持には相当の費用がかかります。ですから車購入時には車両本体価格だけでなく、保険料を含めた維持費もしっかりと考慮しておくことが大切です。
さらにコンパクトカーやファミリーカーの場合は車両料率クラスが低くなり、その分保険料も割安になるため人気を博しています。
保険料が決まる条件「年齢限定」
自動車保険は相互扶助の概念にもとづいて運営されています。契約者それぞれに対する公平性を保つために割引制度や割増制度を採用しています。その1つが運転者の限定です。車を運転する人の年齢や運転できる人を制限することでリスクを分散することができ、その分保険料を割安にすることができます。
もう一つ、運転者の限定で定められているのが年齢制限です。自動車保険では年齢制限区分が有り、年齢が高くなるほど割安な保険料設定になっています。
どのように年齢区分されているのか?
年齢を区分しているのは統計学にもとづいて事故率が算出されているためで、若い人ほど事故率が高いという結果から年齢区分が設けられています。主な区分は次のとおりになっております。
- 全年齢補償
- 21歳以上補償
- 26歳以上補償
- 30歳以上補償
- 35歳以上補償
「全年齢補償」とは18歳以上の人が対象になります。18歳で免許を取得した人が車を運転する場合には全年齢補償の任意保険に加入している必要があります。「21歳以上補償」とは20歳までのドライバーは保険適用外となるという意味です。
もしこの運転者の限定条件で対象外の人が運転し事故を起こしてしまった場合には補償されません。他の年齢区分も同様です。家族の中での年齢層がさまざまに分かれている場合には運転する人の最低年齢を運転者の限定条件に合わせる必要があります。
また年齢限定が適用される範囲は記名被保険者の同居の親族である場合がほとんどですが、自動車保険によっては運転するドライバーすべてに適用されるものもありますので契約内容に注意を払う必要があります。
年齢条件は別居の未婚の子には適用されないケースが多いですので、就職や進学で上京しているお子さんがいる場合には年齢条件の設定には気を付ける必要があります。
「26歳以上補償」を設定した場合の保険料
「26歳以上補償」は自動車保険契約者の8割を占めていることから更に細かく年齢が区分されています。記名被保険者の始期日時点の年齢に応じて「30歳未満」「30歳以上40歳未満」「40歳以上50歳未満」「50歳以上60歳未満」「60歳以上70歳未満」「70歳以上」に区分されており、それぞれの年齢区分のリスクに応じた保険料を算出します。
基本的に年齢が高くなるほど保険料は安くなっていきますが、60歳以上のドライバーは事故のリスクが高くなることから保険料が再び高くなる傾向があります。
年齢限定による保険料の違い
年齢限定によりどれだけ保険料に違いが出てくるのでしょうか?下の表は年齢限定による保険料の違いを示したものです。「年齢限定なし」のままだと急激に保険料が高くなることがわかります。これは若年者の事故によるリスクが高いことによります。保険契約の際には、運転者の年齢を吟味し適切に年齢限定を設定することが好ましいでしょう。
年齢制限 | 年間保険料 |
---|---|
年齢制限なし | 360,290 |
21歳以上 | 179,760 |
26歳以上 | 131,300 |
30歳以上 | 122,010 |
【見積もり試算条件】
保険会社:イーデザイン損保
車種:トヨタ・プリウス・ZVW40W
運転者:運転者限定無し
(2013/12/09現在)
保険料を決定づける様々な条件
自動車保険において1年間に支払う保険料は基本補償の保険金の設定額によって変わってきますが、さらに登録する車種、運転者の年齢、使用目的などによっても発生する事故の頻度や被害程度、ひいては支払われる保険金額に大きな差が生じるため、保険料負担の公平性を保つために保険料算出にあたり次の条件も考慮されます。
- 自動車の種類・型式(車両料率クラス)
- 自動車の種類によって、使用頻度、事故時に相手や搭乗者に与える被害程度も変わってきます。そのため道路運送車両法で定められている分類で自動車を区分しています。その区分の中でも自家用車乗用(普通)」、「自家用車乗用(小型)」については、登録者数が多く自動車の型式によってもリスクに差があるため、「車両料率クラス」という制度を用いて自動車のリスクをいくつかの観点でクラス分けしています。
- 自動車の種類・型式(車両料率クラス)の詳細
- ノンフリート等級別料率制度
- 保険の使用状況に応じて保険料に差をつけ、無事故のドライバーを優遇するための制度です。等級には1等級~20等級まであり、等級が高いほど保険料が安くなります。はじめて自動車保険に加入する際は6等級からスタートし、1年間保険を使用しなかった場合は1つ等級が上がります。しかし事故を起こして保険を使用した場合は、翌年の等級が3つ下がってしまいます。
- ノンフリート等級別料率制度の詳細
- 運転免許証の色
- 運転免許証の色(グリーン、ブルー、ゴールド)の中でもゴールド免許を所持している運転者は過去5年間において無事故・無違反であった優良運転者であり事故のリスクが低いと判定されるため、色の免許証に比べて保険料が割安になります。
- 運転免許証の色の詳細
- 使用目的
- 主に「業務使用」「通勤/通学使用」「日常/レジャー使用」に分類されます。日常/レジャー使用の場合は車の使用頻度が減ることから事故率が減少するためその分保険料が割安になります。反対に仕事でも使用する場合や通勤や通学で使用する場合には車の使用頻度が増える分、事故発生率が上昇するため保険料が割高になります。
- 使用目的の詳細
- 使用地域
- 車を使用する地域によっても保険料が異なる場合があります。各地域の事故のリスクが保険料に反映されるためです。
- 使用地域の詳細
- 走行距離
- 走行距離が多い車ほど事故に合うリスクは高まるため、保険料が割高になります。
- 走行距離の詳細
- 年齢の限定
- 年齢が若ければ若いほど事故率が高くなることから保険料は割高になっています。反対に運転できる条件の年齢を上げていくことで保険料は割安になります。運転者の年齢の範囲に応じて「全年齢補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」「35歳以上補償」といった区分が設けられており、それぞれの年齢条件により保険料が変わります。
- 年齢の限定の詳細
- 運転者の限定
- 補償対象となる運転者の範囲によりリスクが異なることから、運転者限定の区分が設けられています。運転者の限定条件には、「本人のみ」「本人と配偶者に限定」「本人とその家族に限定」といった条件があり、運転者を限定しない事も可能です。限定条件を定めないケースとしては、たとえば法人所有の自動車の場合、だれが運転しても補償が受けられるようにする必要があります。さらに家族以外の友人が運転する場合などもこれに当たります。ただし運転する人を限定しないため保険料は割高になります。逆に運転する人を限定しその幅を狭めていくと保険料は割安になります。
- 運転者の限定の詳細
- 割引制度
- 上記の条件に加えてさまざまな割引制度を利用する事もできます。たとえば装備品としてイモビライザーが装備されている場合は盗難被害率が減ることから車両保険が割り引かれます。さらにハイブリッドカーや電気自動車の場合はエコカー割引が適用され、保険料が割り引かれます。
- 割引制度の詳細